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システマ東京note

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システマ東京代表北川貴英が執筆するシステマ関連の随筆、ヒントなど。
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2019年3月の記事一覧

「練習」してるのか、してないのか

「練習」してるのか、してないのか

練習してるのか、してないのか。

それが問題だ。

練習のための時間と手間を確保する。それもまた練習だ。

かといって、漫然とクラスに出てても果たしてそれが練習になるのかどうか。熱心にクラスに出席しても練習になってないこともあれば、たまの出席でもちゃんと練習が成立していることもある。

両者の違いはなにか。

それは「できないことをやろうとしているか、どうか」じゃないかと。

だから練習とは「現時

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敗北というリラックス

敗北というリラックス

緊張と恐怖心は結びついている。

だからリラックスは、怖い。

その怖さを通り抜けることで、抜ける力みというものがある。

経験的にも一段階深くリラックスできるようになる時には、うっすらとした恐怖心が伴う。これがない時は、一時的なかりそめのリラックスである可能性が高い。

動きが頑なに変わらないケースを思い返してみると、共通して腰に独特のこわばりがあり、これがなかなか抜けない。立とうという力が強す

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末端ワーク 伸びる&捻る

末端から動く。末端から伸びる。末端から引かれるように。

末端からねじれる。末端で生じたねじりの運動が全身に波及するのを丁寧に味わう。

ミカエルがインターナルワークとか言い出した時に、提示したのが末端ワークだった。

このときは何かミカエルが大事な大転換をしそうだったので、9月の国際セミナーに参加してその2ヶ月後に再度、モスクワに行く予定を立てた。9月の国際セミナーでは末端ワークについて学び、二

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気づきに価値はあるのかどうか

気づきに価値はあるのかどうか

「大きな気付きが得られました」

「大切なことに気付かされました」

「気づきが得られて嬉しいです」

とかなんとか。いつの間にか日本は気づき礼賛時代に突入してないか。

なんだかこの「気づき」という言葉によってごまかされてしまっているものが多々ある気がしてならない。

成長を破線とするなら、気付きは破線を構成する点のようなものだ。

気づきによって自分に何らかの変化がなければいけない。

それも

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あんことおはぎ

あんことおはぎ

インターナルとか言うけど、それはエクスターナルの対義語。

表と裏のどちらかだけが存在するというのはありえない。

皮だけの大福もあんこだけの大福も成立しない。

皮のないあんこの塊がぼとって置いてあったらどうか。

それは大福として成立するか否か。いや、しないだろう。

でも見た目はおはぎっぽいからおはぎと思って食べるかも知れない。

おはぎは中にモチがあってこそのおはぎ。

もし中にモチがなく

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1minレッスン解説「壁ワーク」〜踏ん張る人は壁を歩けない〜

「壁歩き」はモスクワ本部のインストラクター、ザイコフスキーから教わったものだ。ザイコフスキーは壁に足をつけたまま仰向けになったりくるくる回ったり色々するのだけど、僕はもっぱら壁歩きをやっている。なぜなら肩の可動域が狭いから。

このワークの本質について、僕は足元から頭へと身体を縦に貫く力のラインをちゃんと構築できるかどうかだと考えている。

身体の中を力がちゃんと通っていれば、壁から床への力を、床

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そこで突っ込んだら負けだ

そこで突っ込んだら負けだ

突っ込んだら負け。

人生にはそういうことが多々ある。

例えばミカエルが「合気道のルーツはロシアだ」と言ったとき。

日本人なら総ツッコミだろう。「いやいやいや、植芝盛平が創始したれっきとした日本武道ですよ」と。

しかし、こういう明らかなツッコミどころで、突っ込んだら負けなのだ。

植芝盛平師は出口王仁三郎と大陸に行き、馬賊に囚われた。そしてこの時、コサックはユーラシア大陸全土に広がっていた。

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ほぼ1minシステマレッスン解説「片足立ちの理由」

「歩く」という動作は、片足立ちの連続です。右足と左足、交互に片足立ちになる動作と言えるでしょう。

ですからもし片足立ちがこわばっていたら、歩きながら行うあらゆる動作がこわばってしまっていることになります。そのままいくらリラックスしようとしても意味はありません。バランスの崩れがこわばりの原因です。根本的な解決策はリラックスではなく、バランス感覚の向上なのです。つまり片足立ちでリラックスできること。

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出せば出すほど出るものとは

出せば出すほど出るものとは

出せば出すほど出る。

人間の体にはそういう性質がある。

一升瓶のお酒もエンジンの出力も出せば出すほど、早くなくなる。

でも人間の体は出せば出すほど出る。

体力もそう、知力もそう。

だから体力を出すほど、出るようになる。

考えてアイディアを出すほど、出るようになる。

これはシステマにしても、親子システマにしても僕のクラスの基本的な指針になっている。

陥りがちな間違いは、インプット優位

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初めてシステマセミナーに参加する方のためのFAQ

初めてシステマセミナーに参加する方のためのFAQ

システマセミナーへの参加が初めての方、または初めての参加を検討されている方のためのFAQです。

Q. システマの経験がないのですが、参加できますか?

A. もちろん可能です。セミナーにはインストラクターも多数参加していますので、彼らが初心者をサポートしてくれます。事前に最寄りのグループでの練習に参加したり、書籍やDVDで予習しておくとなお良いでしょう。

Q.システマの練習を初めて間もないので

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システマクラス3等分理論

システマクラス3等分理論

プライベートレッスンとグループレッスンを合わせて毎日何クラスも練習している。その全クラスにおいて常に考えているのは、「どうしたらコスパを最大化できるのか」ということだ。

金額はそれなりに設定する。でもそれ以上の価値を絶対に提供する。

そう自分に課しているからだ。

試合もなく帯もないシステマでは上達を測る客観的な指標がない。でも見る人が見れば、「動きの改善」という明らかな変化がある。数量化した

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なぜノンコンタクトワークなのか

なぜノンコンタクトワークなのか

セミナーを主催する時、大きく気を配ることの一つがテーマだ。

自分自身が興味をもち、参加者たちのレベルを引き上げ、なおかつインストラクターの持つ智慧を深く引き出せる。それが良いテーマの条件なのだけど、これがなかなか難しい。

今年のセミナーでは何をリクエストしようか。

そう悩んでいたのだけど、DVD制作の打ち合わせの最中に「ノンコンタクトワークがいいんじゃないか」と思いついた。

システマの動画

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