記事一覧
読書感想『彼女が生きてる世界線!』中田永一
普通のサラリーマンだった『僕』は交通事故で命を落とした。
…はずなのだが、全くの別人として意識を吹き返してしまった。
それも、生前に好きだったアニメ「きみといっしょに歩きたい」の悪役・城ヶ崎アクトとして…
アニメとして描かれた数年前に目を覚ました『僕』は、ヒロイン・葉山ハルが白血病で死ぬエンディングを変えることを決意する。
設定資料集まで読み込んでいた僕なら、葉山ハルを救うことが出来るはずだ―――
読書感想『六月のぶりぶりぎっちょう』万城目 学
今から20年ほど前、大学生になった私は京都で女子学生寮に入った。
そこは今考えるとちょっとおかしい古い言い回しが横行しており、寮生は女御(にょご)と呼ばれ、相部屋の仕切りは御簾とされていた。
学生の間しか住めないその寮には、いつからいるかわからないお局様的存在「きよ」がいた。(三月の局騒ぎ)
京都で研修旅行に訪れた滝川は、気づけば見知らぬホテルで密室殺人事件に巻き込まれてしまう。
銃で撃たれた死体
読書感想『ペンギン・ハイウェイ』森見 登美彦
小学四年生であらゆることに研究熱心なぼく(アオヤマ君)。
毎日熱心にノートを取り、たくさんの本を読み、身の回りの疑問点を解き明かそうとしている。
ある日、彼の住む郊外の町にペンギンたちが現れた。
このおかしな現象に、どうやら歯科医院のお姉さんが関わっているらしい…
早速ぼくは謎の研究を始める。
日本SF大賞を受賞し、アニメ映画化もされた森見登美彦氏の代表作の一つである(登美彦氏の場合、なんだかん
読書感想『悪いものが、来ませんように』芦沢 央
不妊治療に励むも子供に恵まれない紗英。
何も長続きがせず、うまく回りとも溶け込めない紗英だが、彼女にはなんでも共有できる親友・奈津子がいた。
なっちゃんがいてくれれば大丈夫…何もかもうまくいかなくてもなっちゃんが味方だから耐えられると本気で思っている。
奈津子は奈津子で所属するボランティア団体にはうまく馴染めず、今ここに紗英がいてくれればいいのに、と心の支えにしていた。
べったりとお互いに
読書感想『Timer 世界の秘密と光の見つけ方』白石 一文
89歳までの健康長寿を保証する世紀の発明"Timer"
現在88歳のカヤコは、目前に迫る死について疑問を持っていた。
その日が来たら私の心と身体はいったいどこへ行くのか?
知らないままにその日を迎えることに疑問を持ったカヤコは、Timerを開発し失踪したサカモト博士を探すことにする。
装着したTimerを外すことが出来れば不老不死にもなれるという噂まであり、その秘密を知りたいと願うカヤコは夫婦で
読書感想『なんどでも生まれる』彩瀬 まる
一羽のチャボが巻き起こす、人の出会いと再生の物語
外敵に襲われ逃げ出したところを茂に助けられたチャボの桜。
まだ幼い桜を大事に守ってくれた茂だが、茂は仕事がうまくいかず心に深い傷を負ってしまい部屋から出ることさえできなくなってしまう。
茂の力になりたい桜だが、如何せんチャボの桜は何もできず弱りはてていた。
そんな茂と桜を助けてくれたのは、金物店を営む祖父母だった。
東京下町の商店街の金物屋の二階