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陰陽五行中医薬膳

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薬膳・中医学の基本となる陰陽論や五行論を、やわるしすの目線で解説しています。冬に出す本の下書きとして書いていますので、ご意見ご感想いただけると嬉しいです。本になる際に反映させてい…
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#陰陽

「陰陽五行中医薬膳」の目次

「陰陽五行中医薬膳」の目次

【古医道の復習】
■イノリ

【陰陽五行中医薬膳】
■食べるってなんなんだ
■薬膳ってなんなんだ
■バランスってなんなんだ
■陰陽五行的世界の始まり
■五行 相生と相剋
木火土金水
■人間の体の陰陽五行
■体を流れている大事なもの3つ 前半
■体を流れている大事なもの3つ 後半
■痰・水・湿邪・津液
■気血津液と五臓の関係
■層構造で見る体
■病気になる仕組み① 扶正袪邪
■病気になる仕組み② 巡

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「この時には食べちゃだめ」なモノたち

「この時には食べちゃだめ」なモノたち

薬膳は他の食養生と違って、「その食べ物自体が害悪だ」というものはありません。なぜなら、そういうものは食物と呼ばないことになっているからです。
若干毒性のあるものですら、危険度を記載して、食物として扱っているくらいです。銀杏なんかはその一例。
ですが、その人のその時の体のバランスによっては、これは毒にしかならんぜ、というものも出てきます。そういうもののまとめが教科書にちゃんとあるので、日本語訳してお

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専門用語がわかりません!

専門用語がわかりません!

中医学の用語は漢字が並んでいてわかりにくいとよく言われます。英語の方がわかった気になりやすい方が多いようです。
これは、漢字の意味はよくわからないけど、英語の方はよく使っている人がいるしその時の文脈判断でなんとなく意味がわかっている気がする現象で、何かこの勘違いに名前をつけて欲しいと思うぐらいです。実際英語の方でもズレて捉えている人多いので。つい先日、友人が「lead」「leader」についての日

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「すがかて」もぐもぐワーク

「すがかて」もぐもぐワーク

やわるしすの講座に「すがかて」というものがあります。これは、「清々しいカラダを作る糧」の略です。
中医学や日本の伝統医療などをまぜまぜして塾長が編み出したものですので、エビデンスもありませんし、実践例も塾長のみです。ですが、やってみてもらうと中々評判がいいですので、呼吸のワークとセットにして展開しています。
もぐもぐワークと呼んでいる部分については、文字情報だけあればできる方もあるのではないかと思

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たべものってなんなんだ

たべものってなんなんだ

命をつなぐのに必要な食べるという行為。

食べ物というのは、元々生き物で、我々の為に食べ物になってくれただけで、そもそもは彼らも先天の精をもって生まれて来て、後天の精を天地からもらって「生きていた」ものです。だから、当たり前ですが、気を持ってます。食べ物になってお店に並んでいる間にだんだん減っていきます。
我々人間は、「食べ物」から気をもらい、生物学上の両親からもらった先天の精と合わせ後天の精とし

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「やわるしすのおかゆ」について

「やわるしすのおかゆ」について

2020年に物販を開始しまして。はい。
「やわるしすのおかゆ」全3種です。BASEで販売してます。
→2021年12月から「ツクツク!」での販売に変わりました!

今は家内制手工業形態ですが、いつか大手メーカーさんが肩代わりしてくれたらいいなあと願いつつ。
今回は、そのおかゆの中身について、どういう意図があったかを解説したいと思います。でも、春夏向けに内容を変える予定です。ので、あなたが読んでくれ

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臓腑について

臓腑について

いわゆる五臓六腑のお話です。ここでは五臓五腑について。(写真は台湾のお肉屋さんです)
実際は六臓六腑でして、ここに出てくるものにプラスで「心包」「三焦」というものが加わります。

