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誰かに話したくなる語彙や雑学マガジン

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2021年5月の記事一覧

「自虐」ハラスメントってのもあるかもね

「自虐」ハラスメントってのもあるかもね

課長/女28歳「おっさん、契約も取れてないのによくぞぬくぬく休憩なんぞしてられるわね」
平社員/男42歳「は、はいぃ」

アウトである。

昨今のパワハラ市場は如何せんインフレ気味で、どっからアウトでどっからセーフがわからなくなってきた。とは言え、これはもはやデットボールのアウトである。

部長/男53歳「ゆみちゃん、ちょっと、エクセルのマクロ作って欲しいから残業おねがいね」
事務員/女31歳「え

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「人脈」という言葉と言語感覚

「人脈」という言葉と言語感覚

「人脈の広げ方」

みたいな言葉を見聞きすると、一定量の負の感情が沸きます。
これはもう反射神経みたいなもんで。人脈を躍起になって広げようとしている人と触れた今までの経験からくるということもそうですし、自分自身、ただ何かしらの功名心、あるいは利己心から有名な人とつながりたいって思っていた時期があったこともさながらですし。

この記事を見てふと「人脈」という言葉に触れた時の感覚を思い出したんですよ。

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「なるはや」、できすぐ、ほぼほぼ、いまいま

「なるはや」、できすぐ、ほぼほぼ、いまいま

「なるはや」で頼むわ。

って初めて言われたのはたぶん、Web制作案件に携わるようになって程ない頃だったと思う。

おっ、きたな何かよくわからん短縮のやつ!

文脈から意味は取れたので聞き返しもせず受け取りつつ、新しい出会いによる嬉しさが込み上げたように記憶している。

Web関連での業界用語なんかなーって思いつつも、リクルート出身の人も良く使うって聞いたことがあるので、まーまーそれなりに、業種問

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「矛先」の向き先。カラオケするな!って確認書を書かせた大学の話

「矛先」の向き先。カラオケするな!って確認書を書かせた大学の話

少し前の話なのですが、三重大学が学生に「会食しません」「カラオケしません」という誓約書(のちに確認書にしたよーって方針転換)を書かせたということで記事になっていまして。

これ

学校やりすぎやんけ!
学校に学生の私権を制限する権利はねーぜ!

みたいな世論がちらほらあったんですよね。
例えば、以下のようなtweet。

「私的活動の制約をうながすのは筋違い」と。確かに言わんとすることは分かるんで

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隣の「花」が赤いんだっけ。

隣の「花」が赤いんだっけ。

「隣の花は赤い」

何や一瞬「隣の芝は青い」のパロディかと思いきや。
あるんですね、そういうのも。

隣の花は赤い
他人のものは何でもよく見えて、うらやましく思うことのたとえ。 また、他人の持つ珍しいものをすぐに欲しがることのたとえ。
http://kotowaza-allguide.com/to/tonarinohanawaakai.html

隣の芝は青い
自分のものより、他人のもののほうが良

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「させていただく」談義

「させていただく」談義

「させていただく」って使い方難しい。
検索すると悩ましさの苦渋がじわりとにじみ倒している訳です。

仕事でお客さんにメールを送るときなんかに、よく使うんですよね。

・拝見させていただきます。
・不具合により、仕様を変更させていただきます。
・こちらの資料をお送りさせていただきます。

みたいな。
どれもちょっと違和感ありますよね。でも、何が違和感を生んでいるかって適切に説明するのは難しい。だから

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「なるほどですね」って言いやすいですよね

「なるほどですね」って言いやすいですよね

なんか、たぶん間違った使い方なんだろうな。
ってことくらいほぼほぼ使っている人がわかっているんですよね、これ。

「なるほどですね」

これはもはや、ここまで浸透しているなら誤用ではなくて、そういう言葉として定着しつつあるんだよって。そういう誤用の定着ってたくさんあるので、これもその一つになるのかもしれないなって感じています。

