八重垣ひぐま

元・ラジオパーソナリティ。現・国語屋さん。価値観だだもれエッセイスト。

八重垣ひぐま

元・ラジオパーソナリティ。現・国語屋さん。価値観だだもれエッセイスト。

記事一覧

「ライブハウスのビール」

 先日、打首獄門同好会の北海道ツアーがあった。根室、北見、帯広、旭川、札幌、函館、岩見沢を巡るツアーである。札幌以外の北海道の地方をそんなにも回るのは、正気の沙…

八重垣ひぐま
11か月前
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「どんな大人になりたいか」

 あなたはどんな大人になりたいですか。あるいはなりたかったですか。  八重さんはね、多分「なりたかった大人」にはなれてないです。でも「なりたい大人」には日々なっ…

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「祝言ほど素敵な瞬間はない」

 人生において、友人の結婚式ほど幸せヂカラを得られるものは、おいそれとあるものではない。祝言ほど素敵な瞬間はない、この一言に尽きるであろう。  まさに今日、久々…

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「宝くじとバターサンド」

 「世の中と仕事がどう結びついているのか」とかって、世の中の人々はぶっちゃけよくわかってないんじゃないかな。今日は八重さんなりの仕事論です。  「働く」とは一…

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「まず好きになる」

 「まず好きになる」、この言葉と出会ったのはかれこれ何年前だっただろうか……。  話は八重さんの中学校時代にさかのぼります。卒業文集に担任の国語の先生サカグチさ…

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「笑いとは教養だ」

 以前、職場で同僚女性N氏と恋愛について話していたとき、こんなやり取りがありました。  ふと、西野カナの「会いたくて会いたくて」(会いたくて会いたくて震える、と…

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「故人で笑う、故人と笑う」

 今回は八重さんの祖父母の話。  八重さんのじいちゃんはそれはそれは孫バカで、えらく八重さんを溺愛していました。うちの父親に対しては厳格な父だったようですが、八…

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「生きてりゃなんとかなる」

 「人間生きてりゃなんとかなる」と思うに至った、八重さんの貧乏時代の話。  大学卒業のあの頃は、就職氷河期でした。アメリカでリーマンショックというある種のバブ…

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「奥深き方言の世界」

 方言というより、津軽弁の話。  津軽弁に限らず、方言は「交流の要」です。方言抜きで、円滑なコミュニケーションはできません。  例えば、北海道で言えば「さる・ささ…

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「Not for me.」

 八重さんが以前住んでいた青森県弘前市では数年前「パートナーシップ宣誓制度」が導入されました。2020年12月05日土曜日の河北新報の記事を引用します。  以下『 』内…

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「アメリカのSサイズ」

 高校の修学旅行、ハワイに行きました。アホみたいに暑くて、でもじめじめしていなくて、滝みたいにスコールが降って、でもすぐ晴れて虹が出て、町は英語だらけで、いろん…

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「バイタリティの鬼」

 夏が来ると思い出す人がいます。バイタリティの鬼のことです。  彼女の名前はエンドウさん(仮名)。全国に40人ほどしかいない、あまりにも珍しい苗字だったので、念…

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「ライブハウスのビール」

「ライブハウスのビール」

 先日、打首獄門同好会の北海道ツアーがあった。根室、北見、帯広、旭川、札幌、函館、岩見沢を巡るツアーである。札幌以外の北海道の地方をそんなにも回るのは、正気の沙汰ではない。
 そのライブのさなか、大沢会長は言った、「北海道での集客が難しく、北海道でのライブ頻度が下がっていく、というのはバンド業界あるあるだ」と。そして、続けてこのようなことも言った。「その北海道、というのは札幌を指しており、いわんや

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「どんな大人になりたいか」

「どんな大人になりたいか」

 あなたはどんな大人になりたいですか。あるいはなりたかったですか。
 八重さんはね、多分「なりたかった大人」にはなれてないです。でも「なりたい大人」には日々なっていけてる気がなんとなくしてます。
 子どものころ、「大人はもっとちゃんと大人だ」と思ってました。でもね、大人になっても自分は自分で、これまでってのは今現在と地続きでこれからとも地続きなんですね。

 さておき、これまでを振り返ると人生の

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「祝言ほど素敵な瞬間はない」

「祝言ほど素敵な瞬間はない」

 人生において、友人の結婚式ほど幸せヂカラを得られるものは、おいそれとあるものではない。祝言ほど素敵な瞬間はない、この一言に尽きるであろう。
 まさに今日、久々に結婚式の招待状を受け取ったので、わくわくが止まらず、過去の色々な愉快な結婚披露宴のことが思い出されてきた。てなわけで、「結婚って自由でいいんだ」という記憶を書き綴ろうと思う。

