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ベトナムで役に立つ「人事」を考えるための勉強note

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私自身がベトナムで人事労務の支援業を行う立場として、人事や労務についての日々の学びや記事への感想などをここに記録して、成長に繋げたいな、という思いで作っているスペースです。
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#ベトナム

ベトナムで人事を行う上で1つ気を付けることを挙げてください、に対して

ベトナムで人事を行う上で1つ気を付けることを挙げてください、に対して

ベトナムの人事制度についてセミナーなどでお話しさせていただいて、その後の懇親会などでよく聞かれるのが、やはり、

「ベトナムで人事を行う上で気を付けることは何か?」

というご質問だと思います。

まぁ、これはあげるとキリがないですが、1つだけ言えと言われたら、いつも

「あなたの従業員が、あなたがその方に期待している成果が何で、それを実現するための手段(行動)はこれだ、ということを私が質問した時

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【ベトナムでの社内アンケート実施時のポイント】

【ベトナムでの社内アンケート実施時のポイント】

【ベトナムでの社内アンケート実施時のポイント】

ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です

昨今、従業員への人事施策を考える上で、ベトナムの日系企業でも「社内アンケート」を行う企業が増えています。

これは「人事評価への満足度」のような点数式のものと「このような手当が欲しい」といった具体的なアイデアを聞くものとに分かれます。

こういった社内アンケートを実施する際

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【不正問題に対する若手社員の内部告発の増加傾向について】

【不正問題に対する若手社員の内部告発の増加傾向について】

ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です

昨年来、ベトナムでは様々な不正問題が噴出しているのはご存知のところかと思います。

そんな中、最近、お客様から不正問題が発覚したというお知らせをいただいた際に、発覚した原因として

「若手従業員からの内部告発」

というキーワードが頻繁に出てくるようになったと感じます。

これは、別の記事で私が書いた、「ベトナムのZ世代(

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みんなで考えるベトナム人事マネジメント 第92回:経営参画意識を高めて、離職を防ぎましょう

みんなで考えるベトナム人事マネジメント 第92回:経営参画意識を高めて、離職を防ぎましょう

こんにちは。ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です。

 ベトナムでは概ね2月前半〜中旬にかけて、旧正月である「テト休暇」となり、国中、お祝いムードとなります。

一方で、この「テト休暇」が終わった後から、4月くらいまでが、ベトナムの転職のラッシュ期間となります。

これにはいくつか理由がありますが、主要な理由としては





と、いうようなことが考えら

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【結局、人事評価の基本の基本は「”成果とプロセス”を”質・量・期間”で分析する」こと】だと思う、というお話

【結局、人事評価の基本の基本は「”成果とプロセス”を”質・量・期間”で分析する」こと】だと思う、というお話

【結局、人事評価の基本の基本は「”成果とプロセス”を”質・量・期間”で分析する」こと】

ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です

ベトナムでは毎年1月から給与改定を行う会社が大半なのはご存知の通りです。

が、実際にそれが給与として支給されるのは2月初旬の給与支払日、ということで、1月のこの時期が「ラストチャンス」という感じになります。

そして、毎年、この時期

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【ベトナムでは「和顔愛語」で接しましょう】

【ベトナムでは「和顔愛語」で接しましょう】

ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です

みなさん、和顔愛語(わげん(わがん)あいご)という言葉をご存知ですか?

「和顔」はやわらかな顔、「愛語」はやさしい言葉。

これは、仏教の経典の中に出てくる言葉で、お金や物がなくても誰にでもできる施し、「無財の七施し」の中で、

「やさしい言葉で相手に接する」

「善意に満ちた和やかな顔と明るい姿で相手に接する」

とし

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【人事評価は相対?絶対?】

【人事評価は相対?絶対?】

【人事評価は相対?絶対?】

ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です

そろそろ年末ですので人事評価に関するご相談が増えてきました。

その中でも多いのが「人事評価は相対評価、絶対評価、どちらですべきでしょうか?」というご質問です。

ざっくり言えば、相対評価とは10人いれば、最初からAは何人、Bは何人、と決まっている評価方法。

逆に絶対評価は「ある基準」を越え

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人事評価制度の改革は「諸刃の剣」?

