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Glastonbury - 6 May, 2019

Bristol(英国)滞在中、毎週のようにいろいろなところに行っていたのたが、Glastonbury(グラストンベリー)はその中でもBristolから路線バス一本で行ける、アクセスの良い町の一つだった。

ホストマザーからは「Glastonburyはねぇ、ヒッピーの町なのよ、そういう人たちが集まる町でもあって、大きなフェスティバルがあるの。ちょっと変わった雰囲気の街よ」と聞いていた。どちらかと言えば彼女の好みではなかったようだが、私はそういう雰囲気は嫌いではない。そして興味もあった。

実際に訪れてみると、何と形容したらいいだろう…彼女の言う通り、何だかとても不思議な雰囲気に包まれている、人口は一万人に満たない、サマセットの小さい町だった。私のような旅行者が訪れるべき名所も少なく、またそれぞれの場所も離れていないので1日で十分に回れる。

バスがこの町の中心地と思われるバスターミナルに到着後(実際のところ本当にこれぞ田舎と言うほどのとても小さいターミナルで、つい日本の自分の故郷を思い出してしまうほどの規模とその雰囲気だった)、小さなこの町の中心地をさっと眺めて把握して、ツーリストインフォメーションを覗いた後はその日のメイン、Glastonbury Tor(グラストンベリートー)へと向かった。

ツーリストインフォメーションの隣の建物の前にあった看板。Glastonburyを象徴している。旅行ではなく特定の目的を持ってここに訪れる人もいるということだろう。
Glastonbury Torに向かう途中にあった看板その2。こういう看板を随所で目にするのもやはりGlastonburyらしい。
上の看板があったのは電話ボックスの中だった。一緒にいるピンク(赤?)の象は何を意味しているのだろう。

途中、Google Mapを開くも一抹の不安からこの道であっているのか(目的地に向かっているものの、道を誤って無駄な時間を割きたくはない)先方から来た観光客らしきカップルに尋ねてみると、ここをそのまま行けばまもなくTorだよ!と親切なイギリス人と思しき紳士。イギリス人は皆親切だ。冴えない天気のGlastonburyを黙々と歩いた。

中央奥に見えるのがTor。離れたところからもよく見える。

果たして到着するも、観光客は散見されるが大量ではなく程よいレベル。しかし、天気(太陽からは程遠い曇り空)もあるのか、パワースポットと言われる所以からの先入観なのか、不思議な雰囲気を放っているTor。時間もあるので散策がてら登ってみることに。

Glastonbury Torは "The Nationmal Trust" に指定されている。

登ってみるとそれなりに気持ち良く、試しに頂上の手前で寝転がって休んでみる。青々としげる5月のグリーンがとても気持ち良く、しばし目を閉じて大地で小休憩。

雲がより不思議な雰囲気を醸成しているものの、グリーンと黄色の小花が可憐で美しく英国らしい。

Torは、頂上に行ったからといって何があるわけではなかった。ただGlastonbury周辺の田園風景を360度見渡せるのは壮観で、イギリスの典型的な地方の景観をまるっと眺めて癒されるのは私だけではないだろう。

前述のように観光客も程よくいるものの、何かあるわけではないこの丘で、凡庸な(というと失礼にあたるだろうか、これこそが良さだと私には思えるのだが)田園風景をただただ眺め、寝転がっては癒されて静かに過ごす人がほとんどで(それ以外は写真を撮る程度で、他にもすることはない)のんびりと散策するにはもってこいの場所であった。

丘を降りて小腹が空いたので町の中心地に戻ってランチ。ターミナル真横にあるパン屋さん、何やら覗いてみると悪くはなさそう、ほんの数席、お店の脇にテラス席もあるのでサンドイッチとコーヒーで軽いランチを済ませることに。

例えば東京なら青山とか、パリならマレとか、ゴミやフードに"意識高い系"のショップはだいたい都市圏に集中していて地方では珍しいものだけれど、ここはGlastonbury。意識高くてしかもスタイリッシュ。
飲み口の側面にも記載がある。
グルテンフリーのガトーショコラも。そこらのパン屋さんで入手できるのもGlastonburyならでは。
ランチを買ったパン屋さんは街中の繁華街にもあった。コーヒーもガトーショコラも美味しかったしお勧め。

テラス席で一人のんびりランチをしていると、隣の席の男性が声を掛けてきた。50代と思しき男性、身なりは質素で髪もボサボサだったが、話すと口調はしっかりしていて、その話の端々からアカデミックな雰囲気が感じられた。私がBristolに住んでいて英語を勉強していること、一人旅でGlastonburyに来たことを話すと、Abbeyには行ったか、ここは行くといいよ、など親切にいろいろと教えてくださる。そして一通り話すと、ぱっと消えるようにいなくなった。余談だが、イギリスではこんな“紳士“が多い気がする。身なりは質素なのだが、話してみると口調はしっかりしていて、美しい英語を話し、高等教育を受けたことを感じさせる知識と話しぶり。そんな英語に託(かこつ)けてナンパもあるから要注意ではあるけれど、基本的にイギリスは親切な人が多い。純粋にナンパ目的ではなく、すれ違った見ず知らずの人とも会話を楽しむ文化なのだろう。「袖振り合うも多生の縁」ということばを思い出す。

お腹を満たした後は繁華街を散策。占いのお店があったり、ストイックな自然食品のお店、マニアックなお香のお店とかホストマザーの言う通り、"ヒッピー的"なお店がずらり。でも私は"嫌いじゃない"。小さな町の小さな繁華街にいろんなお店があり、いろいろと覗いては手に取ってみたりブラブラと街歩きを楽しんだ。

とある自然食品のお店にはYogiティーがずらり。これほどのYogiティーセレクションを日本で見られることはあるだろうか。思わずうれしくなり買い占める…ことはなかったが、いくつかお買い上げ。
帰宅して早速いただいたYogiティーのメッセージ。

この何とも表現し難い不思議なGlastonburyの雰囲気を私は思わず気に入り、Bristol滞在中にまた訪れるのだが、それもまた良かったので、今度書き留めたいと思う。

#イギリス #旅行 #イングランド #グラストンベリー #イギリスの田舎 #Glastonbury #この街がすき

※ 挿入されている写真及び画像はすべて筆者によるものです。

(Glastonbury 6 May 2019)

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