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短歌・詩・俳句

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短歌・詩・猫を中心とした川柳などを掲載しています。
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2021年3月の記事一覧

駄句にて失礼

駄句にて失礼

[ 川柳:総務省 ]

七万円のご飯ってどんな味だろう

取り締まれ!アルソックならぬソンタック

卒業

卒業

「まおまおー」

H君の当番日誌はいつもたったひと言

5目7日 「だあー」
6目20日 「みゃー」
10月8日 「だおー」
11月25日 「まおまおー」
1月30日 「にゃむー」

恐ろしいほどの意味不明
まったく途方もない「無意味」である

しかし僕は
毎回これらの意味不明に付き合いながら
いつしか次をひそかに期待している自分に
気が付いたりもした
そして、「まおまおー」を見るにいたって
稲妻

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春のさみどり

春のさみどり

[ 性の心象 ]

触るるとき その身の琴を響かせて をみなといへる 春のさみどり

俺の過剰

俺の過剰

海つよく臭へば海を見やりたり 俺の過剰をどうすればいい

数千の耳

数千の耳

[ 性の心象 ]

数千の耳 闇の野にひらかれて 余さず愛は聴かれてゐたり

PREMIUM MALT'S

PREMIUM MALT'S

[ 戯れ歌 ]

PREMIUM MALT'Sを買って帰る日は なんにもしない。グーダラしたい。

酒飲めば書棚の猫や狸、豚、踊り出だせる春の夜は夢。

酒は嫌いではないが、
さほど強くはない。
さほど好きなわけでもなかった。

ところが、この10数年
毎晩、酒を飲むようになった。
あることがあった。
あることとは秘密なのだが、無論、失恋ではない。
その日以来、僕は酒を飲んで
今日を忘れなければ眠

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ほろほろと酒に飲まれて

ほろほろと酒に飲まれて

[ 酒 ]

三半規管に梟の来て鳴く夜をほろほろと酒に飲まれてゐたり

広重の雨

広重の雨

[ 鬱の心象 ]

驟雨いま晩夏の街を白く打ち すばやく耳ゆ すべり入る鬱

広重の雨 その明確な直線の 鋭く鬱は さし迫りにき

今回は激しい「鬱」を詠んでみました。
夏の終わりに 突然の驟雨がアスファルトを叩きつけている。
忽然と胸に走った緊張と、押しつぶされるような圧迫感。
なぜ不安なのだろう。
わかるわけもないのに、どうしても、そう問うてしまう。

二首目も同じ趣。
広重のイメージを借りて

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海月

海月

生きるとは ただ漂ふてゐるだけの ふはりふはりと ふはりと海月

はざまを生きる違和感

はざまを生きる違和感

掌のうちにちひさき闇をあたためて組織に生きる日々こそ流離

性の心象

性の心象

[ 性の心象 ]

すずやかになめらかにゆく月の川 身に流す野を をみなといへり

手で 足で 胸で 頭で 下にゐる 君の孤独を感じてゐたり

鬱の心象

鬱の心象

[ 鬱の心象 ]

とりとめもなくなつかしい手触りのたとへば耳たぶのやうだ 鬱は

ふわりⅡ

ふわりⅡ

寂しさもふわりふわりとあたたかく もぐらが海を見ていそうな日

広い意味では「春の海ひねもすのたりのたりかな」蕪村♪ の本歌取りと言ったところでしょうか。

のんびりゆったりした春のふわっとした空想。「もぐらが海を見ている」そんなこともあるかもしれない・・と。