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相法早引現代語訳

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江戸時代に活躍した観相家水野南北が、初学者のため『南北相法』のスタンダードな内容を再編集した書を現代語訳しました。この本は南北翁の師である水野海常の追善供養のため、人相術を学びた…
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#江戸

相法早引79(七穴が司る意味を論ず)

相法早引79(七穴が司る意味を論ず)



・官録(=官禄、かんろく)の宮(きゅう)は、その当時の吉凶を司る。

・神光(しんこう)の宮は、神仏を祈っているか否かを司る。

・駅馬(えきば)の宮は家の普請(=増改築)、宅変え(=引っ越し)を司る。

・印堂(いんどう)の宮は、諸々の望み事を司る。

・魚尾(ぎょび)、家続(かぞく、=田宅)の宮は、その当時の心気の吉凶を司る。

・右身左身(うしんさしん)の宮は盗難、失せ物(=失くした物)

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相法早引67(骨を論ず)

相法早引67(骨を論ず)

・骨が太い者は長命である。

・骨が細い者は短命である。しかし、細くとも、鉄の柙(おり、=枠、箱)を帛(きぬ、=絹)で覆ったような骨の者は、必ず長寿である。

・太くとも、大木を倒し、千綿で覆ったような骨は大凶である。発展する事がない。短命である。

・骨は一身の柱に属す。ゆえに、その体の強弱、命の長短を司る。

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相法早引66(体の三停/天・地・人を論ず)

相法早引66(体の三停/天・地・人を論ず)

・頭が大きい者は、幼少期が凶。また、親に縁が薄く、目上に背く。運気は悪い。また、頭が小さい者も同上である。

・胴体が大きく豊かな者は親族の上に立つ。または発展がある。中年期は大いに良い。

・胴体が小さい者は己に徳がない。中年は凶。体が弱い。

・腰より下が豊かな者は、家(≒家業、家庭)の治まりが良い(=安定しやすい)。また、心が豊かで老年は吉。

・腰より下が細く、淋しく観える者は住居に関して

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相法早引65(足を論ず)

相法早引65(足を論ず)

・足が大き過ぎず、小さ過ぎず、正しく豊かに観える者は、心が正直で良い僕(しもべ、=家来、部下)を得る。

・足が大きく不骨(ふこつ、=無骨、骨が無いよう)な感じに観える者は、心が賤(いや)しく、生涯発展しない。下相である。

・足が異常に大きい者、または異常に小さい者。足の甲が異常に高い者、または異常に低い者。以上の内の一相がある者は、生涯家(≒家業、家庭)が安定しない。また、子に縁が薄く、実家か

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相法早引64(股を論ず)

相法早引64(股を論ず)

・正座した時、腰から下が豊かで正しく観える者は、吉とする。必ず僕(しもべ、=家来、部下)を使う。また、貴人の場合は股肱(ここう、=最も頼れる)の臣下を得る。

・正座した時、腰から下が乱れている(安定していない)ように観える者は、必ず奴僕(ぬぼく、=家来、部下)に縁がない。もし奴僕がいたとしても、役に立たない。また、腰から下が淋しく観える時は、自ずと身代(しんだい、=財産、身の上)が衰えるか、ある

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相法早引63(男根/男の陰部を論ず)

相法早引63(男根/男の陰部を論ず)

・男根は腎気と肝気が遊会する場所であり、男根が大きな者は内心が丈夫で、腎(≒精力)が強い。逆に男根が小さい者は、腎が弱く、子に縁が薄い。また、物事に苛々(いらいら)しやすい。

・男根は腎気と肝気が遊会する場所であり、一身の花(=華)、子孫の苗である。よって、腎の強弱、子孫の有無を司る。

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相法早引62(腰と尻を論ず)

相法早引62(腰と尻を論ず)

・腰と尻が細い者は、心が安定する(=精神的に安定する)事が遅い。よって、身分が治まる事も遅い。

・腰と尻が大き過ぎる者は下相である。

・腰と尻が豊かで正しく観える者は、心が正直で、豊かである。また、相応に福分がある。

・俗に言う柳腰(やなぎごし)の者は家業を衰えさせ、家を駄目にするか、破産させる。心に器量(≒余裕)がない。
*柳腰…女性における細くしなやかな腰つきの事。つまり、腰のラインが美

