マガジンのカバー画像

【コラム】南チロルの風

17
2003年から南チロルでソムリエとして働いているマサがサービス業を通じて気付きや考え方をコラムにしています。
運営しているクリエイター

2020年4月の記事一覧

【南チロルの風】コラム5で紹介したワインの案内

【南チロルの風】コラム5で紹介したワインの案内

ドルチェット・ダルバ ルチアーノ・サンドローネ
「もし無人島に1本のワインを持っていくとすれば、ドルチェットを持っていくだろう」ピエモンテ州の有名な醸造家の言葉です。

果実味豊かでフレッシュな味わい、しかも幅広い料理やチーズに合わせやすいワインを作るこのブドウは、ピエモンテ州を中心に北イタリアで栽培されています。
 

ところでこの名前、「ドルチェット」。

一見甘いワインかと思ってしまう名前で

もっとみる

【コラム】南チロルの風:5



レストランという舞台へ初日の営業、こんな日本人の若造が蝶ネクタイで黒服を着させてもらいサービスさせてくれるなど誰が想像したでしょう。

通常日本で黒服を着たサービスマンは経験も知識もあり、なによりお客様からの信頼があって初めて着ることのできるあこがれの服と僕の中では解釈していました。

そんな状況でドキドキしながらお客さんのいるホールへ向かう心境は、まるで演劇の舞台へ向かう役者と同じような感覚

もっとみる

【コラム】南チロルの風:4



不安な気持ちと闘う時は2000年4月、ミラノからブレッシアに向かう電車の中。

時間は夜の8時過ぎ、電車から見える町並はオレンジ色の街灯が連なっているものの景色も雰囲気も暗く、マサ少年は座席にも座らずコンパートメント横の廊下でスーツケースにもたれていました。

以前に2回ほど行ったことのある場所だったのですが、今回ほど心細く思ったのは、小さい頃連れて行かされたスイミングスクールの初日以来でした

もっとみる
【南チロルの風】コラム3に紹介したワインの案内

【南チロルの風】コラム3に紹介したワインの案内

トスカーナだけでなくイタリア全土、および他国にもワイナリーを持つアンティノリ社は、創業1385年。

フィレンツェで小さなワイン生産者組合を作ったところから始まります。

その600年以上の歴史と伝統を元にイタリアワインの第一人者として新しい風をトスカーナに送り込んだ生産者でもあります。

スーパートスカーナ誕生のきっかけを作ったワイン、ティニャネッロ、そしてその兄弟分ソライアがそのきっかけです。

もっとみる

【コラム】南チロルの風:3



【南チロルの風 Il Vento dell’Alto Adige 3】

イタリア。ここには僕に大きな影響を及ぼしたあるワインとある人の存在潜んでいたのです。

そのワインとその人が僕をイタリアに連れてきたといっても過言ではありません。

イタリアにくるキッカケのワインスイスに住んで半年近く経ったある時期に、トスカーナ州のフィレンツェへ出かけました。

アンティノリ(Antinori)というワ

もっとみる

【コラム】南チロルの風:2

【Il Vento dell’Alto Adige 南チロルの風】

【南チロルまでの道のり(ホテルスクール編)】もともと僕はホテルマンを目指す千葉の片田舎の若造で、ホテル専門学生のときにある有名なソムリエと出会ったことから始まります。

その方とお話がしたくて、毎日小まめに挨拶をして、ある日勇気を出して告白をしました。

「三宅さん、ソムリエになるためにはどのような勉強をしたらいいでしょうか?」

もっとみる

【コラム】南チロルの風:1

【Il Vento dell’Alto Adige 南チロルの風】

このコラムを書き始める前に僕はここ南チロル地方(イタリア語別名アルト・アディジェ州)に来て18年目を迎えようとしています。

オーストリアとスイスに面した北イタリア。

そこは山に囲まれ、整備された落ち着いた街並、そしてのどかな風景。

常用語はイタリアだけど『ドイツ語』。

ここ南チロルは渓谷で形成されたアルプス山脈の麓にある

もっとみる