【コラム】南チロルの風:2

【Il Vento dell’Alto Adige 南チロルの風】

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【南チロルまでの道のり(ホテルスクール編)】

もともと僕はホテルマンを目指す千葉の片田舎の若造で、ホテル専門学生のときにある有名なソムリエと出会ったことから始まります。

その方とお話がしたくて、毎日小まめに挨拶をして、ある日勇気を出して告白をしました。

「三宅さん、ソムリエになるためにはどのような勉強をしたらいいでしょうか?」

当時研修先でもあった東京プリンスホテル。

三宅俊彦シェフソムリエ(現在は高輪にあるラ・ロマネのオーナーソムリエ)はちょうど仕事を終えて帰るところで、僕はルームサービス係で料理を持っていくところ。

どこぞの知らない研修生が三宅ソムリエに話しかけるなんて、滅相もないことでした。

しかし当時19歳という未熟な私は、ただ三宅ソムリエの人柄が好きで、彼のようになりたい、ただその一心で告白しにいたったわけです。

僕はあのエレベーターホールの出来事を一生忘れません。

告白した後にデリバリーした部屋からチップをもらったことも忘れませんw


後日、三宅ソムリエは夜勤明けの僕を呼んで、丁寧に「この本と問題集を買って自分のワインノートを作りなさい」とアドバイスしてくれました。

絶対に絶対に忘れられません。

【南チロルまでの道のり(スイス編)】

そのアドバイスをいただいたワインのノートを作る舞台が、専門学校卒業後に行ったスイスです。

スイスでは、その1年後に行くイタリアのすばらしさに気付くかけがえのない想い出の場所となります。
僕の通っていた都内の専門学校には、卒業後1年間、提携しているスイスのホテルで働かせてくれるというプログラムがあり、僕はその試験に運よく受かることができたした。

もとは、自分自身のサービスという仕事を海外で試してみたかった、勉強したかったというのが本来のコンセプトなのですが、まさか自分が受かるとは思ってもいませんでした。
スイスに行って何をしたかといえば、日本食レストランのウエイター!

寿司や刺身、味噌汁から日本のビール、鉄板焼きで使う専用のソースや食後のお絞りなど、日本の色々なものを外国人の上司に教わりながら、お客様にサービスする仕事でした。

「これがサービスの勉強!?スイスまで来て!?」とはじめは戸惑いました。無理もありません。

わざわざ日本人を雇って高級フレンチ・メインダイニングで働かせるわけはありませんよね。

たまたまそのホテルのオーナーが日本食好きで、コックさんを含め多くの日本人を雇い、和食レストランを経営する人だったのです。

そして前年度の先輩の話を聞いてすぐ気持ちを切り替えました。

自分のための勉強は、自分で計画して作り上げなければならない

先輩達の話はこうです。

「ここは仕事も楽で、お給料も程よくもらえて、休みもいっぱいある。俺ももう1年間いたいなー」。
先輩達には本当に感謝をしていますし、彼らがいなければ今の自分はないということも理解しています。

でも彼らとは違った生活をしていこうと思ったのも事実。

認識したことは、スイスに居られる1年間は学校が敷いてくれたレールの上を歩くようなもの。

1年後は自分で自分のレールを敷かければいけない。

タイムリミットまであと11ヶ月!

サービスを含めた色々な勉強は何処でもできる。自分の気の持ちよう

僕がまず取り掛かったことは、コックさんたちとの連携強化でした。アイコンタクトで今何が欲しいというのを読む。サービス側もお客様には気を配っているつもりですが、目の前で焼いているコックさんのほうが確実に目が届きます。そんな合図をサービス側が汲み取るようにしたこと。

お客様に迷惑をかけずに、コックさんの仕事の流れを造っていくのもサービスの技量。夜な夜なコックさんの先輩方とサービスの話で盛り上がっているとき、サービスの人間とコックさんがなぜ仲がいいのか不思議に思いました。

でもこのような友好関係を気付いておけば、結果的にもお客様に還元ができると実感できました。先の先輩が言っていたというのではなく、本当にしい仕事ができたと思っています。

ワインの勉強は知識と実技を並行して


またそれと同時に三宅ソムリエの言っていた自分のワインノート作りにも力を入れました。

春先から始まり夏前くらいまでの数ヶ月は、部屋に閉じこもり教わった方法で知識を詰め込んでいました。

基本的なワインの知識を自分なりにまとめ、ノートに書いた知識と並行して行っていたことがあります。

それは同僚と行う比較試飲やワイナリーへ訪れす旅です。

舌や肌でワインを感じる勉強にも時間を注ぐことにより、先輩の言っていた多くの休みを有意義に過ごしました。

もちろん貧乏旅行になりますが、スペインやポルトガル、フランス、イタリア等色々と強行スケジュールです。

ちなみに公共機関は最低限なので現地では「歩いて」回りました。

もちろん歩いているのは僕だけです。

他の旅行者は車でビューンと僕を抜いていきます。

でも僕はその分、土地やぶどうや働いている人たちを見ることができました。

車がない分、素敵な出会いもいくつかありました。

フランス人いい人だな!

スペイン人は情熱的だな!

ポルトガル人はフランス人よりいい人だな(僕の主観です)!

そのような細かなことも、これらの旅で見ることができた僕の財産です。で、イタリアは・・・・。

イタリア

ここには僕に大きな影響を及ぼしたあるワインとある人の存在が潜んでいたます。

そのワインとその人が、僕をイタリアに連れてきたといっても過言ではありません。

そのお話しはまた次回!

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