![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/124793702/rectangle_large_type_2_f2eb170e1663edea464f57f537301295.jpg?width=800)
《#無垢な泥棒猫》「君が嫌う君が好きって言って」【高いプライドと低い自己肯定心】#23才冬
自分への憎しみ、嫌悪、そして自分を好きだという感情......、それら全てを含めたものを「自己愛」といい、それはそのまま「自分自身でありたい」という欲求に繋がるのだそう。
自分を卑下しながらも、「自分のことは自分が一番知っている」というプライドの高さだけは常に確保されている、という厄介さの指摘が大変印象に残ってます、、、
千原茜🍋『マリエ』
もやがかかっていく頭の中に、
いつぞやの友人の言葉がよみがえる。
確かに、体は覚えていた。
濡れた服を脱ぎ、脱がせて、肌をこすり合わせ、
相手の動きに応える。
懐かしい感覚に流されながら、
音楽はこんな風に奏でるのだろうかと思った。
浅い眠りから覚めると、部屋は藍色に沈んでいた。
雨が建物を打つ音が控えめに響いていて、
行き交う車の騒音を遠ざけている。
嵐の日の、海の中のよう。
すう、と息を吸い込むと、
雨にけぶる森のような香りがした。
指先がすべすべとした肌に触れる。
ちょっとぱさついた銀髪。
その下のまぶたがゆっくりとひらく。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?