見出し画像

ストレスと感情~イラつくにはワケがある~

「職場の人間関係を考える」が、先週、もっともスキされた記事の1つに選ばれました。
皆様の支援のおかげです。
深く感謝いたします。
ありがとうございます。

お礼に私の好きな言葉をお届けします。

「愛とは誰かの心に、希望の灯をともすことです」
(日野原重明)


投稿動機


投稿動機は、精神科医Tomy先生のvoicyでした。

「怒りが湧くときは、疲れている」というテーマでした。

聞いてみて合点がいく内容だったのでストレスとの関連を調べようと考えました。

私の経験から、疲れている時、イライラしやすかったです。
また、患者の多くが、疲労感が強いので、医療職に当たり散らしたり、文句を言うケースがザラです。

両者に共通しているのは、「ストレスフルな生活」。

ストレスがかかると感情はどのように変化するのでしょうか?


ストレスと感情


ストレス症状が長く続くと下記の感情変化が見られます。

・気分が沈む、憂うつ
・何をするのにも元気が出ない
・イライラする、怒りっぽい
・理由もないのに、不安な気持ちになる
・気持ちが落ち着かない
・胸がどきどきする、息苦しい
・何度も確かめないと気がすまない
・周りに誰もいないのに、人の声が聞こえてくる
・誰かが自分の悪口を言っている
・何も食べたくない、食事がおいしくない
・なかなか寝つけない、熟睡できない
・夜中に何度も目が覚める


ストレス対策


個人がストレスに対処する能力を高めるための具体的な方法としては、

1.ストレスの正しい知識を得る
2.健康的な、睡眠、運動、食習慣によって心身の健康を維持する
3.自分自身のストレスの状態を正確に理解する
4.リラックスできるようになる
5.ものごとを現実的で柔軟にとらえる
6.自分の感情や考えを上手に表現する
7.時間を有効に使ってゆとりをもつ
8.趣味や旅行などの気分転換をはかる

などが挙げられます。

今回は、この中で、5.について詳細をご紹介します。


認知行動変容アプローチによるストレス対処


「認知行動療法」は、極端な考えや行動を修正することによってうつ病などの精神疾患を治療するために開発され効果が実証された精神療法(心理療法)で、世界的に使われています。

最近では、認知行動療法の考えに基づいた「認知行動変容アプローチ」がストレス対処法にも役に立つことがわかって、職場や地域、学校など、医療場面以外でも使われるようになってきています。

考え方のポイントとしては下記の通りです。


1. 感情に影響する自動思考に目を向ける


認知行動療法では、感情が動いたときに瞬間的に頭をよぎる考えに注目します。そうした考えは、ほとんど意識されないまま自動的に浮かんで消えていくので「自動思考」と呼ばれています。

私たちの感情は、そのときのとっさの考え、自動思考の影響を受けて変化します。感情を意識的に変えることはできませんが、考えであれば変えることができます。

認知行動療法はその考えに働きかけるのですが、それは、考えが変われば感情を変化させることができるからです。


2. 良いこと良くないことも含めての情報収集


思いがけず良くない出来事に直面したときにとっさに良くない可能性を考えるのは、自分の身を守ろうとする自然な反応です。

しかし、何らかのきっかけでネガティブな考えから抜け出せなくなると、つらい気持ちが続くことになります。

そのようなときに、そこで何が起きているか、良いことも良くないことも含めて情報を集めることができれば、気持ちが落ち着いてきて、工夫しながら問題に対処するこころの力がわいてきます。


3. 決めつけ思考に注意


つらい気持ちになったとき、「いつもこうなんだ」、「絶対うまくいかない」、「どうせ何をやってもダメだ」など、決めつけ思考になっていないかどうか確認してみましょう。

〇×試験の問題に、「必ず」や「絶対」などの決めつけ言葉が入っていたら×をつけるのが普通ですが、頭のなかで考えているときには自然に受け入れてしまっています。

そうした決めつけ思考に気づいたときには、良いことも良くないことも起きている現実に目を向けて、先に向かう工夫をしてください。


4. 自分に優しくする


他の人から一方的に、「ダメ人間」、「嫌われ者」、「お先真っ暗」と言われると腹が立つでしょう。

それなのに、つらくなっているときには、こうしたひどい言葉を自分が自分に投げかけていることがよくあります。

このように、自分、人間関係、将来に対して悲観的に考える状態を「否定的認知の三兆候」と呼びますが、それでは本来持っている自分の力を発揮することはできません。

つらいときこそ、自分が自分に寄り添うことが大事です。


5. 今の自分を大切にする


ストレスがたまってくると、私たちは、過去を振り返って後悔したり、将来のことを考えて不安になったりしやすくなります。

しかし、過去は変えることができません。将来がどのようになるかもわかりません。

私たちにできるのは、過去を今に生かすことです。将来のために今準備することです。


ですから、認知行動変容アプローチでは、今起きている出来事に目を向けて、問題に上手に対処しながら、自分らしく生きていけるように手助けします。


6. マインドフルネス


マインドフルネスは、五感を使って今に集中する方法です。

呼気や吸気を感じながらゆっくり腹式呼吸をしたり、五感を意識しながら食べ物を食べたり、大地を感じながら静かに歩いたりするなど、いろいろな方法があります。

そのようにして今に目を向けることで、過去や将来へのとらわれから自由になり、自分やまわりに思いやりを持って生きていけるようになります。


7. 三大ネガティブ感情


うつ、不安、怒りは、「三大ネガティブ感情」と呼ばれていて、こうした感情が強くなると心の痛みが強くなります。

こうしたネガティブ感情を感じないですめば良いと考えてしまいがちですが、これは体の不調を伝える体の痛みと同じで、何か危険が迫っているということを伝える「こころセンサー」の役割を果たしています。

つらくなっているときには立ち止まって、何か問題がないかどうかを確認する勇気を持つようにしてください。


8. 感情は考えに左右される


感情と考えは密接に関係しています。

落ち込むのは「何か大切なものをなくした」と考えるからです。

不安になるのは「危険が迫っている」と考えるからで、腹が立つのは「ひどいことをされた」と考えるからです。

もちろんその考えが正しい場合もありますが、それが行きすぎると自分がつらくなりすぎたり、人間関係のトラブルが起きたりします。

そうしたことを避けるためには、もう一度現実に目を向け直して、問題に対処するようにすると良いでしょう。


参考資料:厚生労働省ホームページ


最後まで読んでいただきありがとうございました。

画像1


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?