根本原因⑥副腎疲労(検査・治療編)
治療分類:内科的治療・ホルモン
担当医療ジャンル:
統合医療(オーソモレキュラー)
病態編は ↓
【検査法】
・唾液中コルチゾール検査
・DHEA/DHEA-S検査
で鑑別します。
DHEAはコルチゾールおよび性ホルモンの材料です。
キットなので自宅で行えます。
※血液検査でコルチゾールを計るとタンパク質に結合した余計なものまで加算され、正確に分からなくなります。
↓ は過去に行った自分のデータです。
1日に4回唾液を摂取してコルチゾール量の日内変動を計っています。
緑のエリアが正常範囲です。
起床前に値が上昇し、後は下降を続けるのが特徴です。
ここから大幅に逸脱しているとHPA軸に問題があります。
病態編で解説したステージですが、
①は、コルチゾールが過剰分泌してるので全体的に上昇します。
②は、過剰な分泌ができなくなった状態なので一旦正常値に近づきます。
この時に正常状態と鑑別するためにDHEAの値も測るわけです。
③④は、コルチゾールが低下し枯渇するステップなので、正常値を下回ります。
費用は約3万円でした。
【治療法】
治療開始の前提です。
病態編でふれた原因を潰していくので、
身体的ストレスの原因となる
・腸内環境を治療し炎症を治す。
・体内の重金属や微生物の除去を行う。
↓ の図の通りです。
下段の病因の解説記事は病態編にリンクがあります。
時間がかかりそうですが、これらの原因をつぶしたら自然に回復することもよくあります。
が、逆にこれらをくまなく調べて取り除かねばならず、主治医につかないと攻略が難しい病態でもあります。
前提をクリアした上で、治療の比重は以下です。
・食事と生活習慣が8割
・サプリメントは2割
・心理療法の併用がかなりお勧め
治療期間の目安はステージ4で2年程度ですが、これは完治までの時間です。
治療が進むにつれ症状は次第に改善されていきます。
食事制限
治るまで食べてはいけないものは結構あります。
・小麦と乳製品
水銀やカンジダ菌が除去され、胃の中できちんとアミノ酸に消化されてれば大丈夫かと思います。
・甘い物および炭水化物について
吸収の早い糖はインスリンをドバドバ出し、下がり過ぎた血糖値を上げるため副腎がアドレナリンを出し、酷使されます。
なるべく避けましょう。
ただし、副腎機能に問題のある人は低血糖系の病態を併発しやすいです。
その上、糖質がないと筋肉や脂肪を分解されてエネルギーになります(糖新生)が、この時使われるのもコルチゾールです。
結論として、糖質制限まではせずGI値低めの炭水化物を適度に摂るのが最善です。
・カフェイン
コーヒーで元気が出るのは副腎を刺激してアドレナリンを出すからです。
治療中はなるべく控えましょう。
・化学調味料や人工甘味料
これ、制限しようと思うと全て自炊にするしかないのですが、種類によって危険度が違うので主治医に相談しましょう。
・自覚のないアレルギー食物
身体的ストレスの一因になります。
自覚がないとは、食べてからじわじわと倦怠感や精神症状などが起こるので因果関係が掴めないという意味です。
確かめる方法は、以下があります。
・食前と食後15分後、30分後の脈拍を比較する。
危機に対応するためにアドレナリンが出れば脈が速くなります。
・ある食物が疑わしい場合、それを2週間程度やめてみて、もう一度食べましょう。
症状の出方が分かりやすくなります。
生活習慣
・日付が変わる前に布団に入り、規則正しい就寝・起床時間を守りましょう。睡眠不足は大敵です。
・朝起きたら陽の光を浴びましょう。
・散歩でもいいので、できる範囲で適度な運動をしましょう。
...こういう事って精神科でよく言われ、「そんなの試したよ、意味ないよ」と思われがちですが、治療前提をクリアし、食事制限とサプリの服用を合わせていれば話は別です。
確実に回復が早まってくれます。
サプリ
有効なサプリはたくさんあります。
が、どれをチョイスするかは本当に主治医の腕次第です。
・疲労と炎症の軽減
ビタミンC、ビタミンB群(特に5)、亜鉛、マグネシウム
・抗ストレス・抗不眠系
ロディオラ、アシュワガンダ、テアニン、GABAなど
・コルチゾール材料補給(一時対処)
使用はステージよりけりですが、7-ketoは DHEAと同じ働きをします。
精神的ストレス軽減治療
オーソモレキュラーの範囲を超えますが、コルチゾールはストレスに抵抗するホルモンなので、マインドフルネスの習慣や必要に応じた心理療法はかなり有効です。
トラウマ体験からのストレスを緩和し、コルチゾール分泌の命令系統の負担を軽減できるからです。
副腎疲労の有無に関わらず、発達障害/精神疾患を抱える方はみんなやった方が良いと僕は思います。
認知行動療法(そのうち記事にします。)やスキーマ療法を試してみてください。
以上です。
頂いたお金は新しい治療法の実験費用として記事で還元させていただいております。 昔の自分のようにお金がない人が多いと思いますので、無理はしなくて結構です。