黄帝内経には、臓が陰で腑が陽だと出てきます。
まず、体の表面は陽(お日様があたるから)で内側は陰、というのはイメージできると思います。ところが、口の中から続く「内臓」は、顔の皮膚→唇とつながり、境目がはっきりしないので、

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肝について

肝について

そこが「かんじん」なんですよー

と言う時の「肝」です。じんの方は「心」と書きますが、「腎」の可能性もあるよねーと師匠は言ってましたが、肝は不動のようです。それくらい重要な臓という事です。

肝 気のポンプ/血の倉庫

気血津液は巡っていないといけません。この3つの巡りにはそれぞれの通路があり、ポンプがあります。肝は気のポンプ機能を司っています。肝が弱ったりバランスを崩したりすると、気の巡りが悪く

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病気になる仕組み④ 七情

病気になる仕組み④ 七情

「病は気から」と言いますが、中医学ではこれが本当のことです。病気は気合いで乗り切れる、という精神論ではなく、五行論によるものです。それをここまで3回に分けて書いてきました。4つ目は最も精神論ぽく見えるお話です。

五行の表を見ると「五志」という欄があります。
木:怒
火:喜
土:思
金:悲、憂
水:恐、驚
これらの感情もエネルギーですので、気の一種です。というより、日常的に使う日本語の「気分」は感

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人間の体の陰陽五行

人間の体の陰陽五行

人間の体も当然のように5つのグループに分けて考えることが出来ます。五臓六腑は分かりやすいですね。そしてその五臓に対応する器官も分かっているので、どこに症状が出るならどこどこが悪い可能性高いよ、という形でみることが出来ます。もちろん、それだけではないのですが、まず基本の知識として押さえましょう。

木のグループ 肝胆・目・筋・爪・涙・怒

例えば木のグループはこういったものが所属しています。肝は陽臓

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病気になる仕組み②

病気になる仕組み②

以前同タイトルの記事では「正気と邪気の戦いで、正気が負けたら病になるよ」という話を書きました。

その「邪気」は、外から入ってくるものと体内で生まれるものがあります。外からはいってくるのは、季節のせい、天候のせい、環境のせいだったりします。中で生まれるのは、体の陰陽バランスが崩れたところで、五邪が生まれてしまうパターンです。また、感情のせいで生まれる時もあります。(→五邪六淫七情)

実際はこの他

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病気になる仕組み

病気になる仕組み

何故病気になってしまうのか。

一番基本となる発病の仕組みは「正気が足りず邪気に負ける」から、です。逆に、
「扶正袪邪」(正気がきちんとあれば、邪気は払われる)
「正気存内、邪不可干」(正気が内側に在れば、邪気は干渉することができない)
と言います。

ですから、まずは「正気」が満ち満ちているようにする事が大事です。その為には、気が体内で作られ、十分に貯蓄され、スムーズに巡っていて体表面まで張り巡

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足りないのと余ってるの

足りないのと余ってるの

中医学の用語で、意味が分からんランキング上位に入るであろう「虚実」。その話です。

簡単にいってしまうと、足りないのが「虚」で余ってるのが「実」。

その一つとして、体力が足りないのと余ってるのがあります。が、そこだけではありません。これが、漢方薬をややこしくしているのではないかなあと思うのですが、正直、体力の有無だけを虚実の概念とした考え方をちゃんと学んだことがないので、「どう違うか」の説明が出

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気血津液と臓腑の関係

気血津液と臓腑の関係

※中医学の専門用語が色々出てきます。が、漢字の意味の通りなので気負わずに読んでください。そして覚えようとしないで下さい。覚えることに意味はありません。

体の中を流れている大事なもの「気血津液」

体の中の色んな働きをコントロールしている「五臓六腑」

五行論なのに六がある(しかも六臓目もほんとはある)ことは一旦置いておいて。

五臓六腑の機能を知る時に、気血津液とどのように関わるのかが分かってい

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