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早期離職対策コラム

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大企業から若者が逃げている。「安定」の意味の変化

大企業から若者が逃げている。「安定」の意味の変化

大卒の新卒3年以内離職率(早期離職率)は32.3%です。(厚生労働省の発表データより)

早期離職率は当然、企業規模によっても差があります。
大企業の方が辞めにくい。規模が小さい企業ほど早期離職率は高い。というのは過去から現在まで変わらぬ事実です。

今も大企業の方が辞めにくいのは事実なのですが、中小企業との差は小さくなってきています。

いわば「若手社員の大企業からの脱出」が一部で始まっていると

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「教えると自分で考えなくなるから敢えて教えない」人たちが見落としていること

「教えると自分で考えなくなるから敢えて教えない」人たちが見落としていること

新人への指導担当者として、こんな考えを持つ人をどう思いますか?
「はじめに教え過ぎると自分で考えなくなるから、教えない」

正直、私はこの考え方に何もメリットがないと思っています。
自分で教えることと、自分で考えないこととの間にはなんの関係性もありません。
こういった間違った“指導論”をなくしていくことが大切だと思っています。

自己決定理論:人は自分で決めるとモチベーションが高い

自己決定理論

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大手に入っても3年で3割辞めるは嘘。ただし、大手と中小の差は確実に小さくなっているという真実。

大手に入っても3年で3割辞めるは嘘。ただし、大手と中小の差は確実に小さくなっているという真実。

厚生労働省から発表された新規学卒者の3年以内離職率(=早期離職率)についてお伝えします。
大卒の概論はこちらの記事でご紹介しています。

今回は事業規模別に注目してお伝えします。

大企業の方が早期離職率は低い

厚生労働省は事業規模別の早期離職率も発表しています。2020卒(2023年発表)のデータは、

5人未満 54.1%
5~29人 49.6%
30~99人 40.6%
100~499人 

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2023年10月発表 大卒の3年以内離職率は32.3%で昨年よりも上昇

2023年10月発表 大卒の3年以内離職率は32.3%で昨年よりも上昇

厚生労働省から「新規学卒就職者の離職状況」が発表されました。
大学卒業後、新卒入社での3年以内の離職率は32.3%です。

昨年が31.5%だったので0.8ポイントの増加です。

直近10年の平均を上回る水準

昨年より増加と書きましたが、経年の結果をみると決して今回の結果が例年に比べて高いわけではありません。

過去のデータをグラフにまとめました。

過去最高は36.6%に対し、今回は32.3%

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キャリアでも「タイパ」(タイムパフォーマンス)重視の時代

キャリアでも「タイパ」(タイムパフォーマンス)重視の時代

タイパ=タイムパフォーマンスという言葉をよく聞くようになりました。
三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2022」で大賞にも輝くなど一般化していますね。

タイパの意味はおおむね、こんな感じです。

かけて時間に対して効果(満足度)

