- 運営しているクリエイター
記事一覧
雨の記憶 【詩と絵 〜実験の欠片〜】
そっと窓を開けて
雨を眺めている
街並みを洗う
幾多の雨粒
窓枠に肘をついて
ただ
眺めている
雨の匂いに
滲む記憶
ちいさな長靴と
水たまり
大きな手のぬくもり
シャツを濡らして
走る少年
渡せなかった折り畳み傘
ぼんやりと鮮やかな
幾つもの景色
今はもう失われた
幾つもの景色
そっと窓を閉じて
雨音を聴いている
屋根を叩く
不規則なリズム
灯りもつけず
ただ
聴いている
恋の海葬【ショートショート】(お題「塩人」)
「山上サクラさんのお宅ですか?」
玄関先に訪れた塩人の少年は、貝殻を手にしている。大叔母の言った通りだ。
「サクラは、私の大叔母です。十五年前に他界しました」
私は懐から、形見の貝殻を取り出し、少年の貝殻に重ねた。
★
二枚の貝殻は、僕の手の上で、ぴったりと合った。伯父から聞いていた通りだ。
「僕は、大浜カナメの甥です。伯父は、先月亡くなりました。遺言で、遺灰を届けに来ました」
アナログ巌流島【ショートショート】
「10分後、巌流島に着陸します」
アナウンスを聴いた途端、夫は、防護服のグローブで、私の手を握りしめた。
「巌流島だ! アナログの巌流島!」
「痛いよ。落ち着いて」
「あ、ごめん」
夫は慌てて手を離し、深呼吸した。こういう素直なところ、可愛いよな。
★
古代、人類が防護服無しで、地表で生きていけた頃も、新婚カップルは旅に出たらしい。
バーチャル旅行全盛の昨今も、新婚旅行は、
週末は夢の中で生きている【30日間毎日note:その27】
3行日記
貴重な土曜日は、
物語を紡いでばかり。
合間に食事と散歩と、少しの家事。
余談(余談の方が長い)
このnote、書き始めたのが、21:30です。今日の投稿、間に合うかなあ?
毎日noteのチャレンジ、平日は、夕食後から翌朝までの間に書いて、19時に予約投稿、というペースが掴めてきたのです。
おお、これなら、土日は余裕かな? だって、日中に書く時間を取れるもんね。
と、