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《#無垢な泥棒猫》「君が嫌う君が好きって言って」【高いプライドと低い自己肯定心】#23才冬

自分への憎しみ、嫌悪、そして自分を好きだという感情......、それら全てを含めたものを「自己愛」といい、それはそのまま「自分自身でありたい」という欲求に繋がるのだそう。

自分を卑下しながらも、「自分のことは自分が一番知っている」というプライドの高さだけは常に確保されている、という厄介さの指摘が大変印象に残ってます、、、


千原茜🍋『マリエ』


もやがかかっていく頭の中に、

いつぞやの友人の言葉がよみがえる。

確かに、体は覚えていた。

濡れた服を脱ぎ、脱がせて、肌をこすり合わせ、

相手の動きに応える。


懐かしい感覚に流されながら、

音楽はこんな風に奏でるのだろうかと思った。




浅い眠りから覚めると、部屋は藍色に沈んでいた。

雨が建物を打つ音が控えめに響いていて、

行き交う車の騒音を遠ざけている。

嵐の日の、海の中のよう。




すう、と息を吸い込むと、

雨にけぶる森のような香りがした。

指先がすべすべとした肌に触れる。

ちょっとぱさついた銀髪。

その下のまぶたがゆっくりとひらく。

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