- 運営しているクリエイター
#京都
茶道論「分限論」 —江戸時代—
「分限論」とは 異風を良しとした戦国的茶の湯が世の非難を浴びるとき、すなわち近世的な茶道の成立である。異風に包まれる芸能性の否定と理論を茶道に付与する。いわゆる分限論である。
分限論とは封建社会の基本的な秩序の思想で、人はみな、それぞれ己の分限をもち、その分限を守ることが生き方として最も重要視される思想である。
世間では、利休が町人の分限を忘れて天下人の側近となった結果、罰せられたとし、織部
茶道論「茶禅一味論」① —安土桃山時代—
「茶禅一味論」とは一休宗純、村田珠光、武野紹鴎、千利休、千宗旦の時代という茶道草創期。安土桃山時代から江戸初期にかけてのこと。
茶禅一味の背景
・中世の文化全体が宗教の大きな影響下にあった。
・仏教、とりわけ禅宗が芸文の世界の人々から精神的支柱として求められた。
中世の文化は宗教の力を借りて社会的に顕現したのである。芸能者が自らの芸のために演じ、興行をうつことはできず、神社仏閣の権威・権力に