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#エッセイ
誰にも見せない文章を書く人を、わたしは信頼してしまう。
すべてが開かれた人間なんていない。どれだけ曖昧でも、自他の境界はどこかに引かれている。そして、閉ざされた側のさらに奥に、その人の人格があると思っている。
「日記をつけよう」と思いたったのは5年前だった。絶対誰にも見せず、時が来たら燃えるゴミの日に出そうと決めた。
情けない心の内、ぐちゃぐちゃな感情、家族への嫌悪、浮かれた恋心、親友への妬み、理由も分からない激情…抱え込んでいたら爆発してしまいそ
止まった時間と透明な回転扉
自分の中に止まった時間がある。
生きることに必死だったが、どこにも向かえなかった時間。精一杯もがいたが、少しも動けなかった時間。
希望はなかったが、絶望しないように必死だったときの記録と記憶。
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二年前のある日、有楽町線の電車に乗っていた。当時通っていたカウンセリングルームの帰りか散歩の帰りか、よく覚えていないが、めずらしく外出した日だった。
自分の気持ちがわからなくなってから、し
「言えるけど、言わない」を支えるおまじない。
見えるものや聞こえるもの、表現されたものの裏には、「あえて表現しなかったもの」があるんじゃないかと思います。
昔「どうしてそういうことを言うの?」と友人に泣かれたことがあります。当時は「えっ、なんで泣くの…?」と驚いたけれど、その経験はわたしに大切な気づきを与えてくれました。
思ったことを全部口に出すのが誠実だと思っていた時期がありました。しかし、どうやら正直さと誠実さは違うと気がついたのは高
「書く」と「読む」のすてきな関係
普段からnoteを書いていると、noteを読むときの気持ちが変わる。
すごく力がこもっている文章だ。
いまの自分に必要な出会いだった。
とても大変だったんだろうな。
自分がnoteを書かなくても読む文章の言語的な意味は変わらない。けれど自分がnoteを書くから味わえる感覚がある。それはとても言葉にしにくくて、身体で理解されることだ。
体験して初めてわかることがこの世にはたくさんある。文章を書
25歳で社会人兼大学1年生。必死に人生を取り戻そうとしていた #社会人1年目の私へ
はじめて就職したのは25歳。人より遅れての社会人スタートだった。
プライドが高く、劣等感も強い人間の社会人&大学デビュー戦。
それまでの夢ごっこが終わり、みっともなく無様になりながら、どうにか社会と向き合おうとする男の記録になる。
仕事に向き合っている方は、最後の1文だけでも読んで欲しい。
仕事が出来ないのに、プライドが高く人に聞けない困った奴学歴、職歴、コネ、スキルもない25歳。あるのは無駄な