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雑談⑲「経済合理性限界曲線の未来像」

山口周さんの「ビジネスの未来」(プレジデント社)の経済合理性限界曲線を元に筆者が作成したものが、表紙画像です。

本記事では、3ステージにわけて論じます。

ステージ1:資本主義の世界(現在)

下図の現在の世界は、「課題が解決できる灰色の世界」と「課題が放置される白の世界」で構成されています。

資本主義の世界の色

困っている人の多い課題には経済的な合理性が生まれやすいので、より解決できる課題が増える。難易度は低い方が解決できる。そして、解決できる課題と解決されずに放置される課題を線引きすると、「経済合理性限界曲線」を1本引くことになる。
かなりドライな世界かと思いきや、これは現実の世界でもあります。改めて見つめなおすと、私はやはり、「こんな世界には生きたくない」や、そこから成長して、「この世界を変えたい」と思うのです。

ステージ2:経済合理性限界曲線の変容(過渡期)

そこで、次のステップが下図だと考えています。

オレンジ色で経済合理性限界曲線を押し上げる

「解決できる課題が広がっていくオレンジ色の世界」
これは理想の世界に向けての過渡期を示す。これまでだったら経済的な合理性が欠けていたために放置されていた課題が徐々に解決できるようになっている世界です。経済合理性限界曲線を押し上げるイメージ。
オレンジ色はどうやって広げることができるのか?例えば、開発途上国へのODA。例えば、国の妥当性があり社会課題解決を見据えた補助金。例えば、私のように経済的に破綻すれすれのところで社会貢献を人生の中心に据えた人間がお金ではなく時間を提供すること。
資本主義に対して、社会主義と民主主義が資本主義の仕組みの中で闘っている形といえるでしょう。

この時期を、現在から理想の未来に向けての過渡期と表現します。
困っている人が少ないことが理由で放置されてきた課題を解決できる世界であったり、難易度が高い課題が技術などの解決能力が不足していて解決できない世界がだんだんと減っていく世界です。

ステージ3:誰一人取り残されない世界(理想の未来)

最終ステージは下図の通りでしょう。

青色が加わって、いかなる課題も解決できる世界

経済合理性を確保する必要がなく、「困っている人がいたら、無条件に助ける」ことができる世界。図にすると、上図のような青色で満たして、どの一点を取っても、包摂される社会となっています。
この状態は、経済合理性曲線が存在せず、SDGsが目指す最終ゴールである、「誰一人取り残さない」世界が実現できていると言えます。経済合理性曲線の図でSDGsを表現するとこうなるでしょう。

例えば、税金がゼロになれば、物々交換の世界だけで生きていける人を私は知っています。税金という存在があるから、灰色の世界でお金稼ぎをする必要性が発生する。ちなみに、税金ゼロにするロジックは以下の動画が参考になります。

もちろん、税金問題が解決すれば青色の世界が広がるかというと、そうではありません。数々の可視化された社会課題を余すことなく解決してはじめて、青の世界に突入して、自分ではどうすることもできない環境で苦しむ人はいなくなるでしょう。

補足

久本和明さんの著書「僕たちはみんなで会社を経営することにした。」には、以下の記載があります。

シンプルに考えて、灰色の世界がお金の世界=資本主義の世界だとしたら、白の世界はお金のない世界=脱資本主義の世界だと言えます。それはどんな世界なのか。
それはまず、コモンズの世界です。所有の概念が崩壊して、すべてがみんなのもの化していて、無料でアクセスできるものやことが多い世界。多くのものが、コモンズ=共有財産化していくような世界。

素敵ですね。形態のあるモノも、誰かに力を貸したいヒトも、シンプルに交換ができる世界。青の世界には、この要素も含まれていそうです。

もう一つ、大きく共感したことは以下です。

社会課題を解決していくためには、多くの人の助けが必要です。

みんなで青の世界をつくりたいですね。

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