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とある農協の渉外

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記事一覧

あれが届いてないんだよ、ほら、あれ

「えーっと、なんだっけ、名前・・・」米農家の佐々国さんちの玄関前で、トラクターの車庫から出てきたご主人、信夫さんに呼び止められ、話しかけられた。

年が明け、松の内も終わったところだけど、

「今年もよろしくお願いいたします」と、ご挨拶しつつ、話の先を待った。

・・・・・

信夫さんが固まってしまった。伝えたい言葉がパッと浮かんでこない様子。

空を見上げながら、

「えーっと、ほら、あれだ、あ

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個人年金保険料控除とは?

毎年の年末調整で税金を取り戻す(または確定申告で税金を抑える)ために、保険の封書やはがきで届いている『払込証明書』を、いつもいつも家の中で探すことに。

ちなみに払込証明書には、4つの分類がある

1,一般生命保険料控除

2,介護・医療保険料控除

3,個人年金保険料控除

4,地震保険料控除

保険の加入内容によって、 1, と 2, は1枚に両方記載されている場合がある。

対象の保険の掛け

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定期積金をとる方法

定期積金は

クレームになっても、途中解約になっても、お客さんには元本が保証されている。

定期積金は

毎月自動での振り替えだから、いくつ契約をとっても、契約と満期のとき以外は仕事は増えない。

定期積金は

いくらからでも始められる。月々いくらでもいい。

定期積金は

何歳の人にだって勧められる。病気に関係なく勧められる。

定期積金は

仕事が有っても無くても、たとえ借金のある人にも勧めら

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靴ずみを使わない。固く絞った布で拭く

仕事で服装と身だしなみは口を酸っぱくして言われる。

スーツで回るから、革靴を履いている。

革靴はいつも磨いておくのが常識だけれど、農協の外回りは、田んぼや畑の畔を歩くことも多い。

最初の頃は、手のひらサイズのスポンジの靴磨きを常備して磨いていた。

でも、ピカピカになっているのは磨いた直後だけ。

ワックスの水分なのか、それとも静電気とかなのか、原因は分からないけど直ぐに革靴の表面がホコリま

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夫と話してみる」「どの辺を話します?

悪者に、自ら積極的になろうとする人は少ない。

できれば、良い人でいたい。そう思われたいと思っている人が大半だ。

訪問先で商品をオススメしたとき、きっぱりと断れないお客さんは、断り役を、他の身内を代打に起用する。

・「父と相談してみます」

・「妻に確認してから決めます」

・「息子にも聞いてみないと」

後日、あらためてオススメすると、

・「父が今のままで良いって」

・「妻が納得してくれ

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書道教室の先生、子供に靴を並べる指導

四津川造園の奥さんは、自宅の離れの建物を使って、地域の子供たちに書道や硬筆を教えている。

造園業をやっているだけあって、敷地も広いし、自宅建物も和風建築の立派な建物だ。

70代後半のご主人はまだまだ現役で、トラックを運転したり、ユンボ(ショベルカーの小さいサイズ)を乗りこなしたり、3メートルくらいのハシゴに上って作業をしていたりする。

奥さんは、造園業の方は携わっていない様子だ。

昔は携わ

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時間の確認は、スマホより腕時計で

今は年配のお客さんでも、ケータイ電話やスマートフォンを持っている。

それでも、

①電話に出る

②電話をかける

③写真を撮る

④ショートメッセージを見る

の範囲くらいの機能活用に留まる人が多く、その範囲レベルでも、使いこなす練度は人によってそれぞれ。

だから、僕の日常の感覚で

スマホを

時計として

カレンダーとして

手帳・スケジューラーとして

メモ帳として

辞書・辞典として

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JAに振込む用紙には、JAを入れない

振込みをパソコンやスマホ、タブレットからではなく、ATMからでもなく、銀行や信用金庫とかの、農協以外の金融機関の窓口で、振込伝票に記入して振り込みをするお客さんで、

「通帳通りに書いたのに、振り込めない」

と、連絡を頂くことがある。

良く良く聞くと、金融機関名の欄に

「JA○○○農協」

と、記入していたことが原因だったりする。

JAと、農協は同じ意味だから、

「JA○○○JA」または

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髪は染めるべき

小学生の頃から白髪混じりだった。

髪型もだいだい短髪で、スポーツ刈りだった。

集金先の金井ダイカストで働いている砂原広さんは、30歳独身の方で、本人曰く、「合コンのプロ」だそうだ。

金井さんは支店の地区外にお住まいだけど、仕事場の「金井ダイカスト」が僕の担当地区内にあるため、いつもこちらでの集金。

職場で積み立て貯金をしてくれているお客さんも多い。

自動車整備工場とか幼稚園とか出張所とか

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珊瑚の印鑑、指輪の印鑑、翡翠の…

印鑑とかハンコとか、三文判とか、みとめ(みとめ印)とかいろいろ呼び名は有るけれど、金融機関の取引は「お届け印」か、「届け出印」と呼ぶ印鑑での取り引きが絶対だ。

あ、融資(ローン)と相続は実印だった。

ま、まあ、ほとんどがお届け印(オトドケイン)での取り引き。

お客さんは「銀行印」と読んで区別していたりする。

以前に総代をされていた幡山佐一さんのお宅にお伺いしたら、

「農協の銀行印だろ?」

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JAバンク、地元の利用中心の金融機関

他のJAが管轄する地域で梨の栽培を行っている農業者さんが、窓口に来店された。

販路拡大のため、うちのJAの直売所にも、自慢の梨を出荷をしたいとのことで、そのために先ず、口座開設と出資組合員加入をしたいとの要件だった。

JAは全国各地にある。

それぞれ管轄区域は重複していない。

農業生産者として、正組合員になるためには、

その管轄区域に住んでいる事。

または、その管轄区域の農場で農業を営

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手洗い後は水けを拭き取らないと荒れる

乾燥する季節、夜の外回りは風が吹いていれば、寒さも感じる。

支店に戻るたび、手洗いをする。

手を振って水を切って、おしまい。

そんなことを繰り返していた。

真冬でもないのにアカギレになった。

庄田係長が

「江藤、おまえ 手を洗った後にちゃんと拭いてないだろ」

と、図星を刺された。

どうしても、他の人が手を拭いたタオルで、自分の手を拭くことに抵抗がある。

でも、この手のコンディショ

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死亡届のコピーをコピーし、共済金請求

巨峰の観光農園をやっている大見繁一さんのお婆さんが、89歳で亡くなられた。

先月の初めにお会いした時は変わらない様子で、家の前の花壇横から手押し車を押して、しっかりとした足取りで玄関に向かって歩っていた。

自宅の場所がほんの少し丘になっていて、敷地内の距離でも、玄関に向かうと、やや上り坂になる。

お婆さんは「くに」さんが本名だけど、近所から「おくにさん」と呼ばれ、庭先で腰掛けては、近所のさま

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営業本の読書も気分転換になる。

手帳は2冊持ちなさいという本を読んだ。

手帳を2冊持ってみた。

お客さんとの約束を一方にしか書かなかったりして、約束が被ってしまったり、約束をうっかり忘れてしまったりと、謝罪が増えた。

持ち歩く荷物も増えて、余計な仕事も増えて、ストレスも増えてしまった。

僕は、1冊がキャパシティ(容量)の限界みたいだ。

内向型営業マンの売り方にはコツがあるという本を読んだとき、たびたび目にした言葉、「あ

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