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読書記録14:『バタイユからの社会学』
バタイユの思想に足を突っ込みたくなっていて、ひとまず目についたので図書館で借りたのがこの本でした。
バタイユの示す諸概念のうち、教育においてまず注目に値するのは「有用性」に対する対概念としての「至高性」です。生きていくうえでの有用かどうかの判断の世界から離れて、自己・他者・世界と直接対峙し、至高に十全に存在する出来事として、至高性は現れる。その時、深いコミュニケーションへと開かれていく。
この本
2024 国公立大「国語」並べ読み
私は「大学入試(一般選抜)の国語の現代文の問題を並べて読む」というアホな趣味を持っております。これまで数回、ある年の国公立大学の国語の現代文の文章をとりあえず読み、バラバラに出されたように見える入試問題の背景に通底する「時代の問題意識」を読み解こうとしてきた過去があります。
入試問題とは、無限とも言うべき数存在する書物から恣意的に選ばれ、この春に大学生になろうとする18歳以上の人々に、「これ
読書記録9:「お味噌知る」
年度末と年度初めはそりゃあもう慌ただしい時期でして、ちょっと別の世界に逃れたくなるものなのです。しばらく書くことも読むこともできていなかった。久しぶりに走ったら筋肉痛になるように、久しぶりに読んだら読書痛になるかのような気持ちになります。そのためまずは軽く読み軽く書く。
読んだのは土井善晴先生と娘さんとの共著。土井先生が日々主張する「料理をして食べるという行動がもうそれだけでええんですよ」という
木管五重奏「闇鍋」演奏会
を、聴いてきました。普段一緒に吹奏楽やってる仲間と高校の後輩に当たる方が共演している、自分から見ても不思議な集団。
自分たちも「普段世界が違うのに意気投合した」とのことなので、パラレルワールドのアンサンブルなんだな。
とか思ってたら昨日のオオサカシオンで数年ぶりに顔を合わせた高校の後輩に当たる方と2日連続で邂逅。そんなことある?
演奏会は2部制、前半で正統派をまず2曲、後半で木管五重奏を布教し
Osaka Shion Wind Orchestra 第153回定期演奏会
に、珍しく行ってきたのでした。春休みの微妙な頃合い、身体の疲れが比較的マシな時期に、ちょっと文化的生活をしようと思ったのでした。オール宮川彬良プログラム。
アキラさんの明るく親しみやすい側面を3割、大衆演劇のような情念の描写7割といったプログラムで、自然と観客が巻き込まれていったのが印象的でした。劇団ひまわりミュージカルラボラトリーへの拍手はみんなで子どもたちを見守るような印象。
いわば祭のよう
読書記録8:『煙か土か食い物』
今年に入ってお硬い本と実用的なものばかり読んで偉ぶったことばかり書いてたら、気づけば必要な本ばかり求めて必要なことばかり考えて世界そのものを楽しめなくなってしまっていることに気づきました。そんなことを同僚にボソッと言った結果、こう返ってきた。
「舞城王太郎を読め!!!」
「舞城王太郎を読め!!!!!!!!!!!」
もちろん読んだことが無い。最近は小説っても高橋源一郎とか真山仁とか山崎豊子とかと