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【SLAM DUNK Gl】140話「成り上がりの条件」

三田良佑を追ってアメリカに飛んだ牧紳一は、半ば強引に牧紳一らしからぬ行動で会談の機会を設けてもらうことに成功した。

三田と三田の会社のスタッフと牧との会談が始まった。


「牧さん、びっくりしましたよ。UJBリーグチェアマンをやらせていただいておりますが、リーグ改革のことがメインで選手個人を把握しているわけではありません。ちょっとね、うちの社員に牧さんのこと詳しく聞かせてもらいましたよ。イタリアでは失礼しました。」三田


「いえ、今、私がここにいるのはイタリアでの言葉があったからです。ライバルに差をつけたいなら、何か物足りないと感じたなら、、。」牧


「環境を変えてほしい。」三田



「海南という環境で高校、大学と7年間やって来ました。後悔等ありません。しかし同じような環境でここまできたというのも事実です。」牧



「僕はね、高校でプロの下部組織のチームに昇格出来なかったんですね。成り上がりでここまできた。牧さんはエリート街道を走ってきた。成り上がりに必要なことって何だと思います?」三田



「・・・勝つこと、結果を出すこと、、?」牧


「そうっすね。大事です。僕はね、ポテンシャルを秘めた人材というのはゴロゴロいると思っていますが、その中で成り上がりに必要なことって言うのは、絶対にその一戦の結果で人生が変わるという試合があって、そこで結果を出せるか、サッカーで言うと自分のゴールで勝つという結果ですよね。」三田


三田は続けた。

「競技は違えど、本質的には同じだと思っています。牧さんのポジションがPG、ゲームメークだとしてもです。」三田

牧は1年前のアメリカでの大会、ルーキーイヤーでのJBAリーグ、インターハイ広島大会の記憶が甦った。

1年前、1点差で優勝できなかった、ラストプレーで自分が決めていれば。

インターハイ広島大会では、王者山王工業が番狂わせで湘北に敗退。湘北は愛和学院に惨敗。

その愛和学院を下し、決勝戦は、

大会の新星、森重寛の名朋工業でもなく、土屋淳率いる大栄学園でもなく波乱続きの広島大会の海南の全国制覇へ目前に迫ったのだ。

「あの時、、俺が決めていれば、、。」牧




「苦い記憶があるんですね。でもいいんですよ。挫折は過程、最後に成功すれば、挫折は過程に変わる。だからあきらめず成功に向かっていく。はい上がろうとして、未知の世界を知ることもある。」三田



「未知の世界をもっと知りたい。」牧


「僕はパスサッカーが好きで、しかし世界と戦うためにどううすればいいかということを考えれば考えるほど、ゴール、個というものを突き詰めてきました。突き詰めれば突き詰めるほど真逆なんですよ。」三田




「自らゴールを、自分で決める、大事な試合で決める、」牧


「そうです。牧さん。もし今までそれが出来てなかったとしたら、どうですか?」三田

「・・・・」

「伸びしろですね。」三田


三田はまだまだ日本バスケット界に伸びしろがあると信じている。

俺には伸びしろがある?」牧

「ありますね。牧さんの実績、ポテンシャルを考えれば、うちのチームに欲しい、、、そういう人材だと思います。」三田

「ぜひ お願いしたいと。ここにいます。」牧

「ええ、でもね、さっき言ったでしょう。成り上がりに必要な一戦があると。よく使われる言葉でいうならターニングポイントです。」三田



「トライアウトです、そこで結果を出す、牧紳一の姿が見たい。」三田


「トライアウト? いつですか?」牧



「ええよ。いい顔してるね。詳細は追って連絡します。」三田

三田良佑オーナー新規参入チーム
「プレパラシオン東京」トライアウトを実施し、

そこで牧紳一が課題をクリアする姿を見たいと伝え会談は終えた。

「決めきる力。代表やサミュエル・謙信との一戦でも見えた課題だった。もっと具体化するなら、、、。」牧

牧はそんなことを考えながら、虎視眈々と未知の世界への扉を開く準備を始めた。

勝負を決めるのは準備だ。1年後の成功を想像するんだ。そうしたら日々の地道なことも取り組める。」牧


ここは、アメリカ。
帰国するにはまだ早い。

牧紳一は、自身の課題を見据えて、異国の仲間の下へ向かったのだった。


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