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僕のお楽しみ

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僕の好きな物や事に関して書いた記事をまとめました。
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2020年8月の記事一覧

父とビールにまつわる思い出

 僕が子供の頃、父親が飲むビールは、決まってキリンビールだった。冷蔵庫にはいつもキリンラガーの大びんが数本冷えていた。

 まだ、大型量販店が普及する前で、近所の酒屋のおじさんが24本入りのビールケースを家まで配達してくれていた。

 僕が小学生の頃、父親は酔っぱらうと、いつも少しだけビールを飲ませてくれた。泡の部分を恐る恐るすすって、「にがっ」という僕を見て笑っていた。そんなやり取りがうれしくて

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早朝の散歩から一日を始めると、とても気持ちいい

早朝の散歩から一日を始めると、とても気持ちいい

 毎朝、起きると僕は散歩に出かける。
 3年前、大変なことが重なり、うつになり、主治医に勧められたのが、きっかけだ。
 歩き始めたのは冬で、朝5時に起きるとまだ、辺りは真っ暗だった。外の空気は凛と冷えて、僕の眠気を吹き飛ばしてくれた。
 歩くコースは家の裏側に広がる田んぼ道だ。冬枯れの田んぼ道はすべてが茶色く、寂しげだ。田んぼは家よりも低い位置にあるので、家から田んぼ道に出ると、眼下に広がる田んぼ

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図書館を使い倒す。

図書館を使い倒す。

 3週間に1度は図書館に行く。

 僕は好きな本は手元に置いておきたい人間だが、読みたい本は毎日どんどん増えるし、それをすべて買うなんてのはとても財布がもたない。

 だから、図書館は僕にとって必要不可欠な存在だ。

 昨日も図書館に行って、5冊の本を借りてきた。その内容はこんな感じ。

「古本泣き笑い日記」山本善行(青弓社)

「私の神保町」紀田純一郎(晶文社)

「この道」古井由吉(講談社)

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詩うたいのバラッド~俳句を始めた話

詩うたいのバラッド~俳句を始めた話

 俳句歳時記(角川書店編)を買った。

 ぺらぺらと眺めるだけで、これまで日本人が積み上げてきた季節感の豊かさを感じることができる。

 序文を読むと「歳時記は日本人の感覚のインデックス(索引)である」という詩人寺田虎彦の言葉が紹介されている。

 歳時記には、季語と一緒に、その季語を使った代表的な俳句が収録されていて、句集としても楽しめる。

 例えば、夏の季語を探してみる。

 「夕立」 蓬生

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ジャズ喫茶がすごく楽しい話

 ジャズ喫茶が好きだ。

 もしかしたら、ジャズ喫茶に入ったことがない人のほうが多いかもしれない。

 ジャズ喫茶とは、その名のとおりジャズを本格的なオーディオシステムで聴かせてくれる喫茶店のことだ。

 音量は店によって違う。会話ができないくらいの爆音で鳴らす店もあれば、心地良い音量で鳴らす店もある。僕はどちらも好きだ。

 京都で僕が通うジャズ喫茶は、熊野神社の近くにある老舗のジャズスポット・

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