Edinburgh 2 - 23-25 Jun, 2019
学生の身分で質素なバックパックの旅をしていた私のエディンバラでの様子 - 前回は主な観光地について書き留めたが、
今回はエディンバラの食 - 立ち寄ったレストラン - について綴ろうと思う。
The Golden Dragon
空港に降り立ち、市内に出て軽く散策をした後、その日の宿に寄りチェックインを済ませ、荷物を置いて食料の調達に再び繁華街へ出た。実はこの日、イングランドのブリストルから飛んだeasy Jetのフライトがかなり遅れて到着したので、本当はもっと街中をぶらぶらしたかったのだがそうは問屋が卸さぬ時間帯になっていた。夏時間なので外はまだ明るいが、とうに20時を過ぎていて、私は重怠い気持ちで夕食は何にしようと考えながら、宿近くのスーパーに向かっていた。
とその時、宿を出てほんの数分のところで、中華レストランの看板を目にした。学生の貧乏旅だったので、特例を除いては外食はしないルールだったが、それは食いしん坊の食指が動く看板であった。東京でも外食は大好きである。美味しいものやレストランには鼻が効く方だ。私は立ち止まった。そしてしばし悩んでしまった。今はお腹が空いていることもあり何でも美味しそうに見えがちである。そんな自分の意志に従ってレストランに入ってしまえば、まんまと自分の意志の弱さに負けたようで悔しい。しかし、その看板は私の意志とは無関係に美味しそうに見えた。そのままこのレストランに入って夕食を済ませてしまうか、またはスーパーに行って何か適当に見繕い宿で軽く済ませるか。数分悩んだ後、私はその夜はレストランに入ってみることにした。時間がかなり遅くなってしまっていたし、たまには好奇心に従ってみるのも悪くないのではないか。スコットランドに入り初めての食事である。少し奮発することにしたのだ。
レストランは中に入るとアットホームな雰囲気、ヨーロッパにありがちな、テーブルは清潔感ある白いクロスで覆われたお店。その点も私の気に入りだった。席はほどほどに埋まっているが、まだ少しは残っており、私は端の二人席のテーブルに通された。厨房とホールは全て中国系にみえる人達が甲斐甲斐しく動いており、家族経営的な雰囲気が漂っていた。
私に注文を取りに来た女性は50〜60代の女性で、英語は正しくも美しくもなかったが、元気で質問にはしっかり答えてくれる滑舌の良いおばさんで、それはそれで感じが良かった。私は温かい麺を求めて、サンラータンをオーダーした。
そして、待ちくたびれるほどでもなく、10〜15分ほどで運ばれてきたサンラータンに私は…歓喜した。
私は温かい麺類が大好物である。熱めの麺とスープをふうふう言いながらいただいて、身体もお腹も温まることに幸せを感じる質だ。その頃滞在していたブリストルでも美味しいと聞けば日系のラーメン屋さんや中国系のレストランに出掛けていたが、ブリストルではこれという味とお店には出会えずにいた。
しかし、私はサンラータンのスープをひと口いただいて驚いてしまった。スープがまだしっかり熱い。それは私が求めていた中華麺、基、アジア飯であった。その瞬間、私は迷った挙句今夜は外食をすることに決めた自分の判断が正しかったことに歓喜して、黙々とサンラータンをいただいた。熱い麺をふうふう言いながらいただくのは、このヨーロッパの旅に立つフライト前に羽田でラーメンをいただいて以来だ。本当に嬉しかった。ヨーロッパ在住経験のある方ならわかっていただけるであろうが、そして当たり前だが海外では本物のアジア飯にはなかなか出会えない。
しかしこの"The Golden Dragon"、今回投稿するにあたってサイトを見てみたところ、引退のため閉店してしまったとのこと(2022年3月現在)。とても残念である。
ただ、何かあればSNSでお知らせしますとの記載があり、インスタグラムは閉店後も更新されているので、興味を持たれた方はチェックしてみるといいかもしれない。
The Golden Dragon
21 Castle street, Edinburgh, EH2 3DN
Edinburgh Larder
続いては翌日のブランチで立ち寄ったお店。スコットランドの旅行を計画している際に、在英経験のある日本人の友人から教えてもらったお店であった。しかも、その友人は以前飲食関係の仕事をしていたこともあって、私は彼女の勧めにとても信頼を置いていた。いくら貧乏旅でも、これは行ってみるべきだと。そんな訳で、大好きなブランチで伺うことに決めたLarder。残念ながら雨降りしきる6月24日、美味しいブランチを求めて宿から向かったエディンバラ2日目であった。
お店は雨だったからか、混んではおらず私の他には数人の客がいた程度で、私は中央のテーブルに通されたが、一人で独占状態だった。
店内は落ち着いた雰囲気で悪くない。洗練された空気感で、スタッフの方も感じ良く、皆おしゃれな雰囲気だがゆったりしており居心地は良い。
エディンバラでの宿は食事なしの素泊まりB&B(ベッド&ブレックファースト)で、朝はジュースとヨーグルトで簡単に胃を落ち着かせた程度だったのでそこそこお腹も空いていたし、とても楽しみにしていたのだが、その期待を裏切らない雰囲気の良さとクオリティであった。
エディンバラでの外食はたった2軒だったけれど、2軒共に洗練されたクオリティを感じた今回。前述の通り当時私はイングランドのブリストルに滞在しており、そこではなかなか満足のいくレストランに出会うことはできなかった。これは飽くまで私の経験則からの話だが、エディンバラがスコットランドの首都であること、その街自体もより洗練された文化を持っていることが、質の良いレストランがあることに起因するのかもしれない。エディンバラの食にほんの少し触れて、まだまだエディンバラのことを知りたくなった私の好奇心を満たすには、とても足りない2日間の滞在であった。
Edinburgh Larder
15 Blackfriars Street, EH1 1NB
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