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経営者は知財を知らないと笑われる

知財は、知財部員だけが知っていたら良いはカッコ悪いです。

一般的にある商品の利益に含まれる知的財産の貢献は、25%だと算定する手法があります。
25%は、1/4です。味の薄い果汁ジュースより圧倒的に割合が大きいです

1/4の貢献がある財産の理解をしないのは、愚の骨頂でしょう。

では、なぜ、知的財産は、そこまで利益貢献をしているのでしょう。

知的財産が企業の利益に貢献する理由

①時間が経つ毎に価値が雪だるま式に上昇する
特許は出願から20年、著作権は死後70年、商標は更新し続ければ無限、で権利が継続します。知的財産権はその商品自体が社会に広まれば広まるほど、ユーザ認知度が上昇し、その商品に実装されている知的財産権自体も間接的に有名になります。所謂、ネットワーク効果によって、時間経過と共に利益貢献します。有名な度合いが一定以上のレベルに達すると「ブランド価値」を生み出し、更なる価値を産みだします。同じものを一定期間長く安定して出せるというのは価値であることは、普段皆さんも老舗の料亭や昔ながらの大将がいる店に対して価値を感じることから理解ができると思います。

②競合の回避コストを上昇させ他社の競争力を削ぐ
→知的財産権による参入障壁は、目に見えないダメージを与えていることが多いです。私は侵害しているので回避しています、と宣言する企業はほぼあり得ないので。この知的財産権網により、別の手段を1から作ることによるコストダメージが、結果として、権利を持っている側の利益に貢献している。なぜなら、権利を持っている側は、回避するための迂回設計などの特別なことはしなくて済み、シンプルに「やりたいことができる」、「エンドユーザが欲しいものを作れる」ことになります。

③知的財産権は、他の資産に比べ価値の保存が容易である
→これは一見、はてな、と感じた人も多いでしょう。有名な資産を挙げると、不動産があるかと思います。しかし、これは、場所を取りますし、経年劣化や使用者によりどんどん価値が毀損します。一方で、知的財産権は、無形資産なので、時間と共に勝手に価値が下がるということは、基本的にはなく、権利期間が減って行くというだけになります。いやいや、価値が減ってるよと、突っ込む人も中にはいますが、それは「世の中のトレンドの変化」が影響しただけであって、その法的価値(権利行使時の効力)自体は、何ら変化していません。時間が経ったら、同じ権利を他者が取り直せるということもないです。知的財産権と聞くと古臭い印象を持ちますが、ある意味、形のない無形資産というポイントを取ると、昨今、賑わせている暗号資産(ビットコインなど)に近い部分もあります。形が無くて、時間経過による価値の劣化が起きず、数に限りがある資産という本質を見極めると、何が価値の源泉なのかが分かってきます。

今回は、この3つを利益貢献する理由として挙げましたが、他の切り口で、知的財産権の価値を語ることもできます。同じものを色んな角度で理解することで、知財の本当の価値が分かってきますので、引き続き、新規の記事や過去の記事を読んで頂けたら幸いです。

価値を理解出来たら、経営リソースの配分が変わってくると思います。たまに、知財経営や知財戦略という言葉を耳にすると思いますが、先ずは、知財の価値を知って頂くことが先決かなと思う次第です。

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