ケース1 音楽一家

 新婦友人として参列した結婚式。通常B

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「宝くじとバターサンド」

「宝くじとバターサンド」

 「世の中と仕事がどう結びついているのか」とかって、世の中の人々はぶっちゃけよくわかってないんじゃないかな。今日は八重さんなりの仕事論です。

 「働く」とは一体何だろう。何だと思いますか?
 大多数の人にとって「働く」とは生きる手段です。つまり、最大の目的はお金を稼ぐことにあると思われます。でも、それだけでしょうか。
 「たとえ宝くじで大金を手にしても仕事は続ける」という人も世の中には少なから

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「まず好きになる」

「まず好きになる」

 「まず好きになる」、この言葉と出会ったのはかれこれ何年前だっただろうか……。
 話は八重さんの中学校時代にさかのぼります。卒業文集に担任の国語の先生サカグチさん(「バイタリティの鬼」で八重さんの背中を押した恩師)が書いていたのです。「まず好きになる」と。

 彼曰く
 「大学の入学式で、できれば関わり合いになりたくないヤバいやつがいた。ひげは伸び放題で服はよれよれ。眼光は鋭く、眉間にしわを寄せ

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「笑いとは教養だ」

「笑いとは教養だ」

 以前、職場で同僚女性N氏と恋愛について話していたとき、こんなやり取りがありました。
 ふと、西野カナの「会いたくて会いたくて」(会いたくて会いたくて震える、というフレーズで一世を風靡した例の曲)の話になった時のことです。

 N氏:「震えるほどつらいって比喩なら理解できるけども、実際に体が震えるってことなら、私にはちょっと理解できないなあ。『勝手にふるえてろ』って感じですね」
 八重さん:「(

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「故人で笑う、故人と笑う」

「故人で笑う、故人と笑う」

 今回は八重さんの祖父母の話。
 八重さんのじいちゃんはそれはそれは孫バカで、えらく八重さんを溺愛していました。うちの父親に対しては厳格な父だったようですが、八重さんを見ると目尻を下げてデレデレしていたものです。

 八重さんの社会人一年目の時のことです。そんなじいちゃんが風邪をこじらせて肺炎になり、入院。ずっと寝ているからか、脳梗塞を起こして声が出せなくなり、右半身不随になってしまいました。

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「生きてりゃなんとかなる」

「生きてりゃなんとかなる」

 「人間生きてりゃなんとかなる」と思うに至った、八重さんの貧乏時代の話。

 大学卒業のあの頃は、就職氷河期でした。アメリカでリーマンショックというある種のバブル崩壊が起き、世界中の景気が悪かったのです。
 なかなか就職が決まらない中、秋ごろに「友達の、研究室の教授の、友達の社長」というよくわからない他人と知り合いました。まあ、とにかく社長です、社長。彼は言います。「うちは小さな旅行代理店だが、

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「奥深き方言の世界」

「奥深き方言の世界」

 方言というより、津軽弁の話。
 津軽弁に限らず、方言は「交流の要」です。方言抜きで、円滑なコミュニケーションはできません。
 例えば、北海道で言えば「さる・ささる」。これを禁じられたらどうやって話していいのか困惑することでしょう。「いずい」も「わや」も「ちょす」も、「ゴミステーション」でさえも北海道弁なのです。道産子なら話してるっしょ?

 しかし、方言が交流の要だとしても、未知の方言話者との

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「Not for me.」

「Not for me.」

 八重さんが以前住んでいた青森県弘前市では数年前「パートナーシップ宣誓制度」が導入されました。2020年12月05日土曜日の河北新報の記事を引用します。

 以下『 』内、引用。

 『青森県弘前市は4日、東北の自治体としては初となる、LGBTなどを含む性的少数者のカップルを婚姻に相当する関係として認める「パートナーシップ宣誓制度」を10日に開始すると発表した。制度施行に先立ち、手続きの詳細などを

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「アメリカのSサイズ」

「アメリカのSサイズ」

 高校の修学旅行、ハワイに行きました。アホみたいに暑くて、でもじめじめしていなくて、滝みたいにスコールが降って、でもすぐ晴れて虹が出て、町は英語だらけで、いろんな色の髪や肌や瞳の人がいて、まさに異国でした。
 車は右車線を走っていました。バスの中でうとうとして、ハッと起きるたびに「あ! 事故る!」と勘違いしたものです。ちなみに、そのあと日本でバスに乗った際にも「うわぁ! 左車線だ! 危ない!」と勘

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「バイタリティの鬼」

「バイタリティの鬼」

 夏が来ると思い出す人がいます。バイタリティの鬼のことです。
 彼女の名前はエンドウさん(仮名)。全国に40人ほどしかいない、あまりにも珍しい苗字だったので、念のため仮名にしておきます。八重さんの人生を変えた人の一人です。

 中学二年の夏、北海道ジュニアセミナーに行きました。恐らく数回だけ開催された、今は存在しないイベントのはずです。全道212市町村(当時)から(各中学校からだったかも)それぞ

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