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日々のエッセイ

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2019年から湖畔暮らし。自然、ヤギ、トリ、仕事、考え事の日々。
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2023年1月の記事一覧

誰かが書く文章の可能性

誰かが書く文章の可能性

たとえ日本国民の大勢が知っているような有名な書き手が書いたものでなくても、ふとした時に誰かの目に止まり、その誰かの心の支えになる文章があるのではないかと思う。

「心の支え」とやや大袈裟に表現したけれど、単純に生活に彩りが生まれたり、気持ちが上がったりする文章も指しているつもりだ。

そしてそんな文章をたくさん読めれば読めるほど、なんとも言えない柔らかい充実感に包まれていく。特にお気に入りのカフェ

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蔵から宿になるまでの物語【6-10話】

蔵から宿になるまでの物語【6-10話】

2022年の春頃から自宅敷地内にある、築100年の蔵をリノベーションしています。現在はすでに工事を終えて、今年2023年には小さな宿をオープンする予定です。

約8カ月間の再生工事のなかで、感じることがたくさんありました。感じたことをこのまま忘れ去ってしまうのは勿体無いと思い、公式ホームページ内で「蔵から宿になるまでの物語」をエッセイ調で記録しています。

このnoteでは原文は掲載していませんが

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なぜか森は暖かい

なぜか森は暖かい

最近、森へ行くと暖かいことに気が付いた。家のお勝手よりも、庭よりも、ヤギ小屋よりも、どこよりも森の中にいると暖かい。

底冷えする日が増えてきて、隙間だらけの古民家は暖房器具を付けなければ外気温と変わらない。むしろ日光が当たらない部屋だと屋外よりも冷え込んでいる。料理しながら白い息を出している自分がなんだか面白い。

そんな冬本番を体いっぱい感じるなか、森だけは明らかに暖かいのである。不思議だ。

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自分に負けない自分をつくる

自分に負けない自分をつくる

今年は新年を迎えてからも、特にこれといった目標は立てていない。その理由は、年が変わっても昨年から続いている事柄に変化はなく、引き続き淡々と目の前のやるべきことをこなすのみだからである。地続き、といった感じかな。

もちろん初詣に行ったり、御祈祷をしてもらったりと、新年らしく浄化された気持ちにはなっている。しかし、新しい目標を改めて設定する、ということは今年については特になかった。ほんの数年前までは

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蔵から宿になるまでの物語【1-5話】

蔵から宿になるまでの物語【1-5話】

昨年noteでも触れたことがあるのですが、うちの敷地内にある築100年の蔵をリノベーションして、宿にする準備を進めています。宿といっても夫婦二人で運営する、一日一組限定の秘密基地みたいな小さな宿です。今は工事もほとんど終わり、家具や内装を整える段階になってきました。今年3月にはプレオープンにたどり着けそうです。

その記録をnoteでも一時期エッセイとして書いていたのですが、宿のホームページをほぼ

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私の一年とこれから

私の一年とこれから

昨年の自分を何かに喩えるならば、まるで大海に漂う根無し草のようであったと思う。目指したい陸地はあるのに海にふわふわと浮かぶことしかできず、なかなか陸地に根を張れなかった。ときにその様を客観的に見ては悲観的になったり、ときに「今は浮いているしかない」と割り切ったり、全体的にたくさん悩んだ年だった。

一番の理由は昨年の5月からずっと病院に通っているからだ。

ここでは特に詳細まで触れないが、自分にと

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