【コラム】南チロルの風:1
【Il Vento dell’Alto Adige 南チロルの風】
このコラムを書き始める前に
僕はここ南チロル地方(イタリア語別名アルト・アディジェ州)に来て18年目を迎えようとしています。
オーストリアとスイスに面した北イタリア。
そこは山に囲まれ、整備された落ち着いた街並、そしてのどかな風景。
常用語はイタリアだけど『ドイツ語』。
ここ南チロルは渓谷で形成されたアルプス山脈の麓にある自治州です。
渓谷にある町の特徴は谷間を這うような気持ちい風です。
南のガルダ湖から吹く暖かい風、メンドラ峠から吹く冷たい風。
なぜ僕が、名だたる旅行情報誌でも1・2ページしか載っていないようなマイナーな地域に長いこと住んでいるのか。
そして今に至るまでの経過はどのようなものだったのか。
そんな私的なお話しを交えながら、このコラムを通して一人でも多くの方々にこの南チロルの風を感じていただけるような情報の風を皆さんに伝えていきたいと思います。
ハイキングや登山をしたことがありますか?
森林浴はお好きですか?
都会に住んでいれば、誰もが求める自然と過ごす自由な時間。
そんな素敵な場所に住んでみたいと思っていたのが、今から20年前。
もちろんハイキングや登山などイタリアに来てからはしたことがありませんでした。
当時僕はミラノのレストランで働いていました。
人口約135万人のミラノはご存知の通り、ファッションとビジネスの町。都会で人も多く、ハイキングや森林浴など無縁の町。
情報もありふれていて、旅行情報誌でも何ページにもわたって盛りだくさんです。
まるで東京です。
そんな活気のある生活を投げ出して、なぜ、突然南チロル(アルト・アディジェ)州にある人口約4万人の小さな町、メラーノに来たのか?
というお話しからしていこうと思います。
そこには後にメラーノまでつながる人とワインの存在が潜んでいたのです。
次回は僕の飲食人として始まるヨーロッパの初年度についてお伝えしていきたいと思います!
それでは、また次回!!
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