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【SLAM DUNK Gl】117話「失敗など存在しない」
トライアウト合格者のお披露目と監督発表会としてサポーターを招き、イベントが企画された。
実質的なオーナーである古本興業の松田雅志、
主将の土屋淳も参加した。
イベントは合格者の紹介、挨拶等、
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順調に進行された。そして松田雅志の挨拶となった。
「ヴィルフェーダ大阪のオーナー的な役割を担うこととなります。松田雅志です。今、にわかにバスケットが盛り上がりを見せ始めています。古本興業もそこに一役買おうということで大きな組織が動きました。世間の注目を浴び、選手のプレッシャーも重くのしかかることもあると思います。」松田
「まわりは何かと言うかもしれんけど、そんなまわりの意見なんか気にせんでいい。人の見方はそれぞれ違うから批判なんて気にしない。最初から問題用紙が違うから解答も違うに決まっている。」松田
「私はバスケットのことをほとんど知りませんが、この言葉は、現場、選手、サポーターに、ああ松田が何か言うとったなーくらいに頭の片隅においていただければと思います。」松田
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松田雅志の挨拶に、会場のボルテージも上がり、選手の士気もあがったようだ。
そして会場のアナウンスが流れる。
「松田の挨拶に続きまして、ヴィルフェーダ大阪、初代監督の発表にうつります。スクリーンをご覧ください。」アナウンス
スクリーンには、監督紹介VTRが流れる。
「初代優勝監督、、、そして栄えある連覇達成」「最優秀監督賞獲得」
「ビジネス書ランキング 第1位」
「人材派遣会社経営 実績NO1」
「人気解説者」
「お茶の間の人気者」
「大阪の街に舞い降りる」
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紹介VTRの完成度とは裏腹に会場には微妙な雰囲気が流れる。
「煽りが エグイな~。(笑)」松田
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「ヴィルフェーダ大阪、初代監督、安木松太郎の登場です!!」
微妙な盛り上がりの中、安木松太郎が登場した。
「いや~紹介預かりました。ヴィルフェーダ大阪監督に就任します。安木松太郎です。」安木
会場の空気が何やらふわふわしている。
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「いや~このVTRあおりすぎだな~ 嬉しいんだけどね~ ちょっとスーパースターがででくるようなつくりでしたね~。」
「でもね! このVTRの制作者の気持ちを考えて見ましょう。このイベントにですね。私を盛り上げ、そしてヴィルフェーダ大阪の誕生の歴史的瞬間を会場の皆さんと分かち合いたい!そんな思いがあります。」
「要求に応える! それがプロです! 指笛を鳴らせる人は鳴らしましょう! 黄色い声援も出していいですからね~大いに盛り上がっていきますよ~ さぁ もう一度!」安木
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安木は袖に戻り、再びVTRが流れた。
会場は指笛、ガヤも入り盛り上がりを見せ、
安木松太郎が登場。
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「いや~いいですね! 今。歴史的な瞬間を皆さんと分かち合うことができました。」安木
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安木松太郎
プロ志向を推奨し立ち上がったJBAリーグ初代優勝監督、そして連覇を達成したバスケット界のレジェンドである。スター軍団を持ち前のキャラクターで率いた。
しかしその後の監督キャリアは停滞線をたどり、解雇。
数年後、現場復帰し他チームを率いるが結果を出せず、監督のオファーは途絶えてしまう。
その後は解説者として人気を博し、居酒屋解説としてニーズに応えている。
しかしバスケット専門チャンネルではその姿を封印し専門的な解説、適材適所に対応する。
その能力はビジネスシーンでも活かし人材派遣会社を経営し業界トップを誇る。
ビジネス界ではお茶の間の姿とのギャップがありビジネス書ランキング1位を獲得する。
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満を持しての監督就任なのである。
安木松太郎監督の挨拶が始まる。
そのキャラクターで笑いも誘い、会場も盛り上がり、選手とのコミュニケーションも図った。
そしてイベントも終盤に差し掛かり安木が再びスピーチをする。
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「最後にですね、私からサポーター、選手に向けてメッセージを送ります。」
「今、私たちはこの瞬間に未来を変えることはできないじゃないですか? 10年後の未来を変えてくださいと言ってもちょっと厳しい。」安木
「未来を変えることは出来ないけど、過去を変えることは出来る。」安木
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「例えばヴィルフェーダ大阪の歴史的なイベントの登場に失敗した過去だととか、友達と一緒に恥をかいてしまった過去だとか、」
「海外に行った過去だとか、」
「陽の目に浴びることがなかった過去だとか、」
「罵声を浴びた過去だとか」
「ネガティブなこともいつかの日か輝きを増して、ちょっと失敗してよかったとかそう思える日が来る。」安木
「未来を変えることは出来ないけど、過去を変えることは可能である。」安木
「選手もサポーターもプロになるわけだ。いろいろな挑戦が待ち受けている。最高の仲間に出会えることも最高の景色に出会えることもある。」
「一方で涙する夜もあれば挫折もするし、罵声を浴びたりすることもある。挑戦にはネガティブな結果はつきものである。でも大丈夫。」
「その結果は間もなく過去になってその過去を書き換えることが可能である。」安木
「失敗というのはそこで歩みを止めてしまうから失敗なのであって、成功まで続けてしまえばあの時の失敗が必要だったということを知る。」安木
「つまり、失敗など存在しない。」安木
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安木松太郎監督の言葉は、サポーター、選手に確かに響いた。
インターハイ出場を逃がしたことも、怪我をしたことも、アメリカの挑戦も、災害による大会中止も、ブラジルでの貧困生活も、陽の目を浴びなかった日々も、怪我をさせたことも罵声を浴びたことも、
成功まで試行錯誤して続ければ失敗など存在しない。
「失敗など存在しない。挑戦しましょう!」安木
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「(ルカワに負けたことも、、、。いや負けてねぇ)」桜木
「(エースキラーの呪縛、汚名も、、)」南
「(ハリーとの約束、、、。)」仙道
「(ブラジルデ、ウマレタコト シッパイジャナイネ)」べノン
「(その日の為に、コツコツやってきたんや)」土屋
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「やってやるぜ。」
「やったるわ。」
「さあ いこーか。」
「ヤルネ。」
「いくで。」
第2章「ヴィルフェーダ大阪トライアウト」編
完
第3章へ続く
※117話はこちらを元ネタにしております。
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