マガジンのカバー画像

140字の小説集

200
140字の小説を集めてみました。(それ以外の短編もあります) お時間がお許しならば、少しでもお立ち寄りください。 このマガジン、読めば笑顔になるかもです。 笑いはあなたのお薬です…
運営しているクリエイター

2023年9月の記事一覧

名残りの香り(140字の小説)

名残りの香り(140字の小説)

「もう、君とは終わりだね」と、彼は呟く。
…待って、終わりって何?…
彼の瞳に光る涙。
彼は外に。
彼の後ろ姿を追う、私。
…待って、何処に行くの!…

「側に居て!」と、ドアを叩いても虚しさが残るだけ
彼の去った後、彼の残り香が私を更に辛くする
名残り惜しい香り!

でも、トイレの芳香剤と同じ匂い。

見放された男(140字の小説)

見放された男(140字の小説)

私は不運な男だ
勝負事は負け続け、株も大暴落
選んだ妻は、最強の恐妻
子供達にも馬鹿にされ、
「これほどの不運な男も珍しい」と
神にも見放された

私に救いの手を差し出す人は誰もいない

生きる希望を無くし私は
死に場所を求めて彷徨い歩く

だが、私は今も死ねない!

幸運なのか?
死神にも見放されている!?

熱き鼓動に乾杯(140字の小説)

熱き鼓動に乾杯(140字の小説)

私は彼と目が合うたびに悦びを感じるの

彼の視線は、私に緊張を与えるけど
私は嬉しいわ!
こんな熱いショックは、初めてよ

彼は私を興奮させるの
そして私の鼓動を激しくさせるの

これっていつもの事かな?
そうよ!いつもの事よ

私は恋に目覚めたの
どうしよう!どうしよう

75歳の私の心臓には耐えきれないよ

有名人では無いですが!(140字の小説)

有名人では無いですが!(140字の小説)

天国と地獄って本当にあるのか?
地獄には行きたくは無い

天国は楽しそうだけど
毎日を過ごしたら退屈しそうな気がする

死後の世界の事は解らないが
全ての人に必ず死は訪れる

ならば、目先の欲に捉われる生き方は
したくはない

悔いの無い生き方をするぞ

僅かな人生、名を汚す事なく生きよう

惜しむ名も無いが!

誘拐事件(140字の小説)

誘拐事件(140字の小説)

その日、脅迫状が私の元に届く
犯人は身代金を要求してくる
私にはかけ甲斐の無いものだ。

天塩の掛け、教育したものだ
そう簡単には手放せ無い
ただ、そのものは非常に賢いが凶暴と
知って誘拐したのだろうか?
そのものは、以前ある殺し屋を殺害した
その物の爪には猛毒が塗ってある
誘拐犯の無事を祈りたい。

追伸
以前 殺し屋(140字の小説)で紹介した猫が何故か誘拐されました。
賢い猫だけど、非常に凶

もっとみる
季節が秋に変わる頃(140字の小説)

季節が秋に変わる頃(140字の小説)

「秋は別れの季節」
誰が言ったの、そんな悲しい事を

熱く燃えた夏とは違い
冷静になるから?

秋だって燃えるよ、紅く燃えるよ!
でも、枯れ葉となって
散ってしまう寂しい季節かな?

秋は辛い厳しい冬に向かう
助走の季節なのかな?

そうでは無いよ、
僕を詩人に変えた魔法の季節だよ

そうだよ、魔法の季節だよ!
#シロクマ文芸部

賑わう花火大会のなかで(140字の小説)

賑わう花火大会のなかで(140字の小説)

君と二人で観た想い出の花火
今年も僕は此処に来たよ
君も居るよね
きっとこの場所いるよね
君と一緒に観ようよ
君の側に僕は行くよ
賑わう人々の中に、君はきっと居るはず
だけど、暗くて見えないよ
多くの人で探せない
何処にいるの、返事をしてよ
花火が終わると
僕は帰らないといけないの

お盆の最後の夜だから

ウルトラマンの悲劇(140字の小説)

ウルトラマンの悲劇(140字の小説)

広い空を自由に飛ぶウルトラマン
子供達のヒーロー ウルトラマン
宇宙から地球を守る為に来たウルトラマン
宇宙怪獣を3分で倒すウルトラマン
地球に3分しか存在出来ないウルトラマン
カップ麺さえ食べられないウルトラマン。
着地の時、大地震を起こす大迷惑者の
ウルトラマン!

ウルトラマンよ何処へ行く〜

追伸
54字の小説の類似版を、140字の小説にしました。

私を誘惑するな!(140字の小説)

私を誘惑するな!(140字の小説)

私は決意した。そのものを無視しよう、と
だが、そのものはいつも私の側にある
不思議な事に側にいる
「私の寿命を奪うつもりか!誘惑するな」と言っても虚しいだけ

妻が食べるぼた餅が、いつも私の目に止まる
私も食べたい!ぼた餅

だが、私は病人
元気な病人
不治の病に侵された病人
私の病は、悲しき糖尿病。

正義のヒーロー スーパーマン(140字の小説)

正義のヒーロー スーパーマン(140字の小説)

我らのヒーロー スーパーマン
スーパーマンは、悪を倒す正義の味方
だが、スーパーマンは地球上に
存在しない

ある日、私はスーパーマンと出会う
スーパーの呼び込みの男ではない

本物のスーパーマンの姿の男だ
彼は云う「地球を守りにやって来た」と
使命の姿は、心を打つ

たとえ彼が認知症を患っていてもだ!

猛烈熱女か?(140字の小説)

猛烈熱女か?(140字の小説)

あの女は歌が上手い
酒の勧め方も玄人
いつも男を誘惑する女
俺には女の誘惑など通用しない
酒の力では俺は落ちない

女が
🎵ウイスキーがお好きでしょう
と、熱い眼差しを私に向け
甘い声で妖艶に誘う

私のグラスに注ぐ琥珀色の飲み物は
最高級の紅茶。
私の好きな物を、何故知っているのか?

噂の、猛烈熱女か!?