短歌の隣人

短歌ど素人の2人組、ひなとコト。 さまざまな作品を通じて考察し合う場を大切にしたいひな…

短歌の隣人

短歌ど素人の2人組、ひなとコト。 さまざまな作品を通じて考察し合う場を大切にしたいひな。 短歌に最近興味を持ち出し、良い歌を詠めるようになりたいコト。 そんな2人が短歌について学び、詠んでいきます。

記事一覧

歌を詠んで添削会!

前回まででひと通り、穂村弘さんの「短歌という爆弾」を読みまとめたので、勉強した知識を踏まえてアウトプットもやっていこうという試みです。 2人が1つずつ詠んだ短歌を…

短歌の隣人
4か月前
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第9回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫.

今回、さらっと終章と後書きをまとめて終わります! 終章 世界を覆す呪文を求めて p.284コト)著者は十歳まではその日暮らしで生きていて、〈自分〉というものに強い意…

短歌の隣人
5か月前
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第8回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫.

第7回の続き今回で「3 構造図」を終えます!!!!!!!!!!!!! どんな雪でもあなたはこわい p.245 ・「愛の希求の絶対性が、現実の愛の成就のビジョンを超越し…

短歌の隣人
7か月前
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第7回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫

前回(第6回)に引き続き、「3 構造図」を節ごとに解釈しながらまとめていきます。 液体糊がすきとおり立つ――入力と出力 p.195 ”入力”と”出力” 入力:外界を感受す…

短歌の隣人
7か月前
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第6回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫.

「2 設置法」は短歌について、というよりは短歌の実践方法について、なので飛ばします。 「3 構造図」は、節ごとの主張をまとめ、自分たちなりに解釈していきます。 特に…

短歌の隣人
8か月前
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第5回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫.

今回の読書会のページは、穂村弘がメールレッスンと称した短歌のレッスンを行なった際のやり取りが載っている。議事録では主に穂村弘のメールレッスンでの指導の要点を抜…

短歌の隣人
8か月前
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白帽の締め付け逃れても日光追いかけてくる ひとの気知らず(コト)

短歌の隣人
10か月前

第4回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫.

0 導火線――最高の爆弾作りをめざして p.7本書の構成: 【導火線】短歌に興味を持ってもらう(「心に火をつける p.11」)。 【製造法】「自分の想いをかたちにするための…

短歌の隣人
10か月前

第3回 短歌読書会――小島なお『乱反射』

第一回、二回と引き続き、今回も小島なおさんの『乱反射』の短歌読書会です。 (今回は2首取り上げましたが、一首目で自分なりに歌を詠んでみたりしたので、2首目の考察…

短歌の隣人
10か月前
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かじりかけのりんごあめと声がした そのあと下駄が鳴った気がした(ひな)

短歌の隣人
11か月前

人知れず 泣いた夜は数知れず
白くはためく 波のまにまに(コト)

短歌の隣人
11か月前
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第2回 短歌読書会――小島なお『乱反射』

コト選出頭韻 "o" ◻︎選んだ理由 単純に気に入ったから。 ◻︎感想 "も"が多い←頭韻?(:押韻法の一つ。語の頭に韻を踏むこと) 『十代にももどることはもうできな…

短歌の隣人
11か月前
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整理中 土産の栞 眺め入る われに微笑む 骨壺(コト)

夏の夜 いつもの道を逆走し 心拍と足速くなりゆく(ひな)

1

赤い腫れ 冷んやり突き刺す脇腹に 薬莢は見つからないまま(コト)

第1回 短歌読書会――小島なお『乱反射』

序文短歌読書会の最初に選んだ作品は小島なおさんの『乱反射』。 この作品を「やろう」とひなに持ちかけたのはコト。 コトがX(旧twitter)を徘徊していたところ、流れて…

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歌を詠んで添削会!

歌を詠んで添削会!

前回まででひと通り、穂村弘さんの「短歌という爆弾」を読みまとめたので、勉強した知識を踏まえてアウトプットもやっていこうという試みです。
2人が1つずつ詠んだ短歌を持ち寄って、2人で講評し添削していきます。
(タイトルなんか無いかなあ。笑)

まずはひなから。

コト)親知らずのことだろうなとは思った
第一印象はかたい。歌として(事実の描写だから?)
親知らずを抜いたんだなあとはわかるが、その人の感

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第9回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫.

第9回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫.


今回、さらっと終章と後書きをまとめて終わります!

終章 世界を覆す呪文を求めて p.284コト)著者は十歳まではその日暮らしで生きていて、〈自分〉というものに強い意識を向けていなかったけど、何かをきっかけに、〈自分〉という存在は今までやってきたことが今に繋がっていて、それがこの先未来に続いていきやがて死ぬということを認識してしまったということではないか。

「命」というものに対する理解

ひな

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第8回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫.

第8回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫.


第7回の続き今回で「3 構造図」を終えます!!!!!!!!!!!!!

