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#ファンタジー
現人神、三千四百二十二代横綱は大トロ切り身概念の夢を見るか
横綱が寿司職人であることは周知の事実であり、当然のことながら、小結とはおむすびを完璧に作れなければ就けない役職だ。一般教養としての日本史を中学校で習っていれば、良い飯握ろう粟稗五穀という言葉にも慣れ親しんできたことだろうと思う。
人類が滅亡して久しい今でも、横綱は寿司を握り続けているし、それを合掌捻りで宇宙へと送り出している。横綱とは神であり、準ずる立場の大関、関脇、小結、前頭――土俵上でぶ
全時代的連続横綱殺人事件
四股踏みによるテラフォーミング。外宇宙力士の撃退。核汚染の浄化。偉大なる横綱、鳳乃鷲は同時に邪悪な横綱としての側面を持っていた。
八百長――力士の星操作は勝敗の結果だけではなく、自然災害、宇宙航行の安全、その他全てに関わりがあり、反抗的な力士は鳳乃鷲によってヤマへ送られた。
「発勁用意」
「発勁用意」
表向き、鳳乃鷲は偉大なる力士だ。野試合を断ることなどない。そして全盛期は過ぎたとは
『元傭兵デリックの冒険』より「力鬼士(リキシ)の洞窟」
「ファック野郎!」
スコップを振り下ろし、襲い来る力鬼士の指をぶった切る!
「ギァーーッ!」指は土に還る。力鬼士は後退し、チッチッと音を発した。仲間を喚んでいる! ボゴン! ボゴン! 床や壁から力鬼士が這い出す。囲まれた!「くそったれ……! まさか、実在するなんてな!」
デリックはスコップを振り回して威嚇し、事の発端を思い出す。
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「父を、助けて下さい!」デリックの店に飛び込んで来た少女