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#6 うつ発病時体験記その2

私は自分に何が起こっているのか理解できなかった。
理解できないというよりも、理解しようとも思えない。
脳内が全くの【無】の状態だった。
マンガやアニメでよく見る、口から魂を抜けかけている様な状態。
そう。抜け殻ってやつだった。

多少の体調変化は感じていたが、少しずつ体調が悪くなるのではなく、突然崖から突き落とされたイメージだ。

身体が動かないけど、動こうともしない。
ベッドから出れないけど、出ようとも思えない。
何もする気にならないし、やらない。
何も考えられないし、考えたくない。
意味が分からないし、分かろうともしない。
怠いけど、だから何?
頭が痛いけど、他人事のよう。
辛い。ん?辛いって何だっけ?
泣き方も思い出せない。
消えて無くなったら、どうなるのかな?

病院にどうやっていったか覚えていない。
一人で行ったことは確か。
すぐにうつ病と診断されて1ヶ月休職しなさいと診断書が渡された。
それをどうやって会社に提出したか?
上司にどうやって連絡したか?
覚えていない・・・。
本当にどうしたんだろう?
嫁も対応していないとの事。
きっと自分で対応したんだろうけど、無意識だったのかな?

辛かった事は鮮明に覚えている。
最初に出された抗うつ剤の副作用が強く、発狂しそうな感じだった。
体内を虫が這いずり回っている感じで、落ち着かないし、怠いし、イライラするし、泣きたくなるし、起き上がれないし、寝れないし、頭痛いし、蕁麻疹は痒いし、動悸が酷くて苦しいし、疲れるし、めまいはするし、、、、。

24時間のうち22時間は横になっていた。
残りの2時間に3回の食事、入浴、トイレが入ってる。
ほぼ寝たきりだ。

1ヶ月その状態だった。
私はうつ病の経験者の中ではかなり症状が軽い。
他の方の体験を聞くとかなり壮絶だ。
本当に辛い時期も1ヶ月だけで峠を越えた。

私が恵まれていたのは周りのサポートだ。
嫁、子ども、親、友人が助けてくれた。
救ってくれた。
支えてくれた。
いつも誰かが隣にいた。
特に何をするでもなく、隣に居てくれた。
感謝してもしきれない。

症状が少し落ち着いた段階で友人家族がキャンプに誘ってくれた。
何もしないでいいから。
子ども達の面倒も見るから。
テントも貸す。
ご飯も作る。
ただ座っていればいい。
疲れたら車でもテントでも寝てていい。
だまされたと思って一回外に出てみよう!って言ってくれた。

正直その時は外に出たくなかった。
でも、自分の中でも何かしなきゃ!動かなきゃ!って感じていた。
無理矢理でも誘ってくれた事は本当にありがたい・・・・・・。
あの時キャンプに行っていなかったら・・・・・。

キャンプ場での時間は忘れられないものになった。
少し雨が降っていて、星は見れなかったが川のせせらぎが気持ちよく、焚火をみていると気持ちが落ち着くのがわかった。

生きている事を実感した。

そこから日に日に少しずつ回復していった。
3歩進んで2歩さがる感じではあったが、着実に前進していた。

8月には毎朝散歩ができるまで回復していた。
病院でも順調に回復していることから、リワークを進められた。
return to work
復職プログラムだ。
私はすぐに見学させてもらい、その日に申し込んだ。
市役所で自立支援の手続き、会社に暫く戻らん報告etc.
2019年9月からリワークへの通所が始まった。

リワークでの学習や同じ病気の人たちとの集団生活は新鮮だった。
なかなか他人に話せなかったり、話しても理解してもらえない病気の事を気兼ねなく話せる。
【共感】
これだけでかなり回復を感じた。
あんなに周りに支えてもらっていたのに、何故か感じていた孤独感。
それが解消された感じがした。
人見知りな私が話しやすさを感じる事が出来る程、親近感を感じる仲間達がそこには居た。

日々の講座は、なるほど!の連続で、うつ病になって当たり前だよって思えた。
セルフケアや簡単な知識で防げる事が出来るじゃん!
これを皆が知っていれば精神疾患にならずに済む人が沢山いるのでは?
どうやったらみんなに理解してもらえるんだ?
学校の授業にすればいいんだ!
自殺者の低年齢化やいじめ問題の解決にも繋がるのでは?
義務教育に取り入れて、小学校と中学校で取り入れれば・・・・。
それだ!!!!!!!

リワーク内で、今の目標である【メンタルヘルスのセルフケア義務教育化】に辿り着いた。
それと同時に、自分がうつ病である事を完全に受け入れている事に気づいた。

実はこの【気づき】が私の治療に足りない最後のピースだった。

そうです。
私は以前、全般性不安障害で休職していたにも関わらず、精神疾患に対して疑いのイメージを払拭しきれていませんでした。
その為、医者の許可なく復職したり、病気である事を隠したり、途中で薬を独断で止めたり、無理をしたり、無茶をしたり・・・。
舐めていました。
完全に心の病気を舐めていました。

ここからの回復は早かった。
病気に対しての知識、セルフケア、人間関係作り、認知行動療法とリワークで習う事を理解し、試し、復習して毎日を充実させていきました。
学校では勉強なんてしなかった私が、本を読み、資格を取り、心理学にはまっていきました。
自分がHSPである事も知りました。
子供の所属しているサッカー少年団のコーチも始められた。
そして楽しく一緒に運動をできるようになった。

2019年12月末にリワークを無事卒業し、2020年1月から無事復職となった。

ちなみにリワークで一番難しかったのは【自己分析】だった。
これは今でもよくわかっていない。
一番付き合いが長い自分だが、心の声に蓋をし過ぎて自分の声を忘れてしまった。
しかし、カウンセラーが自分を見失っていては務まらない。
でも今はそれもありかな?って思ってる。
クライアント様の気持ちを理解するにあたって、不完全人間の方が親近感を持ってもらえるかもしれないし、気持ちも共感できそうな気がする。
これも他のカウンセラーさんからしたら「何言ってんだ!」って思われるかもしれないけど、これが私流のカウンセリング。
勿論、勉強は続けてクライアント様を困らせないようにしますよ(笑)

クライアント様も私も肩の力を抜いて話せる場所を作る!
そして【メンタルヘルスのセルフケア義務教育化】を進める!

そして、最初に書いた、他の方の体験記と少し違うと感じた点はどこかというと、発病前の私の状況【帰任、2階級昇進、昇給、新築戸建て購入、新車購入、子どもの進学etc.】は幸せなことと思っていたし、思われていたが実はかなりのストレスだった事。
リワークで最初に行うライフイベントストレスチェックで200点で危ないところ私は1,000近い数値だった。
そのほとんどが上記の様な一見幸せと感じられる項目にチェックが入っていた事だ。

他の方の体験記を見ていると、失業、倒産、死別、イジメ、パワハラ、激務、事件事故など、マイナスやネガティブな状況からスタートしている。

私は幸せで、ポジティブな状況からスタートした。
うつ病になるなんて微塵も思っていなかったし、思われてもなかった。
後にストレスと分かった幸せな出来事をストレスと気づいていなかった。

心理学を学んでいる人にとっては当たり前の事だけど、これを知らない人は多いと思う。
みんなに知ってもらいたい。
そんな思いを込めて記事にしてみました。
お粗末な文章ですみません。

これからも目標に向かって無理せず、焦らず、楽しもう♪

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