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生物多様性"見える化"アプリ
沖縄は、生き物の豊かな地域です。しかし、自然界に暮らす野生生物の姿を、私たちが認識するのは、なかなか難しいです。そういう、人知れない状況で、多くの生き物たちが人間活動によって消失しています。生物多様性の消失、つまり”自然資本”の劣化に伴う経済的な損失を、私たちは気づかない間に被りつつあるのです。
沖縄の自然の豊かさを未来に受け継いでいくアクションを起こすためには、多くの人たちが生物多様性の価値を
ジュゴンズアイ(DugongsAI)の使い方
皆さん、「地図」を初めてみた時のことを覚えているでしょうか。山や川や平野など、地形の特徴を表した地図は、標高が高いところは茶色、標高が低いところは緑色で表示されています。日本の地形図を見ると、「日本の内陸の多くは茶色で、緑色の平地はわずかで、日本は山の多い国なんだな〜」ということが、直感的にわかるわけです。地図帳を見ながら、各地の自然に思いを馳せて、旅する気分を味わった人は多いのではないでしょうか
もっとみる日本全土の樹木種の個体数:約1200種で約210億本!
生物の個体数を把握することは、生物多様性の起源と維持の仕組みを理解する上で基本的なことです。また、生物多様性の保全計画でも、種個体数は必須の情報です。
しかし、野生生物の個体数を数え上げることは、実際には(一般の人々が想像する以上に)とても難しいのです。
私たち生態学研究者にできることは、ある調査区を設置して、調査区内の個体数を数え上げることくらいでした。まして、日本全土にわたって生物種の個体
日本の生物多様性ホットスポットはここだ! 保全重要地域を把握するための分析
生物多様性の国家戦略や地域戦略に基づいて、日本の生物多様性を保全するには、どこにどのような生物が分布しているのか、正確に把握する必要があります。
生物の分布情報の整備各種の分布記録を網羅的に収集して分布データを編集して、種の分布地図を作成します。生物の分布記録は、学術論文・標本・調査報告書・地域の生物誌など様々な媒体に記載されています。さらに、国の行政機関が実施した生物分布に関するセンサス記録も
日本の生物多様性ホットスポットはここだ! 動物編
前記事の植物の種多様性地図に続いて、今回は動物編です。
日本の脊椎動物の種数日本の哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・淡水魚類などの脊椎動物の種数は、以下の通りです。植物と同じように、動物もかなりの割合が日本だけに分布する固有種です。
哺乳類の種数 101種 (日本固有種 46種) 鳥類の種数 337種 (日本固有種 12種)
爬虫類の種数 73種 (日本固有種 45種
日本の生物多様性の”実際の分布”を予測する
生物分布モデル(生息適地モデル)に関する図書を翻訳しました。
この図書は、生態学的ニッチに基づいた生息適地モデルの構築、評価および予測に関する分析手順を解説しています。「どこにどのような生物や生態系が分布しているのか?」把握することは、生態学の基本的な問いです。ですので、生息適地モデルは便利な分析ツールです。また、地球温暖化や生息地改変による生物分布の変化や、各種の分布予測を重ね合わせて生物多様
西表島の森林生態系調査の様子
先週は、西表島で1週間の森林調査でした。
モニタリングサイト1000(通称モニセン)と呼ばれている、環境省のプロジェクトがあります。
http://www.biodic.go.jp/moni1000/moni...
日本各地の森林生態系を長期観測して、気候変動に関係した生態系や生物多様性の変動を察知するのが目的です。
世界自然遺産に登録される予定の西表島の亜熱帯林も、今年から長期観測サイト もっとみる