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相法早引61(臍を論ず)

相法早引61(臍を論ず)

・臍(へそ)は大きいものを良しとする。臍が大きい者は心が丈夫で体が強い。逆に、臍が小さい者は心も小さく、心気が弱い。

・臍が大きく深い者は、大いに丈夫で、福寿を司る。臍が小さくて深い者は並である。

・臍が大きく浅い者は、福寿が未だ安定していない。深くなるに随って自ずと安定してくる。

・臍が上方にある(≒穴が上向き)者は、必ず才能がある。人の下にはつかない。

・臍が下方にある(≒穴が下向き)

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相法早引60(腹を論ず)

相法早引60(腹を論ず)

・腹が丸く豊かに観える時は内心も豊かで、大抵は身の治まり(≒安定)も良い。

・大体において、腹が丸く豊かになる時は、その身の位(≒身分)が大方定まっている、と判断する。ゆえに、腹が大きい者は、その後大きく発展する事がない。

・腹がないように観える者は、身の治まりにおいて未だ安堵出来ない。

・腹が豊かになるに随(したが)って、自ずと運が開く。腹の相が悪い間は運が良くない。また、体が弱い者も同様

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相法早引59(乳を論ず)

相法早引59(乳を論ず)

・乳房が整って上を向いている者は、必ず子孫がある(≒子孫に恵まれる)。逆に、乳が下を向く者や乳が小さい者、特別に乳が大きい者、左右の乳の大きさが異なる者は、悉(ことごと)く子に縁が薄い(≒子孫に恵まれ難い、子孫がいても役に立たない、子孫に関する辛労が多い)。

・乳は胴体の日月(じつげつ、=陰陽)であり、子の食を蓄(たくわ)える場所である。ゆえに、乳の善悪(よしあし)によって、子孫の有無を判断する

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相法早引58(胸を論ず)

相法早引58(胸を論ず)

・胸が広い者は内心が丈夫で、思慮深い。逆に、胸が狭い者は諸事において忙(せわ)しく、思慮が浅い。

・骨が露わになっているような胸の者は心気が弱く、運が悪い。病人や老人は考慮に入れない。老人で鳩尾(みぞおち)にしこりがある者は、未だ運が尽きていない人である。

・胸は肝気の勢いが現れる。若者は胸に勢いがあるのが常である。

・若者で胸が落ちくぼみ過ぎて、腹が出ているように観える者は、気は豊かだが大

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相法早引56(肩を論ず)

相法早引56(肩を論ず)

・肩が厚く豊かな者は運気が強く、相応の福分がある。逆に肩が薄い者は運が悪く、辛労が多い。また、肩の肉付きが薄く、骨が露わになったような者は、気を使い身を楽にして暮らす(≒精神労働で暮らす)。

・肩の肉付きが厚く、骨が底にあるように観える者は、身を使い気を楽にして暮らす(≒肉体労働で暮らす)。

・肩が大いに怒っている者は下相。

・肩がすぼまっている者は子に縁が薄い。生涯、辛労が多い。

・肩は

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相法早引55(鎮骨/後頭骨を論ず)

相法早引55(鎮骨/後頭骨を論ず)



↑鎮骨は南極に属し、福寿を守護する星である。頭の後ろの骨を鎮骨と言う

・鎮骨がない(=低い)者は、不可解な辛労が度々ある。逆に鎮骨が高い者は、不可解な事があっても自ずと免れる。また、長寿である。

・鎮骨に傷がある者は、諸事に失敗が多い。運が悪い。

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相法早引54(首筋を論ず)

相法早引54(首筋を論ず)

・首筋が太い者は長命で、病気になる事が少ない。逆に細い者は、体が弱い。

・首筋が太く立ち伸びているように観える者は、体が強い。相応の福分がある。

・猪首(いのししくび、=太く短い首)の者は長命だが下相である。だが、相応に暮らす事が出来る。また、人柄が良ければ、相応の発展がある。

・人は人苗草と言い、木に属す(=なぞらえる)。つまり、頭は根、首筋は幹、手足は枝に対応する。例えば、小さな(=低い

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