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浅いテツガク

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#神話

読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」13

読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」13


1.登場人物の固有名詞化ここまでの考察概要
① 神話は構造を語る
② 1家族3世代を「家族名」だけで物語るのが神話の基本構造

上記から、「家族名」が固有名詞になる、その他の登場人物が固有名詞になる、のはどのような場合か、思いつく可能性を列挙する。

①動物名が固有名詞的に使用されるケース
・1家族を「家族名」だけで物語る基本構造の場合、他のアクターは家族名以外で表現せざるえない。その際に固定名

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読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」9

読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」9


1.前回神話において固有名詞による表現が登場するケース

<推定1>前回の結論
物語が複数の集合を語る時、その複数の集合に共通集合があると固有名詞が割り振られる、のかも。

2.固有名詞について2さらに思いつきを追加。

「村人」という言葉がある以上、家族以外の「人間」も認知されている。

他の「人間」が認知されているにも関わらず、普通は人間である「支援者」や「攻撃者」を、なぜ擬人化して動物にす

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読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」6

読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」6


1.現代の神話前回の結論
①  神話は人の話をしているのではなく、構造の話をしている
②  ①の視点から見れば、現代に溢れる「情報」と神話は同一

例えば退職後の日中Youtubeをラジオにしていたら、たまたま再生された下記の物語。

この物語に強烈な神話性を感じる。xx族の「ある男」の神話と同じように、日本族の「ある女」の神話ではないか?
事実かどうかは問題ではない。「ある女」とその子達を応援

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読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」5

読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」5


1.神話と情報なぜ近親相姦が語られるのか?
一つはその話題が「面白い」からだろう。つまり近親相姦という情報には価値があるってことだ。
情報価値は極論、確率だ。低い確率ほど価値がある。
近親相姦が情報になるということはその発生確率が低いてことになる。つまりその社会で近親相姦は滅多に発生しない。であれば逆にその社会には近親相姦タブーがあるのだろうと想定してもよさそうだ。

2.情報価値確率が低いこと

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読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」4

読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」4

このレヴィの発想は「ミーム」を先取りしてるように感じる。
自分も3年前「人間」を人体+人工情報+人工物で構成される自然現象に設定した。

この設定では「人間」を人体に限定しない。人工情報も「人間という自然現象」の一部である。それに人体をその自然現象の中心に据えるわけでもない。別に情報の方を中心に考えても良い。その場合、人体は情報のメディア、ミームの寄生先みたいな扱いになるだろう。
以下、ミームであ

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読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」

読了メモ「レヴィ=ストロース入門 」


1.読了本この前貼った以下の本を読み終わった。

レヴィの神話分析はそれ自体が神話、みたいな「悪口」をどこかで読んだが、思ってたほど「神話」じゃない印象。面白い論理だった。
だからと言って合点したわけでもない。そもそも理解不足。難しかった。
ただレヴィが分析した当の神話を幾つか掲載してくれてるので、読みながら自分も思いついたり感じたり。以下それを列挙しメモしておく。
(そういう傾向を感じた程度で

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神話のヨミ

神話のヨミ

ヨミ本を読んでいると共感や賛同、反論や批判だけでなく、全然内容とは関係ないアイデアや突拍子もないことを思いつくことがある。これを「ヨミ」と呼んでいる。多分そんな人は多いと思う。
特に自分の場合、強引なこじつけでありもしないパターンを「発見」することが多く、それが自分の「ヨミ癖」だと思っている。以下神話にについてその一例。

AD神族高校の時、世界史の先生が、
 インドのディーヴァ神族はイランにとっ

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神話の類似性

神話の類似性

日本神話とギリシア神話が類似してるとは明治時代から言われてるそうだ。

ただ自分は具体な事例を2つしか知らない。冥界下りと羽衣伝説。
どちらもギリシアというより世界各地に見られる。

類似する原因は大きく3つ考えられる。

①起源が同じだから
②深層心理が共通だから
③偶然と確率

神話の類似性というテーマが自分にとってポイント高いのは例え上記のどれであっても面白いとこ。

①は歴史的ロマンを感じ

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神話についてとっかかり

神話への興味昨日noteにあった小説を読んでたら、黄泉比良坂の話だったため、以前神話についてあれこれ考えたことを思い出した。

自分が神話に興味を持ったきっかけは諸星大二郎先生の「暗黒神話」。
コミックではなく連載第一回のジャンプを読んだと記憶してる。そしてその時の「ええええ?これが神様?」という衝撃も。

洞窟の暗闇の中、重たい鎖の音が響く。何か大きなものが蠢いている。
焚を灯した瞬間そこにいた

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