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社長の思い

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八鹿警備保障の代表取締役である田路智洋社長による手記。日々の仕事上の気づきや若社長としての心情を赤裸々に綴ります。
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2018年10月の記事一覧

アベノミクスと交通誘導警備

1. 自社は今、経営の安定化のため施設警備や年間契約の駐車場警備の仕事の比率を上げることに努めている。

その成果もあり、一時その比率が3分の2を超え、今も5割5分前後を推移している。

2.(1) しかし、依然スポット契約が売上の半分近くを占め、その多くが交通誘導警備の仕事である。

特に自社の本社がある田舎の場合、交通誘導警備の大半は公共事業関連の仕事。

その公共事業に関してアベノミクスの影

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名著「失敗の本質」に学ぶ

1.(1)「来るもの拒まず去る者追わず」という言葉は人事における心得の一つにしているが、そろそろその考え方を見直す時期に来ているのかもしれない。

(2)A 最近自社には新たな従業員が次々入ってくる。

その一方、たまに出て行くものもいる。

出ていくものの原因にはいくつかの要因がある。

その中で、特に高齢の転職者に比較的多いのが、前の職場の価値観や考えに染まりすぎて自社に馴染めないというも

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愛車内での一考②

1.時代遅れの感のあるCDだが、情報の見える化・パッケージングに成功し、それがサービス業に活かせる手法であることは前回述べた通り。

このCDを製作するレコード会社は再販価格維持を行なっている。

再販価格維持とは商品の生産者・供給者が卸・小売に販売価格を指示して守らせる行為。

この行為は正常な価格形成を妨げて、消費者利益を害するとして独禁法2条9項の不公正な取引方法に該当するとして禁止されてい

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愛車内での一考①

1. 養父・豊岡と明石の行き来は仕事モードなので正直気分転換にならない。

なので、昨日、明石営業所にいることもあり、とりあえずPCと資料持って姫路に出かけた。目的はなし。あえて言えばカフェでデスクワークといったとこか。頭がもうろうとしている中、愛車のプリウスに乗って。

はじめはなんとも目つきの悪い愛車に辟易したものだが、今では愛しさすら覚えるようになった。慣れとは怖いものだ笑。

事故らない程

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コンプライアンスをチャンスと捉える

1. 最近とある仕事を依頼された。その理由は前任業者が所属の警備員を前の現場から休憩・仮眠なしで取引先現場に送り込んだ疑いが濃厚だからと言うことだった。

このように最近コンプライアンスを守らない業者はまともな取引先から徐々に相手にされなくなってきている。

2. コンプライアンスは一般に法令遵守と訳され、会社法や独禁法等企業活動に直接触れる法律だけでなく、個人情報保護法といった直接関係ない法律も

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「おいしい」会社

1. おしるこをおいしくするには適度の塩が必要だが、量を間違えると不味くなる。その塩梅が大切だ。

経営の神様、松下幸之助氏が著書「物の見方考え方」の中でそのようなことをおっしゃっていた。

社会が健全なものになるにはルールや規律一色ではダメで少しの遊びや自由も必要。

なぜなら社会を構成する人間という存在がそういうものだから。

でも遊びや自由ばかりでルールや規律がおろそかにされると社会が乱れ、

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メンターの必要性

1. 予定より遅れたものの従業員意識調査の分析がほぼ終わった。あとは評価・仕上げに掛かる。

全体的に上がったものの、特に他部門間の協力・連絡体制の構築の項目が上がった。

当然と言えば当然である。なぜなら複数部門の業務を担当する隊員が増えたからである。

ただこのことにより、少し懸念すべきことがある。

それはこの前話した指揮命令の問題もそうだが、それだけでなく隊員のメンタルの問題である。

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大切にしたい「課題の分離」

1. 自分と他人は違う。ゆえにそれぞれが抱える課題もまた違う。それは家族であっても変わらない。

だからもし自分がその他人のためにできることがあるとすれば、それは他人自身が解決する環境を提供すること。

にもかかわらず、他人が解決する問題に自分が介入すると、それは他人の課題を自分が代わりに行うことになり、他人が自立する道を奪うことになってしまう。

アドラーのいう課題の分離はそんな内容だったと思う

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バリューチェーン分析を通して気付いた事

1. この前、師匠が主催する私塾で、久々にバリューチェーンを使った分析をした。

バリューチェーン分析とは事業活動を機能ごとに分類し、どの部分で付加価値が生み出されているか、競合と比較してどの部分に強み・弱みがあるのかを分析し、事業戦略の有効性や改善の方向を探ること。

この作業で思ったのは、サービスの質は指導教育だけで決まるんじゃないってこと。

例えば、自社の場合、営業したり、先方から仕事の依

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下町ロケットを見て感じた事と事業戦略眼

1.(1)一昨日・昨日と師匠主催の私塾があった。

今回のテーマは「生き抜く経営」を実現する事業戦略眼。

戦略の意義から始まり、その考え方としての経験や偏見に頼らない仮説思考・ゼロベース思考の内容、その思考のための方法としてミーシーやロジックツリーを学んだ。その上で、バリューチェーン、PEST分析、3C分析、SWOT分析といったフレームを使って、最終的に実際に参加者が経営したり所属する会社の現在

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お客様のみならず隊員にも安全を!

1. 警備業は災害リスクと隣り合わせの仕事。

例えば交通誘導警備の最中に車に引かれたり、施設警備の最中、火災に巻き込まれたり…。

お客様の安全・安心はもちろんのこと、従業員の安全を確保することが警備会社の経営者の義務だと思う。

2. こういった従業員の安全衛生管理に関する指標に、度数率、年千人率、強度率、がある。
前者2つは災害発生の頻度を表し、強度率は災害の重さを表す。

まず、度数率は労

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大塚家具を考える

1. 2日前、浪人時代の友人達数名とプチ同窓会をした。

弁護士、市役所職員、社員教育系コンサル会社社員、日経グループ会社員といろんな肩書きの友人達と寮時代のバカ話に花が咲いた。

あのときの寮内はカオスだった。

よく同窓会でウチら個性的だったよね、みたいな話になるけど、ここまで個性的な方々もそうはいまい。具体的な内容を書きたいが、それをすると立場上マズいので辞めておく(笑)。

ただ、今の小学

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ジュリアス・シーザーの格言を考える

1.「人はみな自分の見たいものしかみようとしない」by ジュリアス・シーザー

かつての東京地検特捜部特捜部の誤認捜査に見られるように、どんなに論理的で頭がいい人間でも、一度抱いた思い込みや仮説によって築かれた偏見から逃れることは難しい。

だからこそ、ひとかどの人物は事実に対してどこまでも謙虚になることで、私心から距離を置き、逆説的に自らの夢や意思を大切にしたのかもしれない。

2.ビジネスの世

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テクノロジーはあくまで手段

1. 前にテレビを見てた時、中田英寿があえてスマホを持たない旨のことを言っていたのを思い出した。

なんでも、スマホに頼りすぎると自分の頭で考える癖がなくなるからだとのこと。

これはある意味、これからの時代に求められる視点だと思う。

2.(1) 今、ピークは過ぎたもののAIブームである。

これからAIだとか、いやいや人には敵わないとか、いろんな論者によるいろんな説がいろんなところで囁かれてい

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