記事一覧
#彼女を文学少女と呼ばないで/村上春樹【超弩級の芸術的なフェラチオ】村上的ジェンダー思考
海辺のカフカ/村上春樹
僕は性別からいえばまちがいなく女だけど、
乳房もほとんど大きくならないし、
生理だって一度もない。
要するになにもないんだ。
ねえ、僕はいったいなんなんだろう?
________ねえ大島さん、
そんなことを言えば、
僕にだって自分がなにかはわからないんだよ
たしかに僕はほかのみんなとは
“少し”変わっている。
でも基本的には同じ人間なんだ。
僕は化け
また会社サボっちゃった
#彼女を文学少女と呼ばないで【私はあの人の恋人だと、なぜ思い込めたのだろう】
「楽園の土曜日」片岡義男
彼女はきっと、階段を駆け降りてくるだろう。そのときの足さばき、駆け降りるテンポ、そして足音などを、彼は空想のなかでひとつにまとめてみた。
「マイ・シュガー・ベイブ」川西蘭
乾かした長い髪のなかに彼女の顔は埋まっていた。癖のない細く柔らかな髪の毛だ。ぼくは彼女の髪の毛を指にからめて意味もなく時間をすごすのが好きだった。幻想的な絵画展を散策しているみたいに豊かな様々なイ
#彼女を文学少女と呼ばないで【あなたに出会ったとき、すでにあなたに恋をしていた】「恋人の寝息をききながら、死について考えていた」
「私の憶えている限り」
二度つづけてセックスをしたあとで、ベッドにならんで仰向けになった恰好で、私は恋人に言う。
「私の憶えている限り、私はあなたに出会ったときに、もう恋をしていた。どういうことかしら。自分でもよくわからない。一目惚れというのではないの。あなたに出会ったとき、すでにあなたに恋をしていた」
「それは」
私の首の下から腕を抜き、背中をみせて床の煙草を拾いあげると、一本とりだしてくわえな
煙草の跡 淫らな肌の凹凸 私の手を掴んで私の方を見て上下したり伸縮したりする、ひとまわり少し上の貴方の口角 なのにこれからも私を愛さない乾燥した中指 好きなんだけどと啼けない窮屈な気管支 ああ息が 上手く続かない
#彼女を文学少女と呼ばないで【世の中でいちばんかなしい景色は】「かわりにあなたを呼び出したりしたら陽子さんに叱られちゃうかしら」
「でも、陽子さんが何て言うかしら」
「気になるの?」
タクシーの屋根に両手をついて
中をのぞく恰好だった詩史は首をかしげ、
ややあって、
「いいえ」と、こたえた。
「いいえ、気にならないわ」と。
それは特別な一瞬だった。
二人のあいだにまぎれもなく共犯者めいたシンパシイが走った。愛情と信頼と共感の、輝かしいほど濃く甘い一瞬だった。
ドアが閉まり、タクシーが走りだした。
透は、座席に凭れ
《#無垢な泥棒猫》「あなたの息子さんとときどき会って、そしてときどき寝ています」【夜の果てのごく短い時間】#23才冬
いまならば、と、透は思う。
地下鉄を神谷町で降り、
ゆるい坂道をのぼりながら。
いまならば、詩史さんも母親に逐一報告することはできないだろう。
あなたの息子さんとときどき会って、そしてときどき寝ています、なんて。
寒い夜だ。吐く息が白い。
夜の東京タワーはやわらかな灯りに縁どられ、それ自体が発光しているようにみえる。
まっすぐな身体で、夜の空にすっくと立って。
東京タワー/江國香織
善也は眼鏡をはずした。踊るのも悪くない。目を閉じ、白い月の光を感じながら善也は踊り始めた。途中でどこかから誰かに見られている気配があった。見たければ見ればいい。神の子どもたちはみな踊るのだ。風が吹き、草の葉を踊らせ、草の歌をことほぎ、そしてやんだ。神様、と口に出して言った。
《#無垢な泥棒猫》【明日の恋人は青い】#23才冬
忘年会行きたかったのに行きたくなくなった
金曜の夜は都会を歩きたい、とか
せっかく新しいイヤホン買ったのに、とか
いろんな想いが沸々と、突然に
非社会人
笑顔で叱られてみるという努め
寝惚けてとけいわすれた刺青ばれちゃうね
私の寝息で揺らぐあなたの頬の毛を抜いて、
睫毛にする。この左右の目蓋に細い毛を埋める。
あの頬で透ける金色はきれいだった。揺れていた。あの日の水平線みたいになりたかった。
あ
《#無垢な泥棒猫》「君が嫌う君が好きって言って」【高いプライドと低い自己肯定心】#23才冬
自分への憎しみ、嫌悪、そして自分を好きだという感情......、それら全てを含めたものを「自己愛」といい、それはそのまま「自分自身でありたい」という欲求に繋がるのだそう。
自分を卑下しながらも、「自分のことは自分が一番知っている」というプライドの高さだけは常に確保されている、という厄介さの指摘が大変印象に残ってます、、、
千原茜🍋『マリエ』
もやがかかっていく頭の中に、
いつぞやの友人の