時間的な効率、能率

あることにかけた時間から得られる見返りや利益

費やした時間に対して得られる成果・満足度の割合

そして、このタイパが今はキャリアにも求めら

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報連相が下手な部下への対応策

報連相が下手な部下への対応策

社会人の基本とも言われる報連相ですが、部下や後輩の報連相に不満を持っている方も少なくないと思います。

先日、Twitterでバズっていた報連相に関するつぶやきにこんなものがありました。

この投稿に対して2万件のリツイート、18万件のいいねがついています。

今回は報連相が下手な部下への声掛け方法について考えてみます。

報連相の大切さはわかっているけど、報連相のをしたくない、できない。
私自身

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多くの企業でリーダー人材が不足している理由と対策

多くの企業でリーダー人材が不足している理由と対策

若手社員の離職対策を専門にする弊社(カイラボ)にも「若手よりもリーダー層や次期リーダーが辞めていく」というご相談を受けることが多々あります。

リーダー人材の不足は多くの企業で起きていることだと思います。
さらに、これからリーダーになっていってほしい次期リーダー層も不足しているという声も大きいです。

リーダー(と、次期リーダー)が不足する理由は大きく二つです。

1.リーダー層が辞める
2.リー

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若手社員の定着率を高めるには成長予感づくりから

若手社員の定着率を高めるには成長予感づくりから

早期離職の理由は数あれど、カイラボでは早期離職の三大要因を以下のようにまとめています。

・存在承認
・貢献実感
・成長予感

どれも大切ですが、やっぱり最近重要性が高まっているのは成長予感でしょう。
では、若手社員の成長予感を高めるにはどうすれば良いのでしょうか。

必用なのはリーダーのアップデートです。

早期離職者へのインタビューをしていると、会社を辞めようと思ったきっかけとして「上司や先輩

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リーダーは自分の勝ちパターンを語れる人

リーダーは自分の勝ちパターンを語れる人

育成担当者にしろ、次世代のリーダーにしろ、共通して大切なことの一つが「勝ちパターンを語れること」です。

「勝ちパターン」とは、言い換えれば仕事のコツやポイントです。
内容はどんなものでも構いません。
できる限り簡潔でわかりやすい表現の方が良いですが、難しいことでなくても良いんです。
たとえば、こんな内容です。

・何かしてもらったら「ありがとう」と言う
・初対面の挨拶は笑顔で大きな声でする
・名

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マーケティングは顧客目線、人事施策は社員目線が大事

マーケティングは顧客目線、人事施策は社員目線が大事

社会人でなくても「相手の視点に立つことが大事」って、よく言われますが、簡単なようで難しいですよね。

社員目線に立つと「なんでこんなことやるの?」と思われる施策を経営者が導入したがったり、人事が検討に検討を重ねて行った施策が社員からは猛反発に合うなんてケースは少なくないと思います。

メンタルヘルスラインケアへのよくある勘違い

メンタルヘルスラインケアへのよくある勘違い

メンタルヘルスケアに関するEラーニングの問い合わせが増えています。
カイラボでは、ストレスチェックの業務委託も受けているので、
その関係で「うちの会社の状況を踏まえたラインケアのEラーニングをつくってほしい」というご要望もいただきます。

メンタルヘルスケアへの意識が高まるのは良いことだと思う反面、社員の方々はメンタルヘルスケアに対して壁を感じている方も多いように思います。今回はその中でもラインケ

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優秀な人材が大手よりもスタートアップにいく理由

優秀な人材が大手よりもスタートアップにいく理由

いわゆる優秀学生と言われる層の希望の就職先が大手企業からベンチャー企業になっているという話しは、ここ数年耳にする機会も増えてきました。

早期離職者へのインタビューでも、大手企業を辞めてスタートアップに転職する方と出会う機会が多いです。

なぜ、今の時代に大手よりもスタートアップなのか?

しかも、様々な企業から引く手あまたの優秀な人材ほど、スタートアップに行くのでしょうか?

キーワードは成長予

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オンラインで重要性の高まる成長予感

オンラインで重要性の高まる成長予感

早期離職の三大要因としてカイラボが提唱しているのがこの3つ

・存在承認
・貢献実感
・成長予感

この中でも、リモートワークやテレワーク、オンライン商談など、仕事でもオンラインでのやりとりが当たり前になる中で重要性を増しているのが成長予感です。

なぜ、今改めて成長予感が重要なのでしょうか。

成長予感の重要性が増す理由成長予感の重要性が増している要因の一つが「仕事のやり方がものすごいスピードで

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なぜオヤジギャクはコミュニケーションの潤滑油にならないのか?

なぜオヤジギャクはコミュニケーションの潤滑油にならないのか?

オヤジギャクはセクハラ、パワハラになるなんて話しもありますが、それでも連発してしまう人もいるオヤジギャグ。
その発言で場の雰囲気が和み、コミュニケーションが円滑になるのなら良いのですが、多くの場合はそうはなりません。

オヤジギャグを発している本人はコミュニケーションの潤滑油にするつもりでも、実際には関係性を錆びつかせているだけなんてこともあります。
なぜそんなことが起きるのか、キーワードは「権威

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