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なぜやる気が出ない? 変わるモチベーションの源泉とは(モチベーション3.0)

「最近モチベーションがなかなか上がらないなぁ…」

仕事に取り組んでいると、自分の中のモチベーションが上下することを感じる時があります。以前はやる気全開だったのに、最近はやる気がなかなか起こらない、そんなことが誰しもあるのではないかと思います。

そんな時に「何やっているんだ自分は」「昔の自分はもっとギラギラしていたのになぜ」と自分を攻めたり、追い込んだりします。こうした、モチベーション維持・向上への悩みは、多くの人が抱えているのではないかと思います。

仕事、勉強、スポーツなど、モチベーションはいろんな側面で必要で、かつモチベーションは高い方が良いと思われています。

そもそもモチベーションの正体とは何なのでしょうか。改めてモチベーションとの向き合い方を考えます。

モチベーションとは

そもそもモチベーションとはどんな意味でしょうか。辞書によるとこんな説明があります。

モチベーション【motivation】
・動機を与えること。動機づけ。
・物事を行うにあたっての、意欲・やる気。または、動因・刺激。

「やる気」と考えると、やはり気持ちの問題です。上がったり下がったりするのが常です。

そして「動機」とは「出来事がおきるはずみ」であり、きっかけだったり、原因だったりします。その行動を促すきっかけという事ですね。
モチベーションが高い状態とは行動に移るきっかけを持てている状態ということ。低い状態はその逆ということです。

アメとムチは有効か

モチベーション、つまりは行動の動機について考える時に出て来る概念が「アメとムチ」です。

・お金がたくさん貰えるから、仕事を頑張る。
・1等賞をとると表彰されるから、勉強、スポーツを頑張る。
・叱られないように、宿題を頑張る。

会社や学校など、多くの人が当然のようのに、この「アメとムチ」によって動機付けられ行動しています。お金や褒め言葉など、相手が喜ぶようなインセンティブを与えてやる気を引き出す手法です。

よいことをしたらアメを与え、悪いことをしたらムチを与える。そうやって高めることができるやる気のことを、心理学では「外発的モチベーション」といいます。これは実はデメリットが多い動機付けの手法です。なぜなら、モチベーションの起点が自分の中にないからです。

自分の「中」に興味や関心といった頑張る理由があるわけでなく、お金がもらえるから、叱られないようになど、自分の「外」に理由を置いているモチベーションは、いわば外からコントロールされている状態です。シンプルな行動を引き起こすために、または即行動を促す上では効果はあるでしょうが、そうじゃない場合は有効に働かないケースの方が多いです。

ここでモチベーションの権威、ダニエル・ピンク氏のプレゼンテーションをご紹介します。

この動画を見れば外発的モチベーションではなく、内発的モチベーションがいかに重要かが分かります。創造的な仕事と向き合う時はなおさら、内発的モチベーションが重要ですね。

モチベーションは「3.0」の時代へ

先にご紹介したダニエル・ピンク氏の著書に「モチベーション3.0」があります。この中で、モチベーションも時代の変遷の中でバージョンアップしているということを語っています。

モチベーション1.0
人間は生物です。生存のために行動する、とみなしたのが1.0。生存の為に必要な動機付けのことを指します。「空腹を満たしたい」など。人々が、天敵から身を守り、今日の食料を見つけることが最優先だった時代にはこの1.0が役に立ちました。

モチベーション2.0
人には報酬と処罰が効果的だとみなしたのが2.0。外的な報酬による動機付けです。「〇〇をもらえるなら、▢▢をします」など。工業時代が始まるとこの2.0が社会の発展に一定の役割を果たしました。この2.0を支えている考え方が先に登場した「アメとムチ」です。

モチベーション3.0
人間には、学びたい、創造したい、世界をよくしたいという第三の動機づけもある、とみなしているのがこの3.0.内発的動機付けのことです。「私が楽しいと思うからこれをしたい」など。今の社会システムは多くが2.0を前提につくられています。ダニエル・ピンク氏は2.0から3.0へシフトすべきだと主張しています。

ピンク氏の主張の背景には先に紹介した動画の通り、外発的動機付けでは限界があるからです。限界というより、むしろ逆効果で成果が上がらないケースも多いということです。クリエイティビティを求められる状況ではなおさらアメとムチの手法は創造性を蝕みます。

2.0は「これをやれば業績が上がる」という大量生産、大量消費の時代では有効に機能しました。その時代は仕事が「作業」という名のシンプルなルーチンワークが主だったからです。しかし、そんな時代は終わり、今の時代どんな仕事でも創造性は求められています。

しかも、今のこのコロナ禍では先行き不透明がゆえに、手さぐりでも新しいチャレンジをしていくことが求められています。それらは「はじめての仕事」が多く、チャレンジングで、クリエイティブな要素をはらんでいます。その時にモチベーションは2.0のバージョンでは機能しません。内発的な3.0のモチベーションを活かすことが大切です。

まとめ

仕事をしているとモチベーションが上がらないことはあります。しかし、モチベーションと一言でいっても、いくつかの質の違いで分類出来ます。今の自分にはどのレベルのモチベーションが足りていないのかを冷静に見極めることも必要です。

人間の本能として芽生える動機(1.0)と、アメとムチのように外側からの働きかけによる動機(2.0)、そして自分の中から湧き上がってくる動機(3.0)。これらモチベーションにもパソコンのOSのようにバージョンが変遷してきています。

今の不確実な世の中、創造性が求められる時代に必要なのは3.0の内発的モチベーションです。自主性、成長、目的。これら自分の中から生まれてくる動機を自分で明確に持つことが求められていると言えます。

周りの人や環境にモチベーションを頼るのではなく、「自分でこれがしたいんだ」と思えるエンジンをしっかりと自分の中に持っていたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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