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2023年5月の記事一覧

成功は運か努力か才能か?についての考察

成功は運か努力か才能か?についての考察

「人生は運ゲーに過ぎないのか?」「運ゲーだとしたら攻略法はあるのか?」というテーマをここ数年ずっと考えていて、自分なりに納得できたので備忘録として書き残しておこうと思う。

今の時代に「努力は報われる」といった話を素直に信じることはできないのは明白だが、分不相応な夢は描かないほうが良いという雰囲気もある。

そこで、昔から続く「成功は運か努力か才能か?」という疑問に対する考えをまとめてみることにし

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#048 J.S.Bachに見る「仕事の量と質」

プロの音楽家に「世界で一番いい曲はなんですか?」と聞けば、少なくない人が「それはマタイ受難曲だろう」と答えるのではないかと思います。作曲家の武満徹は毎朝、作曲の仕事に取り掛かる際にマタイ受難曲の終曲をピアノで弾いていたそうですし、坂本龍一さんも自分のお子さんに「これが世界で一番いい曲だよ」と説明してマタイ受難曲を聴かせていた、という話を以前に聞いたことがあります。僕自身も「最も好きな作曲家を挙げろ

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#046 「努力は報われる」という考え方はなぜ危険か?

日の当たらない場所であっても、地道に誠実に努力すれば、いつかきっと報われる、という考え方をする人は少なくありません。つまり「世界は公正であるべきだし、実際にそうだ」と考える人です。

このような世界観を、社会心理学では「公正世界仮説」と呼びます。公正世界仮説を始めて提唱したのが、正義感の研究で先駆的な業績を上げたメルビン・ラーナーでした。

公正世界仮説の持ち主は、「世の中というのは、頑張っている

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「遅咲きの偉人」に夢を見るな【キンコン西野】

「遅咲きの偉人」に夢を見るな【キンコン西野】

 
 

1日でも早く学び、1日でも早く勝て 
今日も最新刊『夢と金』の深掘りをしていきたいと思います。
 
今日は少し耳の痛い内容になりますが、312ページの「1日でも早く学び、1日でも早く勝て」をピックアップ。
 
ここでは、『20代で生まれた差は、一生埋まらない』と書いているんですね。
 
これ、ガツンとくらった人が少なくないと思います。
 
「20代で生まれてしまった差が何故埋まらないのか

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#045 組織・社会が劣化する構造的要因について

こんにちは。今日はアムステルダムまで来ています。昨日の夜中についていま朝の7時。これ書き終わったら朝食食べます。組織と社会の劣化要因について少し考えたことを。

歴史家のチャールズ・P・キンドルバーガーは、彼の著書「経済大国興亡史」において、ポルトガルやスペインなどの大国が衰退した理由の一つとして「社会的な新陳代謝の停滞」を挙げています。権益が既得化して社会システムの上位にある人がこれを独占するよ

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ChatGPTの事業を作るときに、それは「焼肉くらい求められているか」と考えるとか

ChatGPTの事業を作るときに、それは「焼肉くらい求められているか」と考えるとか

こんにちは!

今日、投資家の人と話していて、たしかになー!と思ったことがあるので共有します。

昨日の引き続き「ChatGPTを使って事業をつくりたいんだけど?」というのに使えるかなーと思って書いてみました。

それは「飲食店をやるときに、めちゃくちゃに個性的なものを出すところよりも、焼肉みたいに人気があるものを提供し、そのやり方とかを変えたほうがいいケースってあるよね」ということです。

結論

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#037 「役に立つ」から「意味がある」への価値シフト

記事タイトルにある『「役に立つ」から「意味がある」』という提言を最初に明確な形で提出したのは、2019年に上梓した著書「ニュータイプの時代」においてでした。思い出してみれば、このアイデア、仕事をサボって夕方にバーにいった時に「なんでバーの酒類はこんなにあるんだ?」という問いに答えを出そうとして思いついたんですけど、その話はまた別のタイミングで。

「役に立つ」と「意味がある」

このメッセージはい

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「楽しんでやりながら数字を達成したい」なんて思わないほうがいい

「楽しんでやりながら数字を達成したい」なんて思わないほうがいい

こんにちは!

今日、Twitterのサブスクのほうで「Twitterを楽しみながら、もっと多くの人に見られるようになるにはどうしたらいいのか?」というのを質問されました。

これを見て、「なんか最近、楽しみながら、という条件が必須になっている人いるな?」と思ったので、ちょっと書いてみます!

結論結論からいうと、最初から「投稿を楽しみながら数字を達成していこう」みたいに思っていると失敗しやすいん

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#033 「信じ、待つ」ことの大事さ

三人の子供を育てるという幸運に恵まれ、その過程においてさまざまなことを感じ、学んできましたが、なかでも自分にとってあらためて大事だと考えさせられたのが「信じ、待つ」ことの重大さです。今回の記事では心理学における知見「マタイ効果」の説明とあわせて、この「信じ、待つ」ことの大事さについて考えてみたいと思います。

どのようにすればアタマの良い子、運動のよくできる子を産めるか、あるいは育てられるか、とい

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才能を発揮して成功するとは?という点についてのあれこれ

才能を発揮して成功するとは?という点についてのあれこれ

こんにちは!GW明けでお久しぶりです!

というわけで今日は「才能がある人というのはいったい全体、どういう人のことなのか?」ということについて、最近つらつらと考えていたので、それについて共有します!

才能がある=はじめからできる人ではない才能がある人とは何か?というのを考えたときに、マンガとかでいうと「はじめてやったときから、すごい才能を発揮してめっちゃすごい」みたいな感じで描かれることが多いと

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#026 自分のBが自分の悩みを生み出す

自分のBが悩みを生み出す

ある学生が単位不足で留年することになった(出来事)。そして抑鬱状態になってしまった(結果)。するといかにも「留年した」という出来事(=Activating eventの頭文字をとってAとする)が抑鬱状態という結果(=Consequence=の頭文字をとってCとする)を招いたように見えますね。

しかし本当はそうではないわけです。「大学は四年で卒業すべきである」とか「留年

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#025 「いいヤツ」は合理的戦略である

キャリアにおける「縁」の重要性を科学的に明らかにしたのはスタンフォード大学の教育心理学者、ジョン・クランボルツでした。彼は「成功する人は、いったいどうやってキャリアを築いたのか」という、誰もがその答えを知りたがるであろう問いを立て、それを研究によって明らかにしました。

結果、わかったのは「成功者のキャリアの80%は偶然によって決定されている」という衝撃的な事実でした。当初の計画通りにキャリアを積

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#022 キャリアの滑落死を避けるための三つのポイント

キャリアはよく登山になぞらえられて語られます。では、登山において最も重要視されるのは何でしょうか。それは「生きて帰る」こと。これに尽きます。ところが、キャリアに関する論考の多くは「いかに速く登るか」、「いかに高く登るか」といった論点にフォーカスするばかりで、肝心かなめの「いかに生きて帰るか」「いかに滑落を防ぐか」といった論点がなおざりにされている感があります。

僕は前著の「仕事選びのアートとサイ

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