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アルバムレビュー

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漫然とアルバムを聴いていると印象を忘れてしまうので、アルバムを聴きながら1曲づつ感想を書き留めてみることにしました。特にジャンルレス。その日選んだアルバムを聴いてレビューしていき… もっと読む
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#ワールドミュージック

Juçara Marçal / Delta Estácio Blues(2021、ブラジル)

Juçara Marçal / Delta Estácio Blues(2021、ブラジル)

奇妙だけれど新鮮 ★★★★★

昨年9月にリリースされた後、ずっとワールドミュージックチャートに入っているアルバム。まずはe-Latinaの解説文からどうぞ。

「ワールドミュージック」の枠を超えて、「オルタナティブロック」の枠でもベストアルバムなどでちらほら見かけた気もするアルバムです。なんとなく実験的なヒップホップとも言える音像だからかな。デジタルなトラックということですが使われている音は生音

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Shujaat Husain Khan, Katayoun Goudarzi / This Pale(2021、インド/イラン)

Shujaat Husain Khan, Katayoun Goudarzi / This Pale(2021、インド/イラン)

インド古典音楽への誘い度 ★★★★☆

モンゴル、トルコと来たので今日はインド音楽を聴きたいと思う(厳密にはそれぞれロシア≒トゥヴァ共和国とデンマークなのだが)。そういう意味では今日も純粋なインドではなくインド+イラン(ペルシア)。今日も最初にLatinaの解説を貼っておく。

もともと北インド古典音楽(ヒンドゥスターニー音楽)はイスラム、ペルシアの影響とインド音楽がまじりあってできたものだからこ

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AySay / Su Akar(2021、デンマーク/トルコ)

AySay / Su Akar(2021、デンマーク/トルコ)

新世代ワールドミュージック感 ★★★★☆

始めにe-Latinaの紹介文を引用しておく。

トルコ音楽好きなら楽しめるだろう。かなりトルコ色が強く感じるがそれは異質感からで、本国のトルコ音楽に比べるとやはり洗練というか、欧州、北欧(デンマーク)らしさがあり、クールな感覚がある。トルコ色を強く持ちながらオランダを起点に活動するAltın Günにも近い感覚があるが、こちらの方がエレクトロニカとか北

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Khöömei Beat / CHANGYS BAGLAASH(2021、トゥヴァ@ロシア)

Khöömei Beat / CHANGYS BAGLAASH(2021、トゥヴァ@ロシア)

おススメ度 ★★★★★ホーメイビートはロシア連邦を構成するトゥヴァ共和国出身の6人組のバンド。ホーメイ(喉笛)はモンゴルのイメージが強いが本場はどうもトゥヴァのようだ。以前、The HUの記事でも取り上げたがUSの盲目のギタリストがホーメイに魅せられ、本場の達人とコラボレーションをしにいく「ジンギスブルース」という映画がある。この舞台もトゥヴァだった。実際にモンゴルに行ったときにウランバートルでホ

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折坂悠太 / 心理

折坂悠太 / 心理



邦楽ウィーク4日目。今日は折坂悠太の「心理」を聴いてみます。折坂 悠太(おりさか ゆうた、1989年9月16日 - )は、鳥取県出身のシンガーソングライターで、2013年から人前で演奏を始め2014年に自主制作盤をリリース。初のワンマンライブ開催やイベントに参加して着実にファンを増やしていき、2018年にリリースしたセカンドアルバム「平成」は第11回CDショップ大賞2019で大賞(青)と、ミュ

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Blanco / Blu Celeste

Blanco / Blu Celeste



ブランコことリカルド・ファブリコーネは、イタリア、ブレシア出身のアーティストで、2003年生まれで2021年時点で18歳。以前、Apple Musicの各国ランキングを見ていたらイタリアで首位だったので知ったアーティストです。デビューアルバムがリリースされ、現在もApple Musicで首位独占中。本国ではかなり人気が高いようですが、あまりまだwebに情報がないんですよね。どうもSoundcl

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Subterranean Masquerade / Mountain Fever

