【日記】『レジ打ちは思考の瞬発力を高める』~バイトにて~

僕は4月からうどん屋でバイトをしている。お店に入ってカウンターで注文したうどんを受け取り、トレーを横にスライドさせながら天ぷらやおにぎりを取っていく、いわゆるセルフうどんのお店だ。

バイトを始めた理由はお金を稼ぐため。実家に住んでいるからある程度支出を抑えることはできているが、まだまだライターだけでは生活することができないし、アウェイ戦を観に行くこともできない。生活費の足しにしつつ、アウェイ遠征費(夜行バス移動+快活クラブ宿泊という激安プラン)を捻出するために働き始めた。

主な仕事内容は店内の掃除をしたり、おにぎりを作ったり、調味料をセットしたりする開店準備。うどんにトッピングを乗せてお客さんに提供するうどんを完成させること。食器洗いなどだ。

大学1年生から3年生まで牛丼屋でバイトをしていたから、飲食店での経験が生きると思っていた。しかし、そう甘くはなかった。牛丼屋からうどん屋の間には1年のブランクがあり、手先の不器用さが復活してしまっていたのだ。慣れない作業は時間が掛かるし、ミスもする。作業をなかなか覚えれないし、効率よく行うことは“夢のまた夢”状態である。

バイトの前日の夜は、今度こそ目安の時間までに作業を終えることができるのか。不安な気持ちを抱いていた。

ノートに作業工程やコツをメモしながら取り組んでいき、初入店から約2週間が経過した頃にレジ打ちを教えてもらった。注文したうどん、カウンターから取った天ぷらとおにぎりが乗ったトレーが次々と流れてきて、商品を入力してお会計をする作業である。昼のピーク時はレジ前に長蛇の列が並ぶ。お客さんはレジを通してからではないと食べられないシステムのため、正しいレジ取引をして腹を空かせたお客さんをどんどんさばいていかなければならない。速さと正確さが求められる。うどんも天ぷらも種類が多いし、特に細長いフォルムをしているとり天とげそ天は衣を纏ったせいで見分けがつかなくて、厄介だった。

最初は苦戦していた。お客さんに「○○ですね」と確認しながらやっていたけど、少しずつこなすことで商品を段々と見分けれるようになり、レジのボタン配置も覚えてきた。スムーズにレジ打ちができるようになると、徐々に視野が広がっていった。

お客さんが持ってくるトレーを見て、商品を識別し、正しく入力しレジ取引を行う。認知、判断、実行を高速で回すゲームに思えてきた。認知、判断、実行はサッカーをプレーする上で重要なプロセスであり、小学校から高校まで無意識にやっていた脳の動きでもあったからすんなりと置き換えることができた。

頭の回転(かっこよく思考の瞬発力と呼びたい)を鍛えれるのではないかと考えるようになり、思ったことをすぐに文章に整えて発信するという言語化力にもつながるのではないかと拡大解釈するようにもなった。大げさかもしれないし、勘違いしている部分があるかもしれないけど、お金を稼ぐ以上の意味を見出してからはすごく楽しくなった。

バイトが楽しみで夜も眠れない状態にはならないけど、『早よ、昼のピーク来いや。全部正しくレジしたるわ!』くらいの意気込みはある。

やらないといけないことって、どうしてもある。それがやりたくないことや苦手なことかもしれない。しかし、それをどのように捉えるか、意義をどう見出すのかで得られるものが変わってくるし、それはきっと自分の身になる。

レジ打ちを通してバイトとの向き合い方を変えることはできた。とりあえず次は床掃除とおにぎりを握るスピードを高めることを目指そう。そして、その作業以上の意義をどうやって見出そうか。

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