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土竜のひとりごと

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エッセイです。日々考えること、共有したい笑い話、生徒へのメッセージなどを書き綴っています。
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#言葉

「とみに」ってなに?

「とみに」ってなに?

先日、部活動の引率でテニスの試合に行った時、女子生徒と他の選手の試合を見ながら、「あの選手は派手さはないが、プレーにそつがない。見習わないといけないね」と言ったら、生徒にきょとんとされた。「そつがない」という言葉が未知との遭遇であったらしい。
同じ日、試合を終えたペアがアドバイスを聞きに来たので、あるミスを指摘し「君たちは最近そのミスがとみに多くなった」と言ったところ、二人はアドバイスの内容などそ

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もやもや考える

もやもや考える

バイク飛ばす国道は雨すぶ濡れの顔が体が闇にめり込む

定年前まで980ccのバイクであちこち走った。何年か前からは日本一周一筆書きを目指し、距離を稼ぐために朝から夜まで海岸線をひたすら走った。いつも片方は海、片方は山、どんなに有名な観光地があっても基本は立ち寄らないみたいな走り方で。
冒頭の短歌はその頃の歌。暗い夜の雨の中、海岸沿いの道を飛ばす。その時の、まるで闇の中に身体が減り込んでいくような感

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ALPS処理水

ALPS処理水

家の近くにこんなごく小さな橋がある。家と家の間にある幅1メートルくらいの二歩も歩けば越えられる小さな橋で、川自体の幅は30センチくらいだろうか。でも川幅に似合わず大きな字で、ちゃんと名前のプレートが付けられていて(この写真では左側の白く見える部分)そこには「東西橋」と書かれている。

別の橋だが、何年か前に家のすぐそばの橋に市役所の車がやってきて、橋に小さなプレートをつけて行った。これも幅2メート

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陰翳礼讃という迷路

陰翳礼讃という迷路

「陰影礼賛」は名著である。

ところがどっこい、授業でこの名著を扱うと生徒は一読、?(はてなマーク)になってしまう。
鴎外の「舞姫」の冒頭「石炭をばはや積み果てつ」などもそうだが、「明治は?遠くなりにけり」である。もはや、近代文豪の作品も彼ら彼女らにとっては遠い過去の「古典」でしかない。
谷崎もほとんど読まれなくなり、その名前を知っているかどうかも怪しい。

■だいたい、字が読めない。

のっけか

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思い込み

思い込み

以前、東京に一泊の出張した時、電車で行けばいいものを車で行き、ホテルの駐車場に車高が高くて入らず、近くの安いコインパーキングを紹介された。
「1日最大で1400円ですから」と言われ、
駐車場に行ってみると、確かに
「24時間1400円」と書いてあった。

2日で2800円。

まあ仕方ないと入庫。しかし二日目の夕方、清算すると、なんと7800円(くらいだったと思う)の請求金額が示された。「そんなは

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第12話:忍者の友達は何人?

第12話:忍者の友達は何人?

もう40年前の話であるので、そのつもりで聞いていただきたいのだが、アメリカとカナダに行ったとき、付き添ってくれたカナダ在住の若い女性がカナダで日本のテレビ番組が放映されていて結構に人気があると言っていた。
みなしごハッチだとかメルモちゃんだとかいう僕などが子供のころのアニメとか、へぇーという感じもするが水戸黄門などはかなりの人気を集めているということであった。

彼女が言うには、日本の番組を観られ

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