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特許の「にわか」ほど、特許侵害は「ばれないんじゃないですか?」と会社内の特許活動の邪魔をする

『特許侵害は、ばれることあるんですか?』
という人に会社内で出会ったことないですか?
ちょっとインテリな人がいると、たいてい誰か1人くらいはこの発言をします!

こういう人に出会う度に、『浅いな』と思います。

知財部員の活動を知らないな。
人の恐ろしさを分かっていないなとつくづく思います。

特許侵害がばれる理由①:他社の知財部員が調べる。

・権利を持っている企業の知財部員が血眼になって侵害企業を探しています。特許を取得して企業が成熟するすると、基本的に、特許を使って稼いでこいと企業内で言われます。そうなると、必死で調べます。ネット上に転がっている情報はすみずみまで調べますし、手に入る商品であれば、分解調査もします。侵害商品を発見しないと評価されないとなれば、知財部員の目はそこにばかり行きます

特許侵害がばれる理由②:特許権でビジネスをするブローカーが調べる。

・出願人や権利者ではなくても、これを使ってビジネスをしようとする企業が一定数います。企業の知財部員が手が回らないとき、こういう企業を利用して侵害探しを代行させます。企業の知財にいると、こういう事業を行っている企業から、営業をちょいちょい受けます。ブローカーの人が欲しいと指名する特許は、やはり中の知財部員が良いと思っている特許と概ね一致するので、彼らもビジネスとして本気なので、その目は確かです。

特許侵害がばれる理由③:転職した社員が漏らす可能性がある。

開発部門の特許判断の業務を行っていた担当者・責任者、担当知財部員などは侵害情報を知っています。彼らが完璧に情報を漏らさないとは限りません。SNS時代において、何か企業に不満があれば、こういうとことでぶちまける人がいたり、競合に転職した際の手土産に話す人も一定数いるでしょう。

特許侵害がばれないと言っている人の大半は、知財部員をやったことがない人が言ったり、知財経験が浅い知財部員が言います。
こういう意見が出るのも分からなくないですが、しっかり実情を理解して、発言をするようにしましょう。
自分たちが作れる技術は、他社も作れると思いましょう。そして、他社が作れるということは、どんな内部のロジックでも理解されるということです。即ち、特許の侵害特定もできてしまうということです。

ズルはしないことが、結局、トータルコスパが良いことになることが殆どです。
特許活動に否定的な皆様、知財部員が言うことを一度は最後まで聞いてみて頂けたらと思います。

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