広重の雨
[ 鬱の心象 ]
驟雨いま晩夏の街を白く打ち すばやく耳ゆ すべり入る鬱
広重の雨 その明確な直線の 鋭く鬱は さし迫りにき
今回は激しい「鬱」を詠んでみました。
夏の終わりに 突然の驟雨がアスファルトを叩きつけている。
忽然と胸に走った緊張と、押しつぶされるような圧迫感。
なぜ不安なのだろう。
わかるわけもないのに、どうしても、そう問うてしまう。
二首目も同じ趣。
広重のイメージを借りて、それを序詞とし、「うつ」という掛詞で「鬱」につなげてみたものです。
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