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教会の問題

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キリスト教会はとても居心地のよいところです。でも、満点を期待してはいけないでしょう。たくさんの問題を抱えています。とくに内側にいると見えないものを、なんとか見ようとするひねた者が…
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2024年6月の記事一覧

Facebookだけではもったいない

Facebookだけではもったいない

Facebookに、忠実に投稿をする教会の牧師がいる。教会や自身の運営する行事の宣伝もあるし、少々おちゃらけた記事で楽しませてくれることもある。中には、きれいな花などの写真を掲げて、聖書の言葉や、それについての簡単な解説を、連日誠実にアップしている人もいる。いい記事が多い。伝道の目的であるのだと思う。聖書の言葉は、人を救うことができる。困難にある人や、道を求めている人に、光を投げかけ、立ち上がらせ

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閉鎖へ向かう教会とならないために

閉鎖へ向かう教会とならないために

キリスト教会が宗教法人として活動していくとき、この世の法律の下にあるわけで、それに従わなければならない。予算決算などの報告が必要となる。それがなければ、どんぶり勘定も可能であろうし、すべては神さまが与えてくださる、という信仰の中で伝道する人がいてもよいような気もする。昔はいたのではないだろうか。
 
ダビデ王は、国民の数を勘定して兵力を確認しようとしたが、それは神の前に大きな罪とされた。その上、そ

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知らないことに気づくために

知らないことに気づくために

坂本真綾さんのラジオ番組で聞いた。お店で瓶ビールを注文したとき、店員に「おちょこはいくつお持ちしますか?」と尋ねられたという。偶々何か言い間違えたのかと思っていたが、もちろん届いたのはジョッキであった。当の店員は、別のテーブルでも同じように言っていたそうだ。無粋だろうから敢えて説明はしないが、ビールを飲むために「お猪口」を使う人は、まずいないだろうと思う。
 
毎月テーマを決めて話題を募る番組で、

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『光かがやく未来へ』(千葉明徳・イーグレープ)

『光かがやく未来へ』(千葉明徳・イーグレープ)

本書を読み始めて、最初に言い様のない違和感に襲われた。目次はいいとして、最初に出会う文章が、「推薦のことば」であった。それが10頁もある。5人が寄せている。教会や保育園をつくったということで、大きな働きをした著者だということは分かる。だが、これほどの推薦文を冒頭に並べる本は、ちょっと記憶にない。
 
「はじめに」は「死刑囚からの手紙」であった。すでに回心した死刑囚が、著者を呼び、若い人たちに福音を

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『牧師、閉鎖病棟に入る。』(沼田和也・実業之日本社)

『牧師、閉鎖病棟に入る。』(沼田和也・実業之日本社)

本書を探した経緯がある。簡潔にいうと、心を病む牧師についての資料はないか、という探し方をした。本当は、精神的に病んだ牧師をどう扱うか、というキリスト教的な対処が知りたかった。あるいは、牧師が心を病まないようにするためにはどうすればよいか、という観点の予防について知りたかった。
 
ところが、そういう本が見当たらない。かなり検索を掛けたが、なかなか引っかかってこない。アメリカにはそうした専門のカウン

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