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『モービウス』見た直後の雑記

グランドシネマサンシャインでジャレッド・レト主演映画『モービウス』を見てきました。


アメコミの世界観で産み落とされた新世紀の吸血鬼ダーク・ヒーロームービー。とはいえ、モービウスはヴィランであるから“ヒーロー”というのと違うけど、種としては同じソニー・マーベル作品『ヴェノム』シリーズに近い。


幼き頃から血液の難病に悩まされながら、天性の才能で血液疾患の博士になったマイケル・モービウスは蝙蝠の血清による治療を自らの行い、身体に異変が起こる。


血液の治療とはいえ蝙蝠の血を取り込もうという考えにそもそも疑問はあるが、そこを置いて見れば吸血鬼や「ジキルとハイド」の系譜のスリラーを応用したスーパーパワーヒーローと見れば割と楽しめる。

血清を打った後のスーパーパワーを得た時の様子や、効果を自分で調べ、研究するあたりはデヴィッド・クローネンバーグの『ザ・フライ』に通じるものを感じた。


ストーリーはこの血清と血清による凶暴作用を巡る流れと、幼馴染みの病床仲間のマイロとの関係のエピソードの2つの軸で展開。特にこのマイロとの関係が重要。お互いに同じ病(やまい)に苦しみ、お互いに病を抱えながら社会で成功し、しかしながらその奥底で「生きる」執念と「健康」への羨望も秘め、この部分がガッツリと描かれていた。


つまり、『モービウス』はアメコミダーク・ヒーローアクション映画に医師映画、吸血鬼映画、さらには難病闘病映画を見事にミックスした新種のアメコミ映画である。

詳しくはネタバレになるのでやんわりと書くが、後半はこのモービウスとマイロの関係を発展させたもので構成されている。


俳優ではなんと言ってもジャレッド・レトを見る映画である。ちょっと前に『ハウス・オブ・グッチ』で目を疑いたくなるデブデブおじさんになってラジー賞までゲットしちゃったジャレッド・レトが今回は痩せたりマッチョになったり凶暴になったり大忙し(笑)。それとマイロ役のマット・スミスがサム・ライミ版『スパイダーマン』のジェームズ・フランコ並みにかっこ良くお見事だった。


ただ、アクションシーンがスーパーパワー過ぎて速くて見えにくい。スローモーションで弾丸を避けてスーパーパワーで蹴散らす、というワンパターンなのがなんとも残念。


それでも、個人的には『ヴェノム』シリーズよりかは楽しめたかな。

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