マガジンのカバー画像

処女小説家、「日常」編

56
日常について、面白おかしく書いてみました。
運営しているクリエイター

#一駅ぶんのおどろき

知らない男の香り

知らない男の香り

たった一度、部屋に入れるのを許しただけだった。

私は夢中で彼を包む服を脱がし、彼はされるがままに動かす私の獣のような衝動に身を任せた。

がっついている、そう言うふうに軽蔑されたかもしれない。だが、私は現状を変えたくて必死だった。

そして、いよいよ彼の一番大切な場所を包むそれを剥がし、棒状のそれをゆっくりと抜き取る。

すると、彼の濃い香りが部屋に広がり、私を目覚めさせた。

そして朝が来た。

もっとみる
アンチ抹茶味(過激派)

アンチ抹茶味(過激派)

今日の私は過激派だ。

だが、多数の人間を敵に回すつもりで勇気をもってこう主張する。

抹茶が甘くなってるの、気持ち悪くない??

そう、私はアンチ抹茶味党(過激派)なのだ。

抹茶味は子供の頃から苦手で、抹茶味のアイスを親から一口分けてもらうと「何でお茶が甘いんだやべぇ!」と思っていた。

貧乏な家の出(正確には出ていない)のため、お茶とコーヒーは薄いのが好きだった。そのせいで、正直抹茶味のお茶

もっとみる
30歳はずっと「君」を嫌いだと思っていた

30歳はずっと「君」を嫌いだと思っていた

(画像)秋が教えてくれた出会い

嫌いだと思っていた人が、実はいい人だったというパターンは人生でそれなりによくある話だと思う。

残念ながら、逆パターンのほうが圧倒的に多いのが人生のクソゲーたる所以なのだが。

今回は私の人生において「嫌いだと思っていたけど実はいい人で気が合ったものナンバーワン」である湯葉について語る。

そう、食品の湯葉だ。
残念ながら私には友人がいないので、人間関係の話は食品

もっとみる
30歳・牛乳との秘密の逢瀬

30歳・牛乳との秘密の逢瀬

(画像)私には〈キミ〉以外に本命がいる

こんにちは、六千億兆人の恋人・矢御あやせです。

突然だが、私は浮気をしている。

さて、皆さんは子供の頃、一番好きだった飲み物は何だったろうか?
私は問答無用で牛乳である。それが私の浮気相手だ。

今でこそ水と麦水(ノンアルコール)と天下一品のこっさりを啜って生きている私だが、子供のころは牛乳が大好きだった。
それこそ、母親によって「一日一杯」と摂取制限

もっとみる
30歳小説家、大切なものを失う

30歳小説家、大切なものを失う

(画像)もう二度と君とはぐれないように

私は今、悲しみに暮れている。

どうしようもなく大切な存在だった。
もはや私自身と言っても過言ではなかった。

そんな君との出会いは昨日の夜だった。

どうしても書けない。
そう思って泣いていた夜、君はそっと私に身体を開き、寄り添ってくれた。
君は私の指にしっかりと応えてくれた。

一夜だけの関係なんかじゃない。
君と私は運命の出会いを果たしたものだとばか

もっとみる
30歳とパンと血液

30歳とパンと血液

おまえは今まで食ったパンの枚数を覚えているのか?
(ジョジョの奇妙な冒険)

これはジョジョを読んでいない私ですら知っている名台詞だ。

今、私はこの枚数を思い出せるなら思い出したいと思っている。
なぜなら、もうパンが食べられないかもしれないからだ。

というのも、この記事は血液検査の結果を聞いた帰りに書いている。
私は、悪玉コレストロール、血糖値、脂肪肝で引っかかってしまった。全部デブ関連だ。

もっとみる