「歩く」というのは最高の趣味なのだ♪17
歩く人はよく眠る
健康維持の三原則は「運動」、「栄養」、「休養」とされている。
この三つがうまく組み合わさって、バランスよく健康が維持できる。
どれか一つ欠けても、微妙なバランスは崩れてしまう。
そんな危うさの中で実は健康は維持されていたのだ。
「最近よく眠れない」と知人が訴えてきた。
うまく休養が取れないのだ。
その原因は運動が足りないか、栄養が足りないか、両方足りないかだ。
そこで色々と話を聞いてみる。
すると、「仕事がうまくいってない」などと仕事上の悩みを訴えてきたりする。
誰でも抱えていそうな悩みだったりする。
そんな悩みでも床につくと悩みが頭をもたげ、あれこれと考え込んでしまうらしいのだ。
こんな日が続くと、寝不足で仕事に差し障りも出てくるので、「睡眠薬でも飲もうかと思っている」というのだ。
「なるほど、それならばとっておきの睡眠薬を教えてあげよう」と言って、ハードに歩いてみることを勧めた。
彼は明らかに運動不足だったのだ。
今の彼には少しハードな運動がとっておきの睡眠薬になるはずだ。
たしかに色々な悩みはあるだろう。
しかし、悩みのない人間などはいない。
誰でも大なり小なり悩みを抱えて暮らしている。
精神的には疲れているものの、体そのものはあまり疲れていない。
だからかえって精神が研ぎ澄まされてしまい、暗い闇の中で妄想めいた思いにとらわれてしまうのだ。
こんなときはいったん悩みを断ち切ってしまった方がいい。
そのためにはハードに体を動かして肉体を疲れさせてしまうのだ。
ハードな運動に合わせて食事も少しだけ多めに摂る。
好物を並べて食べるというのも効果がある。
それでも眠れなければ、寝る前にぬるめの風呂にゆっくり浸かるという方法もある。
実は風呂に入っているだけでけっこうエネルギーが消費される。
それだけで軽い運動をしたのと同じくらいの効果は得られるはずだ。
すっかりいい気持ちになれば、あっと言う間に眠ってしまう。
悩みなど闇の彼方に消え去っているはずだ。
ぐっすり眠れば十分な休養がとれ、健康を取り戻せる。
翌朝の目覚めはすっきりと快適なはずだ。
よく歩けばよく食べられるし、よく眠れる。
そんなすっきりと単純なことを信じていれば、寝つきが悪くなるはずがない。
ついでに言うと、人間の脳には睡眠調節中枢があって標準睡眠時間は約7時間なのだ。
今夜徹夜したから明日は15時間寝ると言うのは通用しない。
規則正しく早寝早起きをしていれば、それが習慣となって少々の不眠なら蹴飛ばすことができる。
・・続く・・
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【参考書籍】『歩くとなぜいいか?』(PHP文庫)大島清著
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