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読み返したいnoteたち

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#エッセイ

28歳、いま思うこと。

28歳、いま思うこと。

28年前の1月25日、5時55分。
雪が降る早朝、ぼくは生まれたらしい。

一昨日から降り出した雪をみて、自分の記憶にはない生まれた日の景色を想像してみた。自分が生まれた病院の窓の外もいま目の前に広がるような雪景色だったのかもしれない。

最近は、数ヶ月に一回くらいある、不調な日々を送っている。寝ても体力が回復せず、朝起きてカフェラテを時間をかけて飲みながら、ようやく目が覚める。二年前に一度体調を

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自分を救う文章は、誰かを救う

自分を救う文章は、誰かを救う

美しい言葉はいらない。強い言葉もいらない。

ただ、自分のための文章を書けばいい。自分の悩みを整理する文章は、似た悩みを持つ誰かの助けになるから。

何かの役に立たなくていい。世界を救わなくていい。自分が知りたいこと、やりたいことに必要な文章を書けばいい。自分のための文章は、誰かのための文章になるから。

自分を救う文章は、誰かを救う。自分のために書くことは、誰かのために書くことにつながっている。

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誰にも見せない文章を書く人を、わたしは信頼してしまう。

誰にも見せない文章を書く人を、わたしは信頼してしまう。

すべてが開かれた人間なんていない。どれだけ曖昧でも、自他の境界はどこかに引かれている。そして、閉ざされた側のさらに奥に、その人の人格があると思っている。

「日記をつけよう」と思いたったのは5年前だった。絶対誰にも見せず、時が来たら燃えるゴミの日に出そうと決めた。

情けない心の内、ぐちゃぐちゃな感情、家族への嫌悪、浮かれた恋心、親友への妬み、理由も分からない激情…抱え込んでいたら爆発してしまいそ

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ぼくはきみの手を離せるようになったよ

ぼくはきみの手を離せるようになったよ

ぼくがきみの手をつよく握っていたとき、きみはつらかったかな。気づけなくて、想像できなくて、ごめんね。



大切なきみを大切にしたくて、手をつよく握りすぎていたことがある。手放したくなくて、一緒にいるべき理由を伝えてしまったことがある。手を握られているきみは、きっと喜んでいると盲信していたときがある。

どんな人間関係においても、片方だけががんばっているときは、大抵うまくいかない。



手を

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「幸せになるのが苦手」が終わるまで

「幸せになるのが苦手」が終わるまで

集合写真に映る僕の笑顔は、いつもどこか引き攣っている。
お祝いされる側だと、さらにぎこちなくなる。
他人から祝福されるのは嬉しいのだが、申し訳なさも同時に感じてしまう。
自分が幸せになっていいのだろうか?
素直に祝福を受け止められる人間になりたい。
僕の性格を変えたのは、妻との出会いがきっかけだった。

野外映画での初デート

雨が止まなかったら、妻との関係もそこで終わっていたかもしれない。
まだ

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「ごめんなさい」と、恋人に精一杯の置き手紙を書いた

「ごめんなさい」と、恋人に精一杯の置き手紙を書いた

目がふたつあるくらいでは、出てくる涙に耐えられない。

「少しだけ、時間をください」

いいことと、わるいことがあるとしたら、どちらかというと後者をわたしは覚えている。楽園と瘡蓋。濡れた前髪を整えながら一歩、また一歩と前進する。染み付いた生き方や考え方は、そんな簡単には変えられない。

なぜだろうか。

洗いたてのような太陽の光と、歌声のような雨音。どちらかというと後者を覚えている。靴の底からしみ

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止まった時間と透明な回転扉

止まった時間と透明な回転扉

自分の中に止まった時間がある。

生きることに必死だったが、どこにも向かえなかった時間。精一杯もがいたが、少しも動けなかった時間。

希望はなかったが、絶望しないように必死だったときの記録と記憶。

***

二年前のある日、有楽町線の電車に乗っていた。当時通っていたカウンセリングルームの帰りか散歩の帰りか、よく覚えていないが、めずらしく外出した日だった。

自分の気持ちがわからなくなってから、し

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「言えるけど、言わない」を支えるおまじない。

「言えるけど、言わない」を支えるおまじない。

見えるものや聞こえるもの、表現されたものの裏には、「あえて表現しなかったもの」があるんじゃないかと思います。

昔「どうしてそういうことを言うの?」と友人に泣かれたことがあります。当時は「えっ、なんで泣くの…?」と驚いたけれど、その経験はわたしに大切な気づきを与えてくれました。

思ったことを全部口に出すのが誠実だと思っていた時期がありました。しかし、どうやら正直さと誠実さは違うと気がついたのは高

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「書く」と「読む」のすてきな関係

「書く」と「読む」のすてきな関係

普段からnoteを書いていると、noteを読むときの気持ちが変わる。

すごく力がこもっている文章だ。
いまの自分に必要な出会いだった。
とても大変だったんだろうな。

自分がnoteを書かなくても読む文章の言語的な意味は変わらない。けれど自分がnoteを書くから味わえる感覚がある。それはとても言葉にしにくくて、身体で理解されることだ。

体験して初めてわかることがこの世にはたくさんある。文章を書

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人気者で行こう

人気者で行こう

いろんな人を見てきて想うこと。
努力が好きな人って、気が付いたらずいぶん前に進んでいる。大きな飛躍に必要なのは「運」だけど、「努力」には確実な一歩前進がある。一つひとつの足し算。そこに「運」が鉢合わせすると、今までの「努力」はかけ算に変わる。

当たり前のことをあえて言うと、「運」は人と関わっていった方が訪れやすいんだ。自分が生み出すものではないからね。「運」は、誰かが運んでくれるもの。

世の中

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25歳で社会人兼大学1年生。必死に人生を取り戻そうとしていた #社会人1年目の私へ

25歳で社会人兼大学1年生。必死に人生を取り戻そうとしていた #社会人1年目の私へ

はじめて就職したのは25歳。人より遅れての社会人スタートだった。
プライドが高く、劣等感も強い人間の社会人&大学デビュー戦。
それまでの夢ごっこが終わり、みっともなく無様になりながら、どうにか社会と向き合おうとする男の記録になる。
仕事に向き合っている方は、最後の1文だけでも読んで欲しい。

仕事が出来ないのに、プライドが高く人に聞けない困った奴学歴、職歴、コネ、スキルもない25歳。あるのは無駄な

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