どんな雪でもあなたはこわい p.245

・「愛の希求の絶対性が、現実の愛の成就のビジョンを超越してしまう結果」 p.246
・キーワード:
宙の知恵の輪(「宙に浮かんだまま永遠に解けない知恵の輪」p.245)
=愛の希求の絶対性
・知恵の輪の強度がはっきりと示されない限り、その歌人が何を重視しているのかが分からない(ので、

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第7回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫

第7回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫

前回(第6回)に引き続き、「3 構造図」を節ごとに解釈しながらまとめていきます。

液体糊がすきとおり立つ――入力と出力 p.195

”入力”と”出力”
入力:外界を感受すること(感受)
詠うべき対象をどのように捉えるか
ex.見る
短歌を読み慣れていない人にもその魅力が理解しやすい

出力:感受したものを実際に言葉で表現すること(表出)
捉えた対象をどのように詠うか
ex.言葉で写す
ある程度

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第6回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫.

第6回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫.


「2 設置法」は短歌について、というよりは短歌の実践方法について、なので飛ばします。

「3 構造図」は、節ごとの主張をまとめ、自分たちなりに解釈していきます。
特に断りがない場合は引用先は全て、穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫です。

3 構造図――衝撃と感動はどこからやってくるのか 麦わら帽子のへこみ――共感と驚異 p.140

短歌が人を感動させるために必要な要素:共感と驚異

共感 「

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第5回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫.

第5回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫.


今回の読書会のページは、穂村弘がメールレッスンと称した短歌のレッスンを行なった際のやり取りが載っている。議事録では主に穂村弘のメールレッスンでの指導の要点を抜粋していく。

1 製造法――「想い」を形にするためのレッスン穂村弘(2021)『短歌という爆弾』小学館文庫より(以下引用元省略)

メールレッスン 1999、くそ暑い夏にはじまる 穂村弘×神谷きよみ(p54)

レッスン1:手をつなぎ井戸

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白帽の締め付け逃れても日光追いかけてくる ひとの気知らず(コト)

第4回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫.

第4回 短歌読書会――穂村弘『短歌という爆弾』小学館文庫.


0 導火線――最高の爆弾作りをめざして p.7本書の構成:
【導火線】短歌に興味を持ってもらう(「心に火をつける p.11」)。
【製造法】「自分の想いをかたちにするための具体的なレッスン p.11」を行う。
【設置法】自分の短歌について発表する場を説明する。
【構造図】短歌の魅力、魅力ある短歌の中身についての分析をする。

1 製造法――「想い」を形にするためのレッスン ディスカッション 謎の

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第3回 短歌読書会――小島なお『乱反射』

第3回 短歌読書会――小島なお『乱反射』

第一回、二回と引き続き、今回も小島なおさんの『乱反射』の短歌読書会です。
(今回は2首取り上げましたが、一首目で自分なりに歌を詠んでみたりしたので、2首目の考察は少なくなりました。)

【1首目】 "窓という窓"○窓という窓
ひな:なぜここで繰り返し表現(強調表現)を使うのか?
コト:あまり表現として違和感はない。

コト:ではもし別の表現であればどういう表現にするか。
ひな:「ぶらんこのゆれいる

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かじりかけのりんごあめと声がした そのあと下駄が鳴った気がした(ひな)

人知れず 泣いた夜は数知れず
白くはためく 波のまにまに(コト)

第2回 短歌読書会――小島なお『乱反射』

第2回 短歌読書会――小島なお『乱反射』



コト選出頭韻 "o"

◻︎選んだ理由

単純に気に入ったから。

◻︎感想

"も"が多い←頭韻?(:押韻法の一つ。語の頭に韻を踏むこと)
『十代にももどることはもうできないがもどらなくていい濃(こ)い夏の影』…母音の"o"が続く。音が良い

夏っぽく感じられる(夏という文字が入れられているのを抜きにしても):なぜ夏っぽいか→影の濃さ、情緒的

20代の話

"濃い"…「思い出」も "強い"

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整理中 土産の栞 眺め入る われに微笑む 骨壺(コト)

夏の夜 いつもの道を逆走し 心拍と足速くなりゆく(ひな)

赤い腫れ 冷んやり突き刺す脇腹に 薬莢は見つからないまま(コト)

第1回 短歌読書会――小島なお『乱反射』

第1回 短歌読書会――小島なお『乱反射』

序文短歌読書会の最初に選んだ作品は小島なおさんの『乱反射』。

この作品を「やろう」とひなに持ちかけたのはコト。

コトがX(旧twitter)を徘徊していたところ、流れてきた本歌集の情報。
ストレートな口調とまっすぐな感受性に心惹かれ、難解でないところが短歌初心者の私たちにはぴったりなのではないかと思い、選書。

本歌集の読書会は、今回含め3回〜4回になる予定です。
それぞれ気になった歌とその理

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