Subterranean Masquerade / Mountain Fever



サブテラニアン・マスカレード(地下舞踏会)はギタリストのトメル・ピンクにより1997年に結成されたイスラエルのプログレッシブ・メタル・バンドです。ジャズ、サイケデリックロック、デスメタルなどの影響も取り入れた音像と評されています。本作は5枚目のスタジオアルバム。こちらのブログ(濃厚!)で次のように取り上げられていました。

こんなにメジャー感に溢れているのに“血が通っている”ことがここまで濃厚

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Thy Catafalque / Vadak

Thy Catafalque / Vadak



Thy Catafalque(ザイ・カタファルク:意味は”汝の棺”)は、ハンガリーのマコーで結成された前衛的なメタルバンド。東欧メタルシーンから出てきたバンドですね。東欧やロシアのメタルバンドは独特なメロディセンスや空気感を纏っています。最初はバンドメンバーがいたようですが現在は中心人物タマーシュ・カタイのソロ・プロジェクトになっています。カタイはハンガリーからスコットランドのエディンバラに移

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Marisa Monte / Portas

Marisa Monte / Portas



ブラジル音楽界の大スター、マリーザ・モンチの10年ぶりの新作にして8作目のソロアルバム。今まで1500万枚以上のアルバムセールスを持ち、MPB(Música popular brasileira)の流れを汲むアーティスト。MPBの歌姫、エリス・レジーナに次ぐ女性アーティストとして評価されています。イタリア系にルーツを持ち、父方はブラジルで最も古いイタリアの家族の1つであるサボイアス家の子孫。8

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Nanowar Of Steel / Italian Folk Metal

Nanowar Of Steel / Italian Folk Metal

イタリアの秘宝(秘宝館的な意味で)、Nanowar Of Steel。全世界のパロディメタルファン待望の新作です。NoSを知らない方はまずはこちらの記事をどうぞ。

伝説となったIKEA賛歌Valhallerujaから2年。今回のテーマはイタリアン、そう、イタリアンフォークメタルです。全編(ほぼ)イタリア語という、「歌詞が分からないとネタが通じないのでは!?」という懸念もなんのその、やると決めたら

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Sena Şener / İnsan Gelir İnsan Geçer

Sena Şener / İnsan Gelir İnsan Geçer

Sena Şener:セナ・シェネル(1998年9月19日生まれ)はトルコのミュージシャンで、カフラマンマラシュ出身です。彼女は15歳のときに音楽を始めました。2016年にリリースを開始したシングルを、2018年9月14日にリリースされたファーストアルバム「İnsan Gelir Insan Geçer」にまとめました。彼女はコチ大学で英語と比較文学を勉強しています。トルコ新世代のアーティスト。

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Canzoniere Grecanico Salentino / Meridiana

Canzoniere Grecanico Salentino / Meridiana

Canzoniere Grecanico Salentino(カンゾニエール・グレカニコ・サレンティーノ)はイタリアの伝統音楽団で、7人組。2021年リリースの19作目のアルバムです。タイトルのMeridiana(メリディアーナ)は「日時計」という意味のよう。Pizzica(ピッツィカ)という南イタリアのフォークダンスがベースにあるバンド(楽団と言うべきか)で、ピッツィカはちょっとマイナー気味でア

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Emicida / AmarElo

Emicida / AmarElo

Leandro Roque de Oliveira(1985年生まれ)はEmicida(エミシーダ)の別名で良く知られるブラジルのラッパー、MC、プロデューサーです。ややアンダーグラウンドなブラジルのヒップホップシーンではカリスマ的存在で、Netflixでドキュメンタリーが作られるほど(後述)。本作は2019年リリースの4枚目のアルバムで、サンパウロ芸術評論家協会によって2019年後半のブラジルの

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Pinhas & Sons פנחס ובניו / מדובר באלבום

Pinhas & Sons פנחס ובניו / מדובר באלבום

Pinhas & Sonsはイスラエルのバンドで、洗練されたジャズ・フュージョン的な音像に伝統音楽の風味も加味させた心地よい音楽を奏でています。聴いていて心地よいのでしばらくドライブ中の定番ミュージックにしていました。いくつかフォローしているNoteでも見かけて聴いてみたバンド。さすがいろんな方がおススメしているだけあって洗練されて楽しい音楽。個人的にはスペインのミクスチャーバンド「ojos de

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