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雨奈川ひるる | 短編小説
2022年12月2日 19:30
「おい少年、夜更けになにしてるの?少年は寝る時間じゃないの?」公園のベンチで座る僕に女の人が言ってきた。「散歩をして、疲れたから休んでます。」「ヘぇ〜そう、夜更けに散歩なんて洒落てるじゃない。」女の人は酒の匂いがする。 僕は人に絡まれるのは嫌だから公園を去ろうとした。「ちょい待ち〜どこ行くの?帰るのかい?」「はい帰ります。少年は寝る時間なので。」僕は少し皮肉を込めて言った。
2022年11月25日 21:16
人というのは面白い生き物だ。 罵倒や人格否定をするパワハラ上司やSNSで匿名で誹謗中傷してくる奴の言葉を聞いて落ち込む奴もいる。パワハラ上司や匿名で誹謗中傷する卑怯な奴の言葉など無視をすればいいのに耳を傾けてしまうそれが人の性なんだろう。これは子供や大人の社会でも起こる。 子供の場合は大人以上に罵倒する奴の言葉に耳を傾けてしまう。俺のクラスの生徒たちもそうだ。俺は中学校三年生の教師を勤め
2022年11月27日 21:02
僕は海へ行きたい青く輝く海を見たい。「お母さん明日、海に行こうよ。」僕はお母さんに海を連れてってもらおうとお願いした。「ごめんお母さん土日は仕事が入っちゃったから行けないのお父さんに連れてってもらって。」お母さんには断られた。「お父さん明日、海に行こうよ。」お父さんにお願いした。「ごめんお父さんも仕事があるから無理なんだ。」お父さんにも断られた。 海が見たい綺麗な海がどうして
2022年11月21日 22:17
僕は今、学校に行くか、行かないか、迷っている。「少年、学校が嫌だったら行かなくてもいいんだよ。」こう話してくるのは、お隣の僕より背が低い美人漫画家アルカさんは、それ程有名な漫画家ではないけど漫画家としては食べていけるくらいの収入はあるそうだ。「学校はね立派な会社に勤めたいなら行くべき場所だよ。でもね、君みたいな少し人とは違う事をやりたい人にとっては、とても窮屈な場所だよ。君はSF小説を書き
2022年11月13日 18:32
僕は曇天下の高さ一〇メートルの飛び込み台の上にいる。「ねぇ〜まだ飛ばないの?」ほのかさんが背後から呆れ声で言う。「いや、だって思ったよりも高くて……」僕がそう言うと、ほのかさんがフェンスに寄り、座り込んだ。「あんたが飛び込み台から飛びたいって言うから、わざわざ付き合ってるのに、全然飛ばないじゃん」またしても、ほのかさんが呆れ声で言う。足がすくむ、いくら下が水だからといっても高さ一〇