「なるほどですね」って相槌として使いやすいんですね。

言い換えには

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割と大事な「モチベーションショート」の話

割と大事な「モチベーションショート」の話

新規事業を立ち上げてそれを続ける上で大切なことって資金が続くことだよねーってのは想像に易い話で。資金ショートしないようにー、なんて言い回しをよく聞く。

事業立ち上げ当初って売り上げや利益が出にくいから、黒字になるまで続けるための資金が続くか否かってとても重要。

それ以外にも気にかけるべき要素はたくさんあるのだけれど、必ず頭においておかなくてはならなくて、忘れがちな事がこれ。

モチベーションシ

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象は鼻が長い。「主語」どれ問題

象は鼻が長い。「主語」どれ問題

「象は鼻が長い」
「私はうなぎだ」
「こんにゃくは太らない」

どこかで見聞きしたことのある人も多いだろうし、検索すればうなるほど説明が出てくる三つの文。文法学でも注目されていて、ちょっと噛み砕くと「?」ってクエスチョンが出てくる興味深いトピックスである。

物凄くかいつまむと…

「象は鼻が長い」
主語どれ?問題。
「は」、「が」とつくと、主語ってならったよね?
象は、長いの?
鼻が、長いの?

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「愛=善/憎=悪」ではないよねって話

「愛=善/憎=悪」ではないよねって話

「愛してその悪を知り憎みてその善を知る」

この諺を知った時、自身の胸に手を当てたものです。
愛している相手の「悪」を冷静に受け止められるか。また、憎んでいる相手の「善」を適切に良いものとして評価することができるか。

前者は比較的上手くできるという自負があるのだけれど、後者がね、たまに上手くできないように感じている。

憎い相手だからと言って、その人の考え方、意見がすべて間違っている訳でもないし

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「歌」はもう終わった?

「歌」はもう終わった?

「歌はもう終わった。しかしメロディーは鳴り響いている」

村上春樹の「羊をめぐる冒険」での一節。

これはもう初めて読んだ10代の頃から、ずっとずっと頭に残っている。
歌謡曲なんかで、美味しい歌詞の部分は終わって最後のメロディーのところが流れている感じ。

その良いところはもう終わったし、もう聞き飛ばしてもいいし。
でも曲の最後までメロディーは流れ続けている。

もっと言うと、我々はなんだかんだ青

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中2病的な感じで使ってた「草々」

中2病的な感じで使ってた「草々」

拝啓、敬具

って中学位で習ったのかな。
その後なんだったかの小説、おそらく村上春樹か、村上龍か、山田詠美か…そのあたりを好き好んで読んでいたので、どれかの作中で仕入れた知識がこれ。

前略、草々

とりあえず手紙でしたためましたよーって、形式張らないやり取りに使う頭語と結語。小説から仕入れたって高揚感から来る中2病の亜種みたいな感じで、この「草々」って言い回しがかっこいいと思ってたんですよね。友

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「慶弔」って読めなかった入社時研修

「慶弔」って読めなかった入社時研修

社会人になって間もない頃、入社時研修を受けていた時に「何か質問ないですか?」みたいなことを聞かれて、誰も手を上げなくて。「じゃあ、君」みたいにしてあてられたんですよね。特に聞きたいこともなかったんですけども、「ありません」なんて芸もないなーなんて思いながら、必死に返した質問がこれでした。

「この、”慶なんとか休暇”って書いている”慶なんとか”って何と読むのですか?」

ややウケでした。

研修を

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「自分らしさ」って英語あるかね

「自分らしさ」って英語あるかね

Authenticity

自分らしさって英語でなんというのだろうってちらほら見ていた時にたどり着いた語彙。全くの同義ではないのだろうけれど、そういう訳語で採用している論文がちらほら。

自分らしさってなんだろうって提起はそこかしこに見受けられて、青い鳥を探す感じで路頭に迷ってしまいそうで目を覆う。例えばこの論文のP23からすると、自分らしさを大きく以下3つに分類している。

■自己の構成要素

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