人事評価制度の改革は「諸刃の剣」?

人事関連の仕事に四半世紀、関わってきて、その中で人事評価制度の改革について自らの会社で人事責任者として担当したり、お客様のお手伝いをしてきました。

で、今、私自身がかなり感じ始めているのが

「人事評価制度をいたずらに変更しても、喜ぶ人は少ないどころかマイナス感情の人の方が多くなる」

ということです。

特に、総人件費を特に変更しないで人事評価制度だけを変えた場合、かなりの確率で「マイナス感情

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【人事評価で”全員に差をつける”ことは本当に意味がある?】

【人事評価で”全員に差をつける”ことは本当に意味がある?】

【人事評価で”全員に差をつける”ことは本当に意味がある?】
ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です今日は人事評価についてのシンプルな問いかけです。

今、多くの会社では、従業員全員に何らかの評価グレード(AとかBとか)をつけていると思います。

「それは何のため?」と聞くと、大半の方は反射的に「そりゃ、頑張った人は評価してあげないとダメでしょ」とか「サボってる人が

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【退職の”通知”をしたかどうか、ちゃんと書面で残しましょう】

【退職の”通知”をしたかどうか、ちゃんと書面で残しましょう】

【退職の”通知”をしたかどうか、ちゃんと書面で残しましょう】

ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です

ご存知の方も多いと思いますが、ベトナム労働法では、従業員側から退職を願う場合や逆に会社側から雇用契約を解除する場合に、「事前通知」をせねばなりません。(一部ケースは適用外)

ちなみに無期限労働契約については雇用契約解除の少なくとも 45 日前、
12か月から

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【初期に採用したスタッフの給与、高すぎになっちゃった問題】

【初期に採用したスタッフの給与、高すぎになっちゃった問題】

【初期に採用したスタッフの給与、高すぎになっちゃった問題】

ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です

まぁ、ベトナムの人事労務におけるご相談のトップ3くらいに入る問題だと思いますが、「一番最初に採用したスタッフの給与だけが5年くらいして突出して高くなってしまっているのですが、どうにかできないでしょうか?」というご相談。

で、いきなり「人事評価制度を導入(変更)

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「ベトナム人への教育で最も力を入れるべきは工程表」と思う理由

「ベトナム人への教育で最も力を入れるべきは工程表」と思う理由

昨日、今日、たまたま同じような趣旨のご質問をいただきました。

「ベトナム人への教育で最も力を入れるべきは何か?」

これについては私は常に逝っているのが


を作る技術と習慣を定着させるべき」

と言っています。

リーダーシップやマーケティング、論理思考なども、それはやればやるだけいいと思うんですが、これははっきり言って日本ですら、「何が良きリーダーシップなのか?」といった定義も固まっていな

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【ベトナムでの従業員教育の第一歩は「正確な能力評価」を伝えること】

【ベトナムでの従業員教育の第一歩は「正確な能力評価」を伝えること】

【ベトナムでの従業員教育の第一歩は「正確な能力評価」を伝えること】

ベトナム人事労務コンサルティングのアジアゲートベトナム代表の豊田英司です。

仕事柄、ひんぱんにベトナムの日系企業のお客様から「ベトナムでの従業員教育」についてご相談を受けます。

ただ、この前提条件として、私がベトナムで教育研修を実施する上で非常に大事だと思っているのは、研修対象になっている、「なんらかの能力が期待水準に達して

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人事評価制度の納得度を上げるには、シンプルに人事考課の回数を増やすのがやはり効果的だ、と思う理由

人事評価制度の納得度を上げるには、シンプルに人事考課の回数を増やすのがやはり効果的だ、と思う理由

「人事評価に対する従業員の納得度を上げるには、まず人事考課の回数を増やせば良い」というお話をすると、「まぁ、そりゃそうだけど、でも、、」というリアクションをいただくことがよくあります。

ですので、少し、私自身のそれに対する考え方を、段階に分けて、理屈っぽく、ここに書いてみました。
よろしければご参照ください。
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(1)まず、人事評価への納得度は、考課時

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