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エッセイ

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自分のこと (機能不全家族、依存、仕事、恋愛、心療内科、発達障害)
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2023年9月の記事一覧

三日月が透き通る夜

三日月が透き通る夜

「実」という言葉を改めて調べたら、
「満ちる」や「まこと」という意味を持つことを知った。



最近、夜は肌寒くなった。
一夜で、夏から秋へと季節を超えたらしい。
「実りの秋」という言葉通り、秋は豊かに満ちる季節だ。
大きくて、まろいまろい月。
太陽の光を吸い込んだように艶やかな柿の実。
秋風は、嘘偽りなく街に馴染んでいく。

私は、そんな秋を上手く愛せない。



綺麗な円よりも、少し歪で寂

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和して唱えず~荘子から学ぶコミュニケーション~

和して唱えず~荘子から学ぶコミュニケーション~

この寓話から感じた哀駘它のモテる理由。
どんな話もうんうんと聞く。
興味を持って思慮深く。
愛情を持って、相手の話を決して否定しない。
自分から無駄に話を広げず傾聴する。
この男、できる…。
昔からモテる男性というのは聞き上手なのか。



最近、失敗したことがある。
彼から「最近仕事どう?」と聞かれて、
ペアを組んでいる男性(一個上、独身)の面白話をしてしまった。
ふと彼の顔を見ると明らかにテ

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夢の先はもっと過酷で 私たちの胸を貫くけど

夢の先はもっと過酷で 私たちの胸を貫くけど

Netflixオリジナル
「light house」視聴。
星野源×若林正恭のタッグで悩みを解決していくというテーマの番組。
2人が互いの人生にとことん向き合う姿に、
大変感銘を受けた。
できることならレギュラー化して欲しい。ずっと観ていたかった…。

阿佐ヶ谷で苦しみ抜いた20代。
世間からの評価と自らの理想とのギャップに悩む40代。
「僕らは表現しか世界と繋がる術が無いですよね。」
という若林

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歌が救ってくれることもある

歌が救ってくれることもある

高校生の時、夜中に一人で聞いていたラジオ
「スクール・オブ・ロック」
受験勉強でささくれだった心を何度も慰めてくれた。
あの時間は、引き出しの中にこっそりしまっている宝物のような時間だ。今でも時々一人で見返しては「いい時間だった」と懐かしむ。
中でも、サカナクションがパーソナリティの「サカナLOCKS!」が一番の楽しみだった。

この前、久しぶりに聴いてみた。
あと数回でこの番組は終わってしまうら

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少しの秘密や傷さえ愛おしくて

少しの秘密や傷さえ愛おしくて

「聞いて欲しいことがあるんだ。」
昨日の夜、突然彼が呟いた。そして訥々と過去のことを語ってくれた。



前は、俺はずっと一人で生きていくんだって思ってた。
やりたいことも無い、人も好きになれない。
将来に希望が持てなかった。
どこで死んだっていいやって投げやりになってたんだ。

それから、縁もゆかりも無い土地に住み込みで就職した。
車も無くて、休みの日は遠出はできなかったから、毎週末図書館に4

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貴方との約束に私生かされてる

貴方との約束に私生かされてる

夏休み明け、気絶しそうに忙しかった1週間。
今日はしんどすぎて、子どもたちと目の焦点が合わなかった。笑

でも、週末は貴方に会える。

疲れた体を引きずり、彼と一緒に食べたいご飯を作る。
あれを食べて欲しいなぁ、これも作ってみようかなぁ。
あ、夜ご飯の後はアイスを一緒に食べたいから買ってこよう。
彼が泊まる日の、朝昼晩の献立を考える時間は、すごく楽しい。
彼の喜ぶ顔が見たくて、一生懸命何かできる自

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