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こころ

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ひとのこころ、見つめてみます。自分のこころから、誰かのこころへ。こころからこころへ伝わるものがあり、こころにあるものが、その人をつくり、世界をつくる。そんな素朴な思いに胸を躍らせ…
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2022年7月の記事一覧

『認知バイアス大全』(川合伸幸監修・ナツメ社)

『認知バイアス大全』(川合伸幸監修・ナツメ社)

「バイアスがかかる」という言い方を、近年よく聞くようになった。私も、物事の説明に便利だと思い、使うことがある。自分の思い込みをはじめ、他人の影響などにも基づき、適切な判断が阻害されることをいう。本書では、論理的な思考ができなくなること、という点で定義しているように見える。
 
認知が歪み、偏る。それは、どこかやむをえない錯覚も含まれるのかもしれないけれども、私たちが知らず識らず、「自分は正しい」と

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空白の30年間

空白の30年間

偶々テレビで、久しぶりに統一協会について語る有田芳生氏を見た。かつて社会問題化したときには、この人の命懸けの解説が、適切な判断がなされるために、貢献していたのだが、久しぶりだというのは、その後、テレビで同様に統一協会問題で解説をするという機会が、殆どなかったように見受けられるからだ。
 
つまり、そのような解説は、もはや視聴率に影響しない話題となり、マスコミが取り上げなくなったからである。だから、

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ひとの痛みを

ひとの痛みを

当事者に、なれるわけがない。だのに、当事者のことを分かっているかのように、振舞うのは、失礼なことでもあるし、「ええかっこし」であるとも言える。
 
分かっているのではない。無力感に打ちのめされた、と言えば、自己中心であるに過ぎないかもしれないが、正直なところ、そう言うのが、一番言いたいことに沿うような気がする。
 
1995年1月17日、未明のあの揺れは、まず私が気づいた。カタカタカタカタ……それ

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宗教についてもっと考えて戴けたら

宗教についてもっと考えて戴けたら

捜査中の事件について、憶測をするつもりはないし、ましてそれを無責任に公言して、ひとを惑わすようなことはしたくない。事実と感想とを述べるという点をご理解戴きたい。
 
どうやら、若い世代のキリスト者や牧師などの中には、統一協会なるものをご存じない人も多いらしい。再臨のキリストという信仰による教祖により、強力な組織力をもったグループである。あれほどマスコミが騒いだ「合同結婚式」も、何のことか知らないの

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前提となるもの

前提となるもの

ひとが発言をするというのは、不思議なものだ。頭の中に構築したものをゆっくりと出す、という場合もあるが、たいていは、口に出しながら考えているものだ。だから、自分でもよくそんなことを考えていたな、と驚くようなことが、口を突いて出てくることもある。言ってみて初めて、そうなんだ、などと感心するようなことがあるのだ。
 
もちろん、その逆もある。あんなことを言わなければよかった、と後悔